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【#19】定期的なボリューム調整はすごく大事(前編)
『ジムでの人間観察』がやめられない今日この頃です。(完全に職業病だと思います)
自分が決まった時間にジムに向かうと毎週毎週同じ重量、同じレップ数でトレーニングに励む人がたまに見かけます。または、毎回のトレーニングで重量を増やして『前回から+5kgでいけるっしょ!』とか、『今回こそはMax更新できるっしょ!』みたいなノリで結局潰れてしまってる大学生もたま見かけます。
皆さんは毎回同じ重量、同じレップ数でトレーニングしていないでしょうか。
または毎回毎回記録更新を目指して重量を上げてトレーニングしていないでしょうか。
それ、適切に調整しないと逆効果かもしれません。
今回はボリューム調整について、どんなことを考慮しながらトレーニングボリュームをコントロールするのが良いか私の考え方をまとめていきます。
そもそもボリュームとは?
トレーニングにおけるボリュームとは、基本的には、
セット数・レップ数・重量を掛け合わせたもので表されます。
このボリュームは、トレーニングを重ねていく中で徐々に上げていく必要があるのですが、上げていけば上げていくだけ成果が出るかというと実はそうではありません。
ボリュームが上がるということはすなわち、身体にかかる負担が上がるということです。身体にかかる負担が高くなるということは裏を返すとその分怪我のリスクも高まることになります。
ただし、トレーニングの効果を出すためにはもちろん漸進性過負荷の原則に則って、負荷を上げていくことは重要です。
トレーニングでしっかり負荷もかけたいけど、身体には余計な負担はかけないようにしたい。
そこで重要になってくるのが、適切なボリュームコントロールというわけです。
適切なボリュームコントロールのために
重量アップのために常にMax測定をするのは逆効果?
トレーニングをしていると気になるものの一つに重量があると思います。
単純に何キロの重さを扱えたかというのもそうですし、換算値(何キロで何回できたかによって1RMを換算した値)も気になるところでしょう。
もちろんトレーニングの目的は換算値を伸ばすことだけではないので、重量に拘らない方もいるかもしれませんが、トレーニングをする上ではやはり目にみえる結果なので、気にする方が多いのではないかと思います。
さらに言えば、重量アップを目標にトレーニングしている方の中には、毎回重量をアップして限界に挑戦している方もいるかもしれません。
しかし、これはあまりお勧めしません。
なぜなら、重量をアップするということはそれだけ身体には大きな負担がかかるからです。負担がかかり続けると、前述のとおり怪我のリスクは当然上がりますし、なにより、自分が扱える重量の100%に近い重量ばかりを扱い続けると、身体だけでなく神経にも疲労を蓄積させます。
この神経疲労が厄介で、神経疲労が蓄積されている状態が続けば結果的にトレーニング中に扱える重量に大きく影響を及ぼします。神経疲労が原因で扱える重量がどんどん下がってしまうなんてことはザラにあるのです。
重量をアップしたくて毎回Max近い重量を扱ってるのに、その重量を扱い続けることで重量が下がっていくなんて、、、目を背けたくなりますが、事実です。
毎回のトレーニングの1セット目で1RM重量を扱い、数値の更新を目指している方もいるかもしれませんが、これは逆効果です。今すぐやめましょう。
ここまでの内容は、扱う重量をアップすること自体を否定しているのではありません。ここで伝えたいのは、”何も考えずに重量をアップするのではなく、計画的に重量をアップしていくことが大切”ということです。計画的に重量をアップしていくことで、怪我のリスクをなるべく低減させながら、適切な過負荷をかけていくことに繋がります。
以下、重量を上げていくために取り組むべき基本的な内容をまとめていきたいと思います。
ボリュームコントロールのために①:重量を上げていく過程でレップ数を調整しよう
ここから具体的にどのようにボリュームコントロールをしていくかに触れていきます。
基本的には、重量を上げたらレップ数を下げていくのが基本です。これは感覚的にもわかるかもしれませんが、例えば現状、ベンチプレスを80kgで10回できたとして、その80kg10回がギリギリだった場合に、重量を上げて100kgを扱うとしたら10回行うのは難しいです。
”重量を上げるにつれて徐々にレップ数を下げていく”というのが一つセオリーとなりるわけですね。
ボリュームコントロールのために②一定の期間でプログラムを区切ろう(ピリオダイゼーション)
プログラムに区切りをつける。いわゆるピリオダイゼーションという考え方です。
トレーニングを期分けすることで、その時期にどの程度トレーニングをするか、また、どこまでの量・強度を身体にかけていくかを細かく決めていきます。
また、決められた期間で、重量を徐々に上げていくという設定もここで行います。このようにトレーニングを一定期間で区切ることが、直接的に細かなボリュームコントロールに繋がります。
非常にざっくりとしたピリオダイゼーション作成の例ですが、期間の初めは低強度で高回数を実施する内容から始めて、週を追うごとに強度を高めて回数を減らしていき、最終的に自分のマックスに近い重量を扱っていくという流れでトレーニングを進めていくのが一般的です。
また、期間の最後で、測定を行うと良いでしょう。期間を経て重量が上がっているかどうかを確認して、今回のトレーニング内容の振り返りと次回の負荷設定の参考にし、新たにピリオダイゼーションを作成していく、、、といった感じです。
ピリオダイゼーションなくトレーニングを進めてしまうと、最終的なゴールが見えず、どこに向けて重量や回数を操作していくかが明確になりません。また、その結果同じ重量や同じレップ数でのトレーニングが続き、身体に負荷がかかりきらなかったり、その日の調子だけで重量を上げたことで潰れる、最悪怪我をしてしまうなんてことも起こりかねません。
なんとなくトレーニングをして、なんとなく重量を上げていくのではなく、自分の目標からある程度期間を定めて計画的にトレーニングを進めていくことが安全でかつ一番効果的な方法になるはずです。
まとめ
今回は、トレーニングボリュームの調整について、基本的な方法をメインでまとめてみました。
トレーニングされている方のほとんどは何か目標があって取り組んでいることがほとんどだと思います。ただ辛いだけで、求める結果が全く出てないなんて時間の無駄以外の何者でもないと思ってしまいます。
次回はもう少し細かい部分まで踏み込んでお伝えしたいと思います。
自分が求める結果に対して、今の努力が正しいものなのかを今一度考えていただくきっかけになれば幸いです。