Cookpad発のマルシェアプリ「komerco」のグロースハックについて
Cookpad発のマルシェアプリ「komerco」とは?
今回は料理レシピサイト・アプリを運営するCookpad発のマルシェアプリを紹介します。(記事内では社名をCookpad、プロダクト名をcookpad表記にしています)
その名も「komerco」(コメルコ)です。料理が楽しくなるマルシェアプリとしてリリースされており、公式LPでは以下のように紹介されています。
料理道具、うつわ、カトラリー、リネン雑貨などの
“料理が楽しくなるモノ”が買えるマルシェアプリです。
今回はこのkomercoについて色々考察しましたので、まとめておきます。
komercoのホームについて
komercoは、メールアドレス・Facebookによる登録か非登録の状態から始めることができます。非登録でも商品をスキできたり、カートに追加することは可能です。
komercoのホームは以下のような構成になっています。
・コメルコバナシ
・特集(期限で入れ替わる)
・人気の商品(8つ表示)
・新着商品(8つ表示)
・カテゴリ
特徴的なのは人気商品や新着商品よりも上にコメルコバナシや特集が置かれているところです。
komercoでは商品そのものよりもストーリーや物語を買わせたいという表れだと思います。
Cookpadならではのコメルコバナシ
ホーム画面の中でももっとも上に配置されているコメルコバナシでは、商品が買いたくなるようなストーリーがいくつも置かれています。
具体的には上記画像のようにナイフそのものを紹介するというより、そのナイフにまつわる"ストーリー"から入るところがkomercoを象徴しています。
またCookpadがリリースしているということもあり、レシピ付きのコメルコバナシもあります。綺麗に盛り付けられた器が欲しい人や、おしゃれだなと思ったものがその場で購入できる仕組みとなっています。
komercoのさがす
komercoのさがすページでは「人気のハッシュタグ」「人気のキーワード」の2つが用意されている。この2つのエリアが入れ替わるかどうかは常々みておきたいです。
またキーワードの粒度はあまり揃っていません。季節だったり素材名だったり、雰囲気だったりします。
この辺がどのように索引で管理されているのかわかりませんが、今後CVRなどで入れ替えていくのかもしれません。
また「さがす」が平仮名表記なのは、komercoにあった柔らかな印象を与えるためでしょうか。
「お気に入り」ではなく「スキ」というのも雰囲気の統一性を感じさせます。
komercoの商品ページ
komercoの商品ページでは、クエリエイターの紹介文が掲載されています。値段があまり目立たないデザインとなっています。
またハッシュタグはカルーセルで実装されており、1つの商品に10個以上のタグがつけられています。
おそらく後ろでアプリ内検索をコントロールするためのハッシュタグでしょうが、出品者が自由につけられるものとは限らなそうです。
komercoで気になったグロースハック・デザイン
まず気になったのはホーム画面の特集の「期限」についてです。
期限を持たせることによって「限定感」や「季節トレンド」感を出していくという感じでしょうか。
また、ここでCVRの良い特集はコメルコバナシによって再び特集を組むことができるのだと思います。
そういう意味でCookpadが挑戦的な特集を組みやすいという意味でもこの枠は上手いなと思いました。
また、komercoでは「在庫あり」と「残り~点」を使い分けています。
残り何点になると赤い表記になるかわからないのですが、ユーザーからすると在庫ありの安心感と売り切れの焦燥感の二つを実現しており、良いと思いました。
komercoのユーザーセグメント
komercoで取り扱っている商品は比較的高額です。
物にもよると思うのですが、だいたい5,000円から20,000円くらいの食器が目につきます。(この辺はサンプルをとってデータ分析しても良いかもしれない)
購入するユーザーとしては、料理を本格的な趣味にしている主婦や富裕層になりがちでしょう。
そのうち料理を始めたての男性向けのコメルコバナシやリーズナブルなキッチン商品など少し価格帯を落としたものを推してくる可能性は十分に考えられます。(CVRがKPIになった場合)
今後のkomerco
今後どのようにユーザー数を増やしていくのかを考察したいと思います。
実装ベースの話だと商品毎の共有というのができない状態です。「この器がよかった」「この商品使いやすい」などの話をkomercoを中心に行えればよりマルシェアプリとしてCV数をあげることができるのではないでしょうか。
また、本家cookpadとのコラボなども考えられそうです。現在はiOS版しかないのですが、web版をリリースしてcookpadからそのままurlで飛んで購入という流れも面白そうです。
cookpadにレシピを投稿する人がアフリエイトのような形で購入売り上げの一部をもらえる仕組みにしても良さそうです。
Cookpadは、レシピから派生してcookpad TVなどオフラインの世界にどんどん手を広げています。このkomercoもどのように伸びていくか楽しみです。
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