熊本県代表、大津高校のサッカーはなぜ私を魅了するのか?
大事なことなので、先に言っておく。
第100回全国高校サッカー選手権大会、決勝へ駒を進めた熊本県立大津高校。
読みは「おおつ」ではなく「おおづ」だ。
サッカー好きでも、結構間違えている人は多い。
「おおつ」だと滋賀県の県庁所在地になってしまう。
お間違えなきよう。
2021年度、第100回全国高校サッカー選手権大会は、国立競技場の開幕戦から1月9日の準決勝まで10試合をスタジアムで観た。
例年だと行きやすい等々力陸上競技場に行くことが多い。今年は一度も行かなかった。
理由は、熊本県代表の大津が試合をしないから。
1月2日だけ大津が試合する熊谷に行かなかった。理由は4つ。
①単純に遠い。駅からのバスも面倒くさい。
②31日に寒すぎて心折られた。試合よりも帰りのバスを待つまでの風で体温がかなり奪われた。あれを待つ勇気が出なかった。
③青森山田のサッカーを一応観ておきたかった。強いチームでもコロッと負けることがあるそれが高校サッカー。結果として全く心配要らなかったけど。
④大津はおそらく勝つだろう。佐賀東とは九州対決だが、普段戦っているリーグカテゴリーがJ1とJ3のような感じらしい。
全部チェックした!と言えたらよかったのに、少し後悔している。後悔先に立たず。
今年の大津の何が私を魅了しているのか、明日の決勝を前に試合を振り返りながら考えてみようと思う。
■攻撃力爆発の1回戦
普段ユース世代のサッカーをあまり観ていないので完全にニワカモードで1回戦を観戦した。
https://twitter.com/fjmariko/status/1476069649158918148?s=21
Twitterでやり取りのある方々が大津高校の情報を呟いてくれるおかげで以下のようなことはかろうじて知っていた。
①プレミアリーグWESTで戦っている。
②結構強いらしい。
②については、この1回戦で垣間見る事ができた。ただ、1回戦なので相手との実力差が大きいからなのか、本当に強いからなのかは確信が持てず。
この試合は、5得点と大量得点での勝利。攻撃の連動性の素晴らしさに魅了された。
ユース世代の情報発信をしてくれている安藤さんも注目していた1年生の碇選手も途中出場でゴールを決めたのも印象的だった。
このとき選手情報を参考にしたのがゲキサカのサイト。
ニワカにもとても優しい。
ここを見れば注目選手がわかりやすいのでおすすめだ。
この試合では薬師田選手の配給力もいいな、と思った。
■名門東福岡相手に強さを確信した2回戦
熊谷か……。今大会で都内から一番遠い会場だったので、最初は別会場に行くつもりだった。
1回戦の大津のサッカーがとてもワクワクするものだったこと、そして東福岡が好きな友人が熊谷に行くと言ってくれたこと、1回戦でTwitterで交流のある方々に挨拶し損ねたこと。この3点が後押しになって熊谷に行くことにした。
甲子園でも、高校サッカーでもそうだが、なんとなく熊本県の高校が負けたら九州の他の高校を応援する。九州あるあるなのかな?
2回戦にして、九州同士で潰し合うのはもったいないな、と思いつつどちらかは残るので楽しみな対決だった。
前半は1点リードだったけど、最終的には4−0の快勝。
この試合のタイミングで確認したけど、大津はプレミアリーグWESTの高体連の最上位だった。
4点とった相手、東福岡は9位。降格危機だった。今年の大津は間違いなく強い。確信した2回戦だった。
■観にいかなかった3回戦
前述の通り、3回戦は大津の試合を観にいかなかった。
後悔は今大会全試合観た!と言えないことと、白のアウェーユニフォーム姿で戦う姿が観れなかったこと。
青はもちろんカッコいいけど、白も爽やかさ増す感じでカッコいい。決勝はどっちだろう?
大津ブルーを観たい気もするけど、今大会私が観ていない白も観たい。つまりはどっちでもいい笑
佐賀東戦、今大会唯一の失点をしているが、それもスタジアムでは観ていない。私の中ではまだ大津は無失点だ。
■修正力が光った準々決勝
概ねスタジアムが遠い、しか言っていないが、フクダ電子アリーナも等々力陸上競技場に比べたら遠い。
それでも、熊谷よりは近いし、準決勝は大津にとって鬼門。今までにベスト4に進出したことがないのだ。
2回戦で破った東福岡も優勝経験高校で名門だけど、前橋育英も同様。大津の今年の強さは本物だと確信はしていたが、強いからと言って勝つとは限らないのが高校サッカー選手権の怖さ。
観ない試合で万が一敗退してしまったら、3回戦以上の後悔が残る。
ということで等々力陸上競技場ではなく、フクダ電子アリーナへ。
序盤から前橋育英にものすごく攻められていた。ただ、GK佐藤選手のナイスセーブ、そしてディフェンスの的確な修正力で見事なクリーンシート。
プレミアリーグWESTの4位ではあるものの、失点は最小。さすがだな、と思った。私は、大津が今まで越えられなかったベスト8の壁を超えた瞬間を目撃した!
10番の森田選手が負傷交代したのは心配だったが、準決勝も出られそうだ、との情報を見た。
私の中で、少し川崎フロンターレの大島選手がよぎるような視野の広さとパスセンスが光る選手。
■まさかの準決勝
準決勝も楽しみにしていたけど、まさかの関東第一から新型コロナウイルス陽性者が出て大津が不戦勝になってしまった。
応援している大津が決勝に行けるというのは嬉しいけど、かなり複雑だ。
負けた後に、悔し涙を流す選手たちの姿は切なくて悲しいけど、3年生は大学だったり、Jリーグだったり、1・2年生は翌年に向けての次のステージへの希望がある。
でも、新型コロナウイルスによる出場辞退には、絶望しかない。感染対策はしすぎるほどしていたと書いてあった。やるせない。
陽性になった選手や辞退の判断をした監督・スタッフが自分たちを責めるようなことにならないように切に祈っている。
もう2年くらい共生している(共生を強いられている)新型コロナウイルス。なんで?と憤りを覚えることも多いけどまた怒りが一つ増えた。
■最強の矛盾(ホコタテ)対決、決勝を見逃すな!
準決勝でも大量得点で決勝へ駒を進めた青森山田が最強の矛なら、大津は最強の盾を持っている。
1月10日の決勝は、プレミアリーグEAST1位とプレミアリーグWEST4位(高体連最上位)の最強対決。
最強の矛盾(ホコタテ)対決を見逃すな!
(おまけ)
大津高校は数多くのJリーガーを輩出している名門校だ。
Qolyの最強のイレブンを組んでみた、の記事を読んでも本当に最強だな、と思うメンバー。
現在J1リーグ2連覇。今年3連覇を目指す日本最強のチーム川崎フロンターレのディフェンスラインを支えるのも大津のOBだ。
有名選手がたくさんいるから、というのも熊本県代表の中でも大津が高校サッカー選手権に出たら特に応援したくなる理由の一つだが、私にはもう1つ理由がある。
出身校ではない。
(私の出身校はまず高校サッカー選手権に出ることはないだろう。今年の熊本県予選も2回戦(1回戦はなし)で負けていた)
さかのぼることものすごく前。中学生だった頃。初恋の人が進んだのが大津だったから。普通科だったけど、サッカー部にも入部していた。
彼の影響で私はサッカーを好きになった。サッカーのない人生は考えられないので、今でも感謝している。彼と別れた高校生の頃はあまり夢中で観ていなかったが、当時から大津高校はなんだか特別な高校だった。
SNSで簡単に繋がれる今ほど繋がる手段がなかったから、彼が今どこで何をしているかわからない。
大津の快進撃をどこかで観ていたらいいな。