「錦田警部はどろぼうがお好き」についての雑多な感想
「錦田警部はどろぼうがお好き」単行本+コミックス未収録回2まで読みました…今年知った中で一番好みに合う漫画だった
中途半端にネタバレしながら最高だった部分について言及するので、まずは下のバナーから1〜3話の試し読みだけでもお願いします
「錦田警部はどろぼうがお好き」は怪盗ジャックを捕まえたいけれど彼のことが好きすぎるあまり対面するとポンコツになってしまう錦田警部と、怪盗ジャックだけれど普段は警部の右腕として警察内部に潜り込んでいるアンリ君の追いかけっこラブコメです
溺愛してくる年上の男性と、彼に反発するけれど心の底ではだいぶ絆されてしまっている年下の少年という関係性がマジで好きなのでもう本当に読むだけで幸せ……
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一番好きなのは5話の水泳レッスン回です
全く泳げないアンリ君が密かに今回の怪盗稼業を諦めようとした時に「諦めるな!おまえならできる!最後までやり遂げろ!」とタイミング良く警部に励まされて、警部から手取り足取り泳ぎ方を教えてもらうんですよ…
ちょっとしたアドバイスもきちんとメモして実践するアンリ君…いつになく素直なのが可愛い…
その後お宝を盗んで湖に囲まれた城を脱出する際に、警部の顔と手が描かれたお手製のビート板(かわいい!!!)を使って泳いで脱出ボートに辿り着くことができた時のジャックの感慨深そうな顔!
さらに警部から「オレは絶対に諦めない!必ず捕まえてやるからな」と言われて、去り際に「諦めるな!やればできるさ!」と以前の警部の言葉を借りて返事をするジャック…!!
オチもアンリ君のツンデレ具合が最高…よく見たらアンリ君照れてますね…可愛い…
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最初は怪盗ジャックLOVEな警部に正体がバレないように頑張るアンリ君のドキドキ二重生活♡みたいな男の娘ラブコメに近い様式でストーリーが進んでいたのですが、警部が心肺停止状態になると「死んだ目の錦田」として覚醒してスーパー攻め様になる設定が途中から加わることで、警部とアンリ君の関係性の幅が広がってさらに面白くなるんですよ!
普段の警部は怪盗ジャックのことを死ぬほど溺愛しているし、わずかな証拠品や勘でジャックの思考を読み取るくらいに彼のことを深く理解している一方で、死んだ目の錦田になるとジャックのことをコソドロ呼ばわりするうえにつまらない事件として扱うくらい興味をなくしてしまうので振り幅が大きすぎる
どちらの警部も嫌いつつ、この温度差に振り回されてしまうアンリ君が可愛い…
でも死んだ目の錦田はアンリ君のことを「オレのモン」扱いするんですよ!凄腕の警部であるが故に何もかもをつまらなく感じてしまう錦田が、唯一アンリ君をからかっている時だけは楽しんでいて!しかもアンリ君を腕力に物を言わせて弄んで…!なんて奴だ……
逆に普段の警部は基本的にアンリ君のことを優秀で大切な部下としか見ていなくて(7話の3日間密着回、13話の風邪ひき看病回でちょっとフラグが立つけれどすぐ折れる)、独占欲は一切ないんです
この丁度良い距離感が、アンリ君が警部のことを毛嫌いしつつもなんだかんだ警部の傍にいる理由の一つだったらいいな、と思います
死んだ目の錦田から普段の警部に戻って、ジャックを第一に考える彼の姿を見た時のアンリ君の何とも言えない表情も最高〜!特に8話のラストページの思考を読まれまくったアンリ君の唖然とした顔が可愛すぎる!ジャックに執着する警部は気持ち悪いけれど、彼がジャックに興味をなくすのはもっと不愉快なんだろうな
例えば11話の
「弱み?怪盗ジャックにそんなものあるわけないだろ」
「まあしいて言うのなら、冷静で、完璧すぎるとこくらいかな」
「ジャックは!そんなに単純じゃありません!」
などの台詞から分かるように、アンリ君は怪盗ジャックに誇りと自信を持っているから、ジャックをコソドロ呼ばわりして易々と捕まえてくる死んだ目の錦田は一番の天敵なんだよね
アンリ君、常に死んだ目の錦田を殺そうとしてるし…
でも錦田が唯一楽しさを見出せるものはアンリ君だから彼はやたらアンリ君にちょっかいを掛けてくるし…何なのこの2人?
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警部にとって怪盗ジャックは一番の救いだし、死んだ目の錦田にとってもアンリ君が唯一の救いなので、2人(?)ともどんなに拒絶されて逃げられてもジャックやアンリ君を諦められないんだよね…
まあそもそも警部の頭の中に「ジャックを諦める」という選択肢はないけれど
それにアンリ君にとっても警部はジャックの最大の理解者のはず(あれほどまでジャックに付きまとって彼を熟知している人間が複数居たら困る)なので、無視して通れないというか…非情になりきれないというか…きっとアンリ君も警部にジャックのことを諦めてほしくないんですよ!毛嫌いしているのに相手からは嫌われたくないという複雑すぎる感情…!頑張れアンリ君、それも一つの愛の形だよ…
極めつけはコミックス未収録回2(最終話とは言いません)!
諸事情で「フガフガ」としか喋ることができなくなったアンリ君の言葉をたった一人理解して代弁する警部…!(ちょっとだけ読み取れていない部分があるけれど)
ジャックじゃなくてアンリ君と言葉を越えた意思疎通ができるなんて…最後のアンリ君の「フガッ」という返事の意味合いは警部にしか分からないだなんて…もう完全に二人だけの世界ですよ
おめでとう!式を挙げ……結婚式なら12話でもう挙げてる!既に警部は両親に婚約者としてジャックを紹介しているし周りの警察官たちも祝福している!!なんて優しい世界!おめでとう!!お幸せに〜!!
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サンデーうぇぶりのアプリをDLして会員登録すれば配布分のコインで全話読めるのですが、もし好みに合うようでしたらぜひ単行本を買ってください
2巻の書き下ろしのおまけ漫画は読むと死ぬこと請け合いです 警部とアンリ君がめちゃめちゃ深い仲だという事実を突きつけられます 超仲良しじゃん…
折り返しの帯にあるイラストやちょっとした扉絵のイラストもとても可愛いです
新規絵が見られる喜びをぜひ単行本で味わってください!
そして!!単行本で新規絵が見られるだけでも充分幸せなのに!!作者のかんばまゆこ先生がファンに向けて描いてくださったメッセージイラストがpixivに…!!
本当に嬉しい…3巻や続編をいつまでも待っています!