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GFXとSigma Art:135mm F1.8 DG HSM

単焦点Artライン最長焦点距離のSigma Art 135mm F1.8 DG HSM。GFXで使ったら、135mmのインパクトのある絵作りはそのままに、画角が広がってスイートスポットが拡大。より魅力的なレンズになりますよ。

トリコロール

諸元

Sigma Art 135mm F1.8 DG HSM

Sigma Art 135mm F1.8 DG HSMについて、性能をおさらいしておきたいと思います。

5,000万画素以上の超高画素デジタル一眼レフカメラに対応する高い解像力を達成するとともに、最新の設計・ガラス素材の採用で、絞り開放から周辺部にいたるまで、徹底的に全ての基準を見直した、望遠レンズの新しい基準となる135mmです。

SIGMA公式WEBサイト / https://www.sigma-global.com/jp/lenses/a017_135_18/
レンズ諸元 / SIGMA公式WEBサイト
https://www.sigma-global.com/jp/lenses/a017_135_18/

Art 135mm F1.8 DG HSMはArtラインの単焦点レンズの中で最長焦点距離のレンズです。ラインナップの中ではF1.4のレンズが大多数ですが、このレンズと14mmのみF1.8となっています。

レンズ構成は10群13枚、画質についてはもう言う事ないです。作例の項で見ていただけたらと思います。こんなレンズをニュースタンダードだと言ってしまうSigmaさんの今後の方が心配になります。

重量は1.13kgと1kgオーバーです。DSLRの高級機であればボディの方も1kg前後あったのでバランス感は悪くなかったのですが、最近のミラーレスカメラは軽量化が進んだこともあり、レンズ側が重く感じられるかもしれません。
GFXの場合は、軽量なGFX50Rでも775gで、GFX100Sだと900g。マウントアダプタの重量も加わるため、それほどバランスが悪いとは感じません。

サイズもかなり大きいはず…なのですが、同じArtラインの近くのレンズ(105mmとか85mmとか)がさらに馬鹿デカいせいで、焦点距離が長いのに意外とコンパクトじゃない?という印象。たぶん感覚狂っています。

カメラとマウントアダプタ

カメラはFujifilm GFX100S、マウントアダプタはFringer EF-GFXを使用します。AE・AF・Exif等、相性は全く問題ありません。

中望遠レンズはイメージサークルが比較的広めに設計されていることが多く、このレンズもGFXのイメージセンサの隅までしっかり解像します。周辺減光も自然で、さほど違和感はありません。

ご存じのとおり、GFXはフルサイズよりイメージセンサが大きいため、35mm換算の倍率は0.8倍です。つまり、135mm×0.8=108mm相当の画角となります。大口径中望遠のボケ具合や迫力はそのままに、少し写る範囲が広がって使いやすくなり大変お得。

作例

今回はArt 135mm F1.8 DG HSMを持って尾瀬に行ってきたときの写真です。尾瀬はアップダウンが少なく重量のあるレンズでも苦しくないし、尾瀬沼や湿原など、水平に広がった地形では135mmが楽しいだろうなと予想。天候が芳しくなかったこともあり、この日は135mm無双となりました。

草紅葉

薙刀っぽいレンズだなと思います。長い柄の先に刃が付いたあの武具です。
間合いを大きく取れるため、リーチに入るモノなら相手に関わらず容赦なく払い倒せる薙刀のように、135mmも特定のレンジではどんな被写体でもバッサバッサと美しく写し取ってくれます。
一方で、懐に入られると刀の方が有利になるのと同じく、全く使えないレンジが存在します。屋内の撮影など、間合いが取れないと何もできないのです。

Ancient Design
上の画像の切り出し

遠距離でも近距離でも、目が痛くなるほど解像するレンズです。葉脈の一つ一つが滲みなく描写されている等倍切り出しを見ていると、正直やりすぎだろと感じるほどです。

本日のお宿

そんなにも解像するのに、アウトフォーカス部まで綺麗。一体どんな謎の技術を使っているんだと思います、正直。

道筋

そんなレンズなので、遠くに印象的な被写体を起き、中間になにか上手くモノを挟み前ボケを作るのがとても楽しいんですよね。
決して何でも撮れる焦点距離ではないからこそ、環境にレンズのスイートスポットを合わせて打ちに行く。そんな感覚のレンズです。

ランプの宿

まとめ

私は以前D750を使っていた頃に購入し、ボディをD850に買い替えた後もずっと使っていました。FマウントからGFXにシステムを乗り換えたため一度手放しましたが、結局再度EFマウント版を購入することになってしまいました。継続的に使い続けたくなる、魅力的なレンズの一つです。

なぜかと考えると、やっぱり撮ってて楽しいというのが一番です。
そこそこ写真の撮影経験を積むと、どういうレンズでどういう写真が撮れるかは予想できるようになりますよね。予想して撮って、結果が予想通りであることも必要なのですが、もし予想を超えた写真が出てきたとしたら?その時に、驚きや感動がもたらされ、撮って楽しいと感じるのだろうと思います。

このレンズは決して何でも撮れるレンズではありません。だからこそ予想がしにくく、あるとき突然、撮影者の予想を超えた写真が出てくる。使い続けていても、時々裏切って新鮮な驚きを提供してくれる。そんな、普通のレンズにちょっとマンネリしちゃった人にお勧めできるレンズです。

水中世界

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