人の内面まで迫れる写真が撮れるといいな
あまり写真撮るの上手でないし、有名なインスタグラマーでもないのであんまり自分の写真について質問は来ないけど、たまに
「いつもポートレート撮ってるときどんなことを意識してますか?」
「ポーズとかけっこう指示したりしますか?」
なんてことを聞かれる。
うーん。意識していることか。。
まず、これは技術的なことになるけど、光の向きはいつも考えている。今回の撮影は初めての室内撮影だったけど、カーテン越しの柔らかい光。
モデルさんの横から光が当たる斜光とか、半逆光がドラマティックで自分の好みなので無意識のうちにそうなっていることが多い。
他に意識していることは、被写体さんがいかにリラックスしてくれるかを大切にすること。
基本的にあんまり細かくポーズの指示はしない派。
とは言っても、撮影開始、はい、特に指示しないので自然な振る舞いでよろしくね!と丸投げにはしない。
まず、どんなイメージの写真を撮りたいのか、ゴールをお互いで共有しておければベスト。自分の場合、あらかじめイメージに近い写真を見せて、「今回はこんな雰囲気で撮りたい。~な表情が多めかな。~な服装がよい。」など伝える。
目的をしっかり伝えて、相手がそれをイメージできることが大切だ。モデルさんにとって一番不安なのはどんな表情すればいいのか、どんなテーマの写真なのかわからないで撮られることだと考えている。
だいたいはじめはポーズを指示することが多い。モデルさんもその方が安心する。ポーズを指示するうちにやっぱりこのモデルさんは別の角度から撮った方がいいのかな、とか、手の置き方とか違うかな、とかイメージ通りにいかないこともある。
「こっちの方がいいかなあ」「うーん」「ああ、この角度だ、最高」など独り言を言ってしまうことも多々。「こっちよりもこのほうがいいかなあ?」なんてモデルさんに写真を見せながら聞くときもある。
悩んでる感や自信なさげな感じが相手に伝わってしまうのは、賛否両論だろうけど、モデルさんと一緒に作品を作り上げる感じにしたいのだ。
お互いに、どうやったらよりよくなるか、対等な立場で、ある意味友だちみたいに話をしながら撮影を進めていく。
そうやっていくうちに、お互いの緊張感も解けて、ふと「最高」な瞬間が訪れるのだ。
これらの写真は、自分がポーズを指示した写真ではなく、モデルさんが無意識のうちに動いてくれた瞬間をおさめただけだ。
私は「ベッドに横になって」と言っただけだ。
緊張感が解けてくるとモデルさんの自然なしぐさが表れてくる。あとはそれをベストなタイミングと光、角度でおさめるのみ。
いいねが何百とついている「インスタ映え」写真を見てみて、心が全然動かされない写真がいくらだってある。外面的な美しさとかきれいさとか、それも悪くないけどさ。
でも、自分は今やっている撮影みたいに、モデルさんと向き合って、モデルさんの自然なしぐさや表情を引き出したい。ポートレートやっている以上、そのモデルさんの魅力を引き出したい。内面的な。
「インスタ映え」でなく、「エモい」写真がやっぱりいい。