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【Crew.9】 福井市スポーツ課 石丸さん

2024年9月22日、福井ユナイテッドは福井市とのUniteタウン協定を締結。

同協定の目的や市とクラブの関係について、スポーツ課の若手職員がアツい思いを語ってくれました。

元々は野球少年だった石丸さんが福井ユナイテッドに”沼る”きっかけとなった推し選手は?

行政マンかつ、サポーター、まさにCrewの声をお届けします。

プロフィール
石丸 森平(いしまる しんぺい)さん 福井市出身
小中高大は野球に励んでいた。
推しは、榎本響選手。

ー まずは自己紹介をお願いします
石丸森平(いしまる しんぺい)です。福井市の出身で、大卒で福井市役所に勤務して3年目となります。

ー お名前の由来を聞いてもいいですか?
そうですね。自分には姉が1人いるんですけど、 姉の名前が夏の海で「なつみ」って言うんですが、姉との対比のような感じで「森」という文字を名前に入れたと、両親から聞いています。

ー 福井市役所に入職されてから、ずっとスポーツ課ですか?
そうですね。厳密に言うと、スポーツ課自体の部局が変わったんです。以前は教育委員会のなかにあった部署のひとつですが、今年から「商工労働部観光文化スポーツ局」っていう少し長い名前の配属先になっています。

ー そちらで担当されているお仕事について教えてください
入庁1年目のときは、 スポーツ課独自で開催している健康体操教室の運営などを担当していました。その当時から福井ユナイテッドFCさんとも色々と関わらせていただく機会がありました。ただ、1・2年目は正直事業の予算が全くなかったんです。今年から商工労働部に移ったことで、これまでは健康や福祉、健康作りという側面から、スポーツで人を集客しようとか、エンターテインメント的な側面に変わりました。それによって必要な予算をいただくようになりました。その予算を利用して行った事業のひとつが、9月22日(北信越リーグ最終節)に行った「福井市応援デー」です。実は、2年前にも「福井市応援デー」を実施していましたが、そのときは予算がなかったこともあり、形にしづらかった印象です。

ー それで今回は福井市民の方は入場無料となった?
2年前は福井市在住の方は半額の500円で試合観戦できるような企画を行いましたが、今年は先着500名様を無料観戦ご招待する形となりました。

ー その効果もあり、今回はクラブ史上最高となる2,081人の観客動員に繋がりました
そう言っていただけるとありがたいです。

2024.9.22 北信越フットボールリーグ1部最終節、JSC戦では「福井市応援デー」を実施。
小雨が降り続くあいにくの天候の中にもかかわらず、クラブ史上最多となる2,081名を動員

ー 少し話が戻りますが、スポーツ課で運営するイベントは他にはどんなものがありますか?
まず大きなものとして3つあります。一つ目が健康体操教室。福井市体育館で、毎週火曜日と木曜日に行なっています。火曜日と木曜日は、少し内容を変えているんですけど、大体100人ぐらいの方が参加しています。内容はいわゆる健康運動で、高齢者の方でも参加いただけるような教室を春と秋に10回ずつ開催しています。
福井市の独自事業っていうと違うかもしれませんが、二つ目が毎年スポーツ庁が行なっている体力・運動能力調査。皆さん、おそらく小中学生のときに行なったことがあると思うんですけど、反復横跳びとか、そういった項目のスポーツテストをスポーツ庁が調査をしています。実際には、都道府県から各市町にこの人数分のサンプルを集めてくださいっていう依頼があり、福井市としては、毎年福井市体育館で体力・運動能力測定を行なっています。一昨年は体力測定会の会場内で福井ユナイテッドさんに「サッカー体験会」ということで、 キックターゲットとドリブルのブースを設置していただき、参加者の皆さんに体験していただきました。その際には、トップチームの選手にも来ていただいて、市民の皆さんとの交流を行なっていただきました。
三つ目が 毎年11月3日の文化の日に開催している「ファミリーミニマラソン大会」。福井市スポーツ課主催のイベントで、これが1番参加人数としては大きいです。安田町のスポーツ公園内をコースにして、 家族でペアやグループになって走りましょうという企画です。 ミニマラソンとうたっている通り、長くても2km。マラソンというよりは、家族で楽しく走りましょうっていう趣旨でやっています。このイベントには毎年約900名の方々に参加いただいています。これも、昨年に引き続き福井ユナイテッドさんにご協力頂いて、ゴール地点のフェニックススタジアム内の芝生スペースで、サッカー体験コーナーをしていただきました。昨年は、キックターゲットと、ミニゲーム体験会を行なって、参加者のアンケート結果でもかなり好評を頂いていました。特にミニゲーム体験会は、福井ユナイテッドのスタッフの宮郷さんが小さいお子さんの相手をして大人気だったのが印象的でした。

2024.11.3 福井市ファミリーミニマラソン参加者向けにキックターゲットブースを出展

ー 福井市とは9月22日に9.98スタジアムで調印式を行い、Uniteタウン協定を締結しました
元々この協定に関しては、自分が入庁した令和4年度のときからお話を頂いていました。なかなかタイミングが合わず、今年度に伸びてしまいましたが、9月22日は「福井市応援デー」として開催することが決まっていたので、Uniteタウン協定を結ぶとしたらこのタイミングだろうっていうことで、試合のハーフタイムに調印式を行いました。
また、市長が代わって市の構想のなかに「スポーツを活かして活気溢れる町に」っていうところを掲げています。福井ユナイテッドさんは、すでに県内の各市町で地域貢献活動をされていますので、福井市とも協働できることを期待しています。

2024.9.22 福井市×福井ユナイテッド Uniteタウン協定締結式

ー 現時点で決まっていることや具体的な活動はありますか?
そうですね、現段階での確定した情報をお伝えすることは難しいのですが、 ひとつは心身の健全な育成というところで、元々スポーツ課で行なっている健康体操教室です。福井ユナイテッドさんは、すでに他の市町で行なっていますが、チームのトレーナーさんに指導頂く教室を開催するというのは、やりやすいのかなと思っています。
また、スポーツ課が商工労働部に移ってきましたので、 これまで選手がいろんな市町の観光資源をPRされていたように、連携して福井市の魅力発信を一緒にやっていければとも考えています。その他にも、お互いにこんなことがしたいとか、こんなことができますよという提案をこれから出し合っていければと思います。

ー 今後に期待が持てますね。話は変わりますが、石丸さんご自身のスポーツに対する関わりを伺っても良いですか?
自分は小学校1年生から大学まで、ずっと野球をやってきました。小学校が軟式、中高が硬式で、大学はまた軟式です。いまは福井市役所の野球部に所属しています。

ー 凄い、野球一筋ですね。
もちろん「見る」部分では、色々なスポーツを見たりはしてるんですけど、自分でプレーするっていうところだと、ほとんど野球です。

ー スポーツは色々見られるとのことですが、サッカーも見ますか?
はい。まだまだ勉強中ですが、きっかけは2010年のW杯南アフリカ大会のときにオランダ代表のアリエン・ロッベン選手を見てからです。それまではサッカーをチラチラ見ることはあっても、そんなにのめり込むことはありませんでした。あとは、僕はずっとドイツ代表のミュラー選手を尊敬をしていて、そこからドイツ(ブンデスリーガ)の方も見ています。

ー 国内のJリーグとかはあまり見ませんか?
自分は大阪の吹田市の大学に通っていたので、ガンバ大阪の試合にはちょくちょく見に行っていました。大学時代のバイト先にガンバの選手が来店されたなんてこともあり、テンションが上がってました。もちろん、福井ユナイテッドさんの試合もスタンドで見ています。

ー 結構サッカーは好きな方なんですね
見るのは好きです。本当にド素人ですが。

ー 福井ユナイテッドの試合を見ての感想は?
大層なことは言えないですけど、やっぱり面白いですね。なかなか上手く魅力を伝えるっていうと難しいですけど。一応、自分の推しの選手のタオルも持ってきました(一同笑)。聞かれたらこれを出そうと用意してました(笑)。

"推し"榎本選手のサイン入りタオルを広げる石丸さん

ー 先ほどロッベンとかミュラーとかの名前が出たんですが、少し毛色が違う選手で驚きました(笑)。ちなみに、なぜ榎本選手を?
初めて福井ユナイテッドさんの試合を見に行ったときに、榎本選手がサイドバックで出ていて、とにかくずっとフィールドを走ってハードワークをしていました。相手選手やボールホルダーに対してガツガツ当たっていく、なんか熱い感じに惹かれました。見た目としてはちょっとおとなしそうな、いい感じに見えるんですけど、プレーの熱とか、ずっとピッチを上下動している姿とか、激しいディフェンスとか、そこのギャップにぐっときたのがきっかけです。 今年は一列前のポジションでもプレーされていて、今まではサイドバックだったのが、サイドハーフというか、多分ウイングバック的な立ち位置だと思うんですけど、今年は今までとは違った顔というか、攻撃により絡むプレーが見られます。リーグ戦のアシスト数も増えたりとか、榎本選手自身のゴールもいくつか見られました。それもあって、これまで以上に今年は引き込まれています。あとは、自分が榎本選手と同い年という共通点があるんです。

ー そこに親近感もあるんですね。それにしても凄く分析もされて見られているんですね
9月8日の富山新庄クラブ戦。7-1で快勝した試合で、榎本選手が凄いゴラッソを決めました。あのミドルシュートは凄かったです。

石丸さんの"推し"榎本選手は2022シーズンに加入。東海学園大学卒の3年目。

ー あの試合はスタジアムで観戦されていたんですか?
はい、見てました。

ー いつもどの辺りで見られています?
メインとゴール裏の間ぐらいの場所で、スタンドの上の方で見ています。そこが一番選手の動きが俯瞰で見えて分かりやすいので。

ー アウェイも観戦に来てくださってます?
去年の全国地域SCL、1戦目のアルテリーヴォ和歌山戦は見に行きました。ちょうど振替休日が余っていたので。彦根なら近いし行けるなと思って、ひとりで車で行きました(笑)。

ー 今年も京都で全国地域SCLの決勝ラウンドが行われます
実は、先にもう休みを取得しています。(※10月中旬にこの取材をしています)
1次ラウンドは難しそうですけど、京都なら行けるかなって。

ー しっかりとサポーターですね(笑)。
でも、野球少年だった石丸さんがそこまでハマった理由はなんですか?

なかなか言葉で表現するのは難しいですが、 やっぱりプレーヤーの方々もそうですし、 毎試合ゴール裏にいるサポーターの方々の熱意ですかね。テクノポートで見ていても、応援の声量が凄いなっていつも思いながら聞いています。やっぱりスタジアム全体の雰囲気が好きっていうのが、ひとつ大きなところだと思っています。あとは、福井ユナイテッドさんがいい意味で、選手とサポーターとの距離が近いっていうのがあります。選手一人ひとりに愛着が湧くっていうか、頑張って欲しいなって思っています。

ー 石丸さん個人としてクラブに期待することは?
昇格というか、上のステージで選手たちが戦うところを見たいっていうのが、1番大きなところです。地域リーグでは、ホームゲームも多くても7試合ですが、上のカテゴリーに上がっていけばより多くホームで試合を見られます。ただ、それ(昇格すること)だけじゃないとは思います。

ー それだけじゃない部分というと?
結構仕事的なコメントかもしれないですけれども、 自分がその1年目のときに、初めて吾田さんと毛利田さんが庁舎に来られて打ち合わせをしたときに色々お話しさせて頂きました。吾田さんらのクラブの理想として、「勝ち負け関係なく、人が集まって応援してくれるようなクラブ。サッカーに興味がなくても、みんなが集まってくるようなところが理想」と話されていて、自分のなかでプロスポーツを見るっていうことの考え方が変わったというか、気付かされた部分がありました。だから、ひとつでも上のカテゴリーに上がってほしいですが、上がっても上がらなくても地域のみんなで支えていこう、応援していこうっていう機運が高まっていけば、地域にとって欠かせないクラブになっていくと思います。そして、今回福井市と福井ユナイテッドさんとのUniteタウン協定を結ばせていただいたっていうのもありますし、これから色んなことに一緒に取り組んでいきたいと思います。

ー 石丸さんの妄想でも良いので、将来的にこうなったら良いなと思うことはありますか?
本当に単純ですが、 いつの日かテクノポートや9.98スタジアムの公式戦のときに、360度、人で埋まってるような満員のスタジアムが実現できたらいいなって思っています。

ー 一緒に実現しましょう。
最後に、榎本選手の他に応援している選手はいます?

そうですね。それで言うと、森永選手です。森永選手もよく走る選手なので、やっぱりハードワークする選手が気になるんですかね。

森永秀紀選手は2021シーズンに加入。縦横無尽に動いて、攻守に関わり続けるプレーが持ち味

ー ふたりともロッベン選手とは全然プレースタイルが違いますが(笑)
バイエルンのとき、プレスの先頭に走るミュラーが大好きだったんです。

ー ゴールゲッターじゃなくてミュラーのチェイスが好きなんて、本当にサッカー通なんですね。ちなみに野球のポジションは?
僕はキャッチャーです、見た目どおりに(笑)。

ー だからその視点があるんですね。ちなみに好きな捕手は?
小さい頃から阪神ファンで、矢野燿大さんが好きでした。

(ライター/細道 徹)