
東京計画2021
『東京計画2021』という計画。
東京大学の工学系研究科建築学専攻、千葉研究室が中心となって進められている『モビリティ革新の時代における未来の都市像』のことであるが、このプロジェクトはある目的を持っている。

『MOTION. AUTOS, ART, ARCHITECTURE』展
Curators: Norman Foster, Manuel Cirauqui and Lekha Hileman Waitoller
Guggenheim Museum Bilbao @museoguggenheim
2022年4月8日-2022年9月18日
東京大学千葉研究室の学生たちは、スペインのバスク地方にあるグッゲンハイム ビルバオで開催されるこの世界規模の展覧会へ向けて準備の只中にある。
グッゲンハイム ビルバオと、ノーマンフォスター財団との協力により開催される本展は、過去1世紀の芸術とデザインの歴史からモビリティの関連性を探る。キュレーションは英国の建築家ノーマン・フォスター卿である。
AUTOS、ART、ARCHITECTUREは美術館の2階全体を占め、38台の象徴的な希少車両、著名芸術家による絵画や彫刻、写真やオーディオビジュアル、スケッチブック、20世紀に最も影響を与えた建築家やデザイナーによる建築モデルなどなど、約300点が展示されるそうだ。
そして、ここでお伝えすべきはその主要なギャラリーの1つとなる『THE FUTURE』である。モビリティの未来をテーマに捧げ、世界中の有名な工学とデザインを担う16の大学のアイデアを展示する。
つまり、東京大学千葉研はこの16の大学のうちの一つに選ばれたということで、現在『東京計画2021』として展示へ向けた準備に精力しているというわけだ。

さて、選ばれて出展するとなったは良いが、そうなるとプロジェクトの実現のためにさまざまな問題をクリアしていかなければならないわけである。現状では予算が足りないということが最も大きな壁となっているようで、早い話寄付を募っている。既に募集は開始され、3月31日まで寄付を募る。詳しくは上記の東京大学基金サイトを見ていただきたい。
私も微力ではあるが寄付をしたいと思う。そしてなぜこのプロジェクトをご紹介するのか?それには理由がある。
ちょうど1年前に出版された『a+u 604 特集:バイシクル・アーバニズム - 新しいモビリティと変化する都市』に関わらせていただいた。

a+uとは Architecture and Urbanism の略であり、『建築と都市』をコンセプトにした建築誌である。この時のバイシクル・アーバニズムを監修されたのが建築家千葉学氏であり、現『東京計画2021』のプロジェクト責任者である。私は氏からのオファーでRaphaとして数ページの記事を書かせていただいた。
Raphaが想い描く都市におけるライフスタイルと、私自身のさまざまな想いも込めて描き始めたのは良かったのだが、走り出した筆は止めどなく... 10000字を超えた原稿は最終的に編集者である横山氏によってギュッとコンパクトにしていただいた。数ある記事の中の一つに多くの時間と労力を注いでいただき大変お世話になった。良き思い出である。
話を戻そう。
バイシクル・アーバニズムには世界中の都市の好事例が掲載されている。
コペンハーゲン、ユトレヒト、バルセロナ、マドリード、廈門、リンブルフ、アムステルダム、NYC、フランクフルト
そしてサンフランシスコ、NYC、チューリッヒ、東京における未来の都市構想が掲載されているほか、世界中の名だたる建築家がここに寄稿している。
ここに掲載された東京の未来都市構想は千葉学氏が十数年暖めてきた希望であり、パンデミックや時代の変化に伴って生まれた新たな考え方を加え、斬新なプランが描かれている。この時の構想が今の『東京計画2021』へと繋がり進化しているのだ。
遥か未来の夢なのか、それとも実現可能な未来なのか? このような繋がっていくプロセスは変化への兆しと捉えられる。着々と実現へのステップを踏むことが日々の活動に必要なことであると、自分を戒める。
自転車のある生活が自由と豊かさを齎してくれる一方で、都市構造上のストレスや、社会通念的なところの不条理感は拭いきれないというか、なんとかしたいと思わない日はない。
そんな事ばかり考えているわけではないが、そのような状況に必ず遭遇するということだ。しかし、それ以上の楽しさがあることは言うまでもなく、日々、自転車に乗り続けるというライフスタイルに表れていると思う。
私は千葉学氏と研究室に集う学生たちの一大プロジェクトを応援したいと思う。僅かながらも関わりを持ってシンクロした未来を見ている同志として無関係ではいられない。
少しばかりでも良いのだ。私たちが良いと思える未来への投資をしようではないか。もし、この内容に共感いただける方がいたならば、情報を拡散していただいたり、可能であれば寄付をしていただいたり、ご協力をお願いしたい。
そして何よりも、それぞれの想い描く未来を語っていただきたいと願う。