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RettyにおけるはじめてのUXリサーチ設計

こんにちは、Rettyの二見です。データアナリストとしてプロダクトを伸ばすため数値を分析したり、プランナーとして施策の企画をしたりしています!

一方でプロダクトを伸ばすためには筋の良い仮説に基づく数値出しやユーザーのインサイトに基づいた企画立案が重要と考えています。Rettyではより筋の良い仮説やユーザーインサイトを獲得するためにUXリサーチを導入し、データアナリストが主導して実施しています。

ということで本記事ではUXリサーチの設計プロセスのtipsやデータアナリストとして定性分析設計を行う上での学びを共有できればと思います!

RettyにUXリサーチを導入する背景や手法については同じ分析チームからnoteが公開されていますので是非ご覧ください!

またはじめて設計する際にはメルペイUXリサーチャーのみほぞのさんに色々ご指南いただき、本記事の学びを得ました。みほぞのさんにはとても感謝しています!

00# 2種類のUXリサーチ

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いきなり設計のtipsに入る前にそもそもリサーチ手法の全体像を皆様に共有します。本記事でUXリサーチと呼んでいるのは上記図の定性分析の列です。UXリサーチの中でも「課題探索」を目的としたものと「仮説検証」を目的としたものに分かれます。

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上記図のようにユーザーインサイト自体の発見をしたいものが「探索」、施策の精度向上を目的としたものを「検証」としています。

「探索」か「検証」かは、プロダクトや組織に対して適切な手法を選択する必要があります。一方でUXリサーチにおける分析設計のプロセスは共通する部分が多いです。

01# 背景/目的の整理

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今から行おうとしているUXリサーチがどんな背景で行われるのか?最終的にどんな状態になるのが目的か?を整理します。

調査背景
 ・組織やプロダクトとしての背景
調査目的
 ・知りたいことやどうして知りたいか①
 ・知りたいことやどうして知りたいか②

また売上などの事業的な視点と施策に繋がるユーザー的な視点は分けておくことをオススメします。今から行おうとするUXリサーチが最終的に組織的な戦略まで結びつくのが目的か、施策などの戦術として落ち着くのか目的かで分析結果をどこまで深く広くするかが変わってきます。

データアナリストとして実際にやってみると課題から落とし込めるのでハードルはそこまで高くありませんでした。一方で最終的なアウトプットに数値が出てくるわけではないので、この軸がブレると迷走する恐れがありそうです...

02# 分析範囲を定める

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UXリサーチの軸となる背景と目的を整理したら、次に今回のUXリサーチでどこまで分析範囲に入れるかを整理します。

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具体的にはKPI/ロジックツリーを用いて、どの範囲の定性データを集めるかを整理します。今回明らかにしようとしている部分が数値全体の内のどこか、プロダクト機能の内どこかを明確にします。

複雑なプロダクトほど全体を知りたくなってしまいますが、UXリサーチの時間や結果分析に対して範囲が広すぎると得られる結果も抽象度が高すぎたり、焦点のぼやけたものになってしまう恐れがあります。

Rettyの例ではデータアナリストである著者とPMで話し合いながらロジックツリーを作成し、UXリサーチの範囲の目線を揃えていました。データ分析者としては精度の高いものを作りたくなりますが、ツリーの正確性とリサーチ結果のは比例しないかなと考えています...

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あくまで目線や軸が揃っていることが重要なので、大雑把なロジックツリーを作るところで落ち着きました。

03# 目的達成のために何を知るべきか

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プロダクトやKPIの中で知りたい範囲やUXリサーチを適用する箇所が定ったら、目的を達成するために必要な情報は何かを洗い出します。また目的達成後にこのUXリサーチの結果の活用方法も整理しておくと良いです。

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例えばUXリサーチの目的がRettyのアプリを利用するメリットの把握だった場合、目的達成後にはメリット訴求できるような施策や洗い出したKPIの向上施策を考えることとします。そのためにはRettyのアプリのメリットを明らかにする要素でどんなことを知れれば良いかを書いていきます。

ここの要素洗い出しは普段行う数値的な分析であれば指標を因数分解ができますが、定性的な要素洗い出しは網羅的になっていない可能性もあります...ここは細かな壁打ちで解消していきました。

04# 質問設計を行う

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質問を組み立てるポイントはいくつかありますがここでは3つをリストアップします。

時系列に沿って設計する
最初から自らの持っている仮説をぶつけたり、未来のことを聞いていくと聞かれる側やUXリサーチされる側も考え込んでしまいます。ユーザーの現状把握から、過去、これからのことについて聞いていくことをオススメします。

知りたいことにちゃんと関連しているか
それぞれの質問が知りたいことに沿っているかを確認します。全部の質問が関連していなきゃいけないわけではありませんが、時間は限られているのでなるべくコアな質問は絞っておきたいです。

オープンクエスチョンで聞いていく
5W1Hで聞いていきます。誘導的に「~ですよね?」「~が良いと思いませんか?」などの質問は自らの仮説をそのまま聞いてしまっているので返答にバイアスがかかりやすいです。

先程の例で質問を考えてみると以下のようになります。

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各々の質問で知りたいことが知れるかを確認しつつ、時系列的にどの順番でユーザーさんに聞いていくのが良さそうかを考えながら並び替えたりします。

データ分析者が初めて一人で質問を組み立てるのは慣れが必要なので、社内の人に壁打ちをしながら都度修正を行っていくのがおすすめです。

よりUXリサーチ設計の精度を上げるために

ここまで出来ればあとは作った質問をユーザーさんにしていき、元々の目的を達成していく流れになります。

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ここまでの流れをまとめると上記図のようになります。

データアナリストが普段行う定量的な分析設計の経験を活かせる部分は多く、非常にやりやすい部分も多かったです。またデータアナリストは定量的に全体像を把握しやすいので、UXリサーチで指標や分析を立体的に理解することができるメリットもあります。

一方で質問の組み立てなど慣れない作業などは人に壁打ちしながら精度を上げていくと良さそうです。実際にユーザーさんに聞いていくとさらに深く掘りたくなる部分や範囲が広くなることもあると思うので、目標に立ち返って都度修正を入れていくことで確度が上がります。

終わりに

今後RettyではUXリサーチ設計を独立して行える人を増やしつつ、プロダクト施策に反映するフローや文化をさらに促進したいと考えています!

より筋の良い仮説からプロダクトを作っていきたいフェーズにはかなり有効な手法だと思うのでプロダクトに関わる人の参考になれば幸いです。

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こちらのマガジンにRetty社員が書いているnoteがまとまっています。ご興味ある方はぜひチェックしてみてください。



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