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2024/02/07
台本を書いているときに聴いている音楽の話
お話を考える時、展開もオチも一向につかめなくて土に埋まりたくなるような日々を送る時があります。一方で、描きたい質感・温度・トーンにぴったりの曲と出逢えることがあって、その曲が茨の道を進む時の手がかりや、行き詰ったときの心の支えになってくれます。
toconoma/CICADA
かるがもの第6回本公演を書き出す時、ほんとに何書いたらいいか分からないけど絶対こういうトーンの話、という気持ちだけがありました。
日常生活に寄り添ってくれるスケールの心地よさ。実際にCC曲にした。
BUMP OF CHIKEN/窓の中から
第7回の『M.O.S.ヤングタウン』の時に狂ったように聞いていました。BUMPの曲に2年に一度号泣させられる人生を歩んでいます(19年aurora 21年なないろ 23年これ↑)。
自分が形にしたいことと似たような情景や思いを、こんなに鮮やかに歌い上げちゃってさ!という気持ちになる書き手って他にもいるんじゃないだろうか…。『サチコ』を書いているときに『なないろ』をずっと聴いていて似た気持ちになったことを覚えています。恐れ多いけど。
しかし本当に素晴らしい唄です。「たった一人の言葉にならない痛み」に徹底的に寄り添っていた一番を聴いている時は、正直いつものbumpがくれるやさしさだな、ふんふんと聴いていたのですが、1番のラスト二行から、突然ぐわっと世界が他者に、ひとりの外側に広がっていくんです。不意打ちでした。ひとりはひとりのままなのに、物凄い希望をのぞかせてくれます。
カネコアヤノ/タオルケットは穏やかな
『静流』を書く時、タイトルが決まったあたりからもうこれは静かなる炎なんだ、シューゲイザー轟音ギターなんだ、ということだけは確信していて、この曲のイントロをバックに夜明けに自転車を漕いでいる静流だけが頭に浮かんでいました。自転車のシーンはなくなったけど、この曲の持つ熱量だけが手がかりでした。
書き始めたはいいもののもう本当に助けてくださいっていう日々の連続で、結構過去1,2でしんどかったのですが、その時も奮起させ続けてくれたのが
宮本浩次/ハレルヤ
これは大人が頑張る物語なのだと分かってから、それはもう狂ったように聴いていた。
平野義久/Who We Are
得田真裕/お母さんの手紙
熱いシーンだけでは当然構成されないわけで、しっとりとした雰囲気を考える時にイメージを引っ張ってくれた2曲。
『静流』はもうほんとにこの4曲(ほかにも沢山あるけど)を何百回聞いたか分からないし、何度聴きながら小田原の街・御幸の浜を徘徊したか分かりません。ほんと全方位に謝罪と感謝が止まらないです。
と、いうような感じで、私はお話を書くときにプレイリストをつくって永遠にリピートしながら書くことが多いです。でも本編や開場時に使う曲とはまた別のことが多いです。
と、いうような話は、本来noteで販売中の上演台本のおまけに書くべき話であって、一昨年発売した第6回公演以降の上演台本の編集後記を未だ更新できていないので、本当に書きます…。
と、いうことで最後に、また新しいお話をつくりはじめている最近の私にとって、わずかな手掛かりになってくれている曲を匂わせて終わります。
ひろ~い意味でネタバレになりえます。そんなことないです多分。
今日も港町れいでぃおを聴きながら寝ます。おやすみなさいませ。