"おじカワ"を見た息子がめちゃくちゃ動揺している件

小4の息子が「胸が苦しい」と言って泣き出してしまいました。

「おやすみなさい」と寝室に向かってたった3分後。リビングに戻ってきて、「ドキドキがおさまんない」「なんか眠れない」と。

今日は夏休み最終日。もしかして、明日の登校に不安があるのかも?眠る前にふと、わけもなく漠然とした不安に飲み込まれるような気がしたのだろうか。

どうしたのか恐る恐る尋ねたら、

「さっき観たドラマが悲しかった」

と。

さっき観たドラマとは、日本テレビ系列・木曜23時台ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」です。

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「おじさんはカワイイものがお好き。」は、コメディドラマです。

普段はキリッとしたたたずまいのイケオジ(眞島秀和)が、部屋で一人、推しキャラであるパグ太郎グッズを愛でている時はたちまちふにゃふにゃの笑顔になってしまう。

そんなギャップが面白くて、開始10分で「このドラマ面白いな」と息子も夢中になりました。

しかし、主人公がこの趣味をひた隠しにしているあまり、楽しみにしていたパグ太郎ガチャでお目当てを持ち帰れなかったり、急遽自宅に人が来るということで、愛するパグ太郎グッズを断腸の思いでクローゼットに押し込んだりした辺りから「このドラマは心臓に悪い」とぽつりと漏らし、視聴を途中でやめてしまったのです。

話を聞いてみると「パグ太郎ガチャでせっかくレアが出たのに、バレそうになったせいでそれを落としてしまい、諦めざるを得なかった」シーンが特に辛かったとのこと。

息子にとって、大好きなものの大好きなガチャの、それもレアがすぐ目の前まで来ていたのに手に入らないという事件は、耐えがたい絶望に近い出来事だったようです。

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私はこの出来事の数日前、息子の「国語の読解力」と「フィクションを楽しむ力」に疑問を感じるといった内容の悩みツイートをしていました。

国語の方は、登場人物の心情を想像してみる設問が苦手で苦労している点。

フィクションの方は、主に映像作品の場合、必殺技を出すシーン、主人公が有利になるアイテムを使うシーン、派手なアクションシーン、ギャグシーンなどの、「好きなシーン」だけをカタログ的に楽しむことは出来ても、連続したストーリーとしての楽しみ方や、主人公の心情の変化を味わう楽しみ方が出来ていない点が気になっていました。

おそらく、フィクションのなかの人物への「感情移入」能力が未熟、あるいは不得意なのでは?という仮説を感じていたところだったのですが、まさかこのコメディドラマのワンシーンが、息子の心を一気に捕らえ、強い感情移入を引き出してしまうとは。

俳優・眞島さんの、パグ太郎愛、心の拠り所感、好きなものに心を委ねる幸せ、の表現があまりに上手すぎて、息子も自分にとって大切なもの、毎週楽しみにしていアニメ、夢中になれる漫画などを思わず画面の向こうに重ねてしまったのだと思います。

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大丈夫だよ、レアのガチャは主人公の手元に戻ってくるんだよ、と続きをスマホの小さな画面で見せると、安心したようで「そうなると2話も観てみたいかな…」「でも1話の続きを見るとまた悲しいのを思い出してしまいそうだな…」と小さく葛藤していました。

自分の心を大きく揺さぶる物語と出会った彼が、今後このドラマとどう向き合ってどう考えるのか。

ドラマのスタッフさん、ありがとう!楽しみにしてます!手加減してください!いや、しないで!