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妊娠4ヶ月 │ 復職 、そして退職

切迫流産と言われて2週間の休職。
夫のありがたいサポートのおかげで安静を守ることができ、体調は落ち着いた。休職の原因であった出血もおさまり、再発することもなかった。

しかし復職後、すぐに私は退職することになった。

妊婦になって働きやすさを求めるなんて無理だと思って諦めた。

入職してから頑張って来た日々。
色々あったけどここが最後の職場だと思っていた。
こんなにあっという間に糸は切れるんだと呆気なさに虚しくなった。

自分のロッカーはすっからかんになり、職場の裏口からそっと最後の時を迎えた1人だけの退職日だったけど、私はもう後ろをふりむかないと決めていた。

お腹の赤ちゃんを守ること、自分の心と身体を守ること、夫に守られているという幸せがあること。それに家族や友人はもちろん私の味方でいてくれる。

今まで色々な病院を経験してきたけど、一番寂しくて、一番報われない最後だった。
裏口を出て1人で歩きながら大丈夫大丈夫、これで大丈夫、と表情は悪くなかったと思う。

それにしても完全に後味の悪い退職の仕方だった。
今も納得はしていないし、お世話になった人達や関わりのあった患者さん達には申し訳ないことをしたと思っている。

複雑な気持ちでいっぱいだったが退職すると決まった日は夫と笑顔で「退職パーティーだ!」と焼肉で乾杯した。※もちろんお酒ではなく!
乾杯したあと、夫は「いい顔してるから大丈夫やわ。」と言ってくれた。
実際に、復職してからの働きづらさ、肩身の狭さ、異動への不安、これは今まで感じたことのない種類のストレスだった。お腹の中にいる赤ちゃんにも影響しているようで心配だった。そのストレスから解放されたという安堵感はモヤモヤした気持ちの中にもあったと思う。

復職から退職までの期間はある意味つわりよりも辛かったけど、ここでも夫の存在が私を救ってくれた。

管理職側の意見もあると思うのでどっちがどうとはもう思っていない。
でも、私がもしかしたら間違っていたとしても、私を全肯定してくれる存在が1番そばにいてくれるという事実は私を強くしてくれた。

この先、どんなことがあっても私達は乗り越えられるし、夫に何かあったら私が全力で守ると美味しい焼肉でお腹と心を満たしながら誓った。

そして「こんなに頼りになるお父さんがいるよ。」と、お腹の中の赤ちゃんには安心してこの世に生まれてきてほしいと願っている。

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