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少牌マイティの深淵なる世界

昨日の夜リビングでダラダラしながらYouTubeを見ていた。



プロローグ

最近三人麻雀のフリー雀荘を巡回している。新規出店の三人打ちの店が増えてきているし、特殊牌や特殊役なども多くて四人麻雀とは違ったスリルが味わえる。

その中でも特にYouTubeで目を引くのが「少牌マイティ」という特殊ルールだ。12枚+仮想のオールマイティ牌があるという前提で打つ麻雀らしい。

動画を見ればわかるが、このゲームでは通常の13枚の麻雀では考えられない多面待ちや打牌選択がバンバン出てくる。

例えばこれで待ちは【1~9s、1p】となる。意味がわからない。

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これを応用して以下の牌姿も3p切りが正着打となる。トチ狂っている。

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そんな感じで冒頭の動画を見ながらTwitterを開くと、なんとこの少牌マイティをフリーで打たせてくれる雀荘があるという。

こんなチョンボ製造機みたいなルールでフリーとはイカれている。

一体どんな奴らが集まっているというのか?”タリンチュ”とは一体どんな種族なのか?少牌マイティを極めた先に何があるのか?世界に平和は訪れるのか?

その謎を解明するため、我々調査隊は錦糸町の奥地へと向かった。

錦糸町・麻雀GENTEN

錦糸町。ここに「麻雀GENTEN」という雀荘があるらしい。

少牌マイティがフリーで打てる機会など滅多にない。力士なのかプロレスラーなのかインド人なのかよくわからんが、とりあえずこのハッケヨイという人が来ている今週末は千載一遇のチャンスだ。ゼンツ!

GENTENは錦糸町のラブホ街の一角にある。昼間だったからいいものの、夜は魑魅魍魎の跋扈する怪しげな土地だ。日が暮れないうちに帰りたいから早めに店に入ろう。財布には40000Pくらいある。これくらいあれば余裕だろう。怪しげなビルに立ち入りエレベーターに乗る。5Fで降りると目の前に鋼鉄の重々しい防火扉が待ち構えていた。ホントにこの先に雀荘があるのだろうかっ?と思いながらも扉を開ける。ゼンツギア2nd!

店内に入ると何と満卓。どこか闇カジノ感が漂っている。客と店員の見分けがつかない。一体どこが待ち席なんだと思っていると、店員さんがやってきた。ガチガチに緊張した声で「ああ、初めてっす。あの…0.3で…」と申し出るとやや渋そうな顔をされた。どうやら0.3はマルでラスハン待ち。1.0ならすぐ入れるとのこと。0.3卓を見るとボドゲ同好会くらいほんわかした雰囲気だが、一方1.0卓はもはや小さい歌舞伎町である。正直ピンは避けたい。三人打ち自体不慣れだし、少牌マイティも初めてだし…うーんめんどくせぇ!ゼンツギア3rd!

こうして地獄のピンサンマに挑戦することになってしまった。

今日のハイライト

店に到着して初めて知ったが、なぜか「割れ目」が採用されていた

少牌マイティだけでも重労働なのに割れ目もあると考えることが多すぎる。脳のスペックが追いつかずあまり記憶が残っていないが、印象に残った牌姿を紹介していく。

まずはこちら。

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上家リーチを受けてすぐに3sをツモってきたところ。

この形、僕は進研ゼミ(※麻雀カッコイイシリーズ)でしっかり予習していたので一瞬で待ちを看破することができた。4sを切って【1~5pと3s8s】待ち。多面四暗刻だ!

テンション高まって漢の追っかけオープンを決行。念の為同卓者にも待ちを確認してもらう。卓内に緊張が走る…追っかけられた上家の方は表情が強張っている…親切に一緒に確認してくれた下家の方も黙り込んでいる…

少牌マイティでは待ちの広さが重要だ。この多面待ちならほとんど勝ったも同然だろう。さぁ待ち確認も終わった。果たして結果は…


「…とまぁ長々と確認してくれましたが、残念ながらそれロンです」

あんn!?

下家の無慈悲なヤミテンによって無事死亡。2000点。世界で最も優しさに満ちた溜めロンでした。対戦ありがとうございました。サヨナラ俺の四暗刻。


次はこちら。

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ドラが1sなので3s周りが伸びれば一気通貫があるかなぁと思いながら、ピンズがすくすくと手が育ちこの形へ到達。

「これ9sが重なれば3s切りで伸びによっては二盃口まであるなぁ、でも6s切って3s周りの方が枚数は上だよなぁ。おっと8sをツモったぞ。8sなら3s切って…4-7sと6-9sと…3s…これアガリじゃねぇかあぁぁ」

今見れば一瞬でわかるが、この手はダブルカンチャンで4sと8s待ちである。ただしツモのみ。当時はどうしても打点が必要で二盃口や一気通貫しか見えていなかった。手役を追いすぎて、目の前のテンパイに気づかないというトラップにハマってしまったようだ。

「アガらず」の選択は全然アリだと思うのだが、この手の最終形はいまだによくわからない。フリテンオープンで曲げるか、とりダマで4-7sをツモってヘッドレス無限待ちに持っていくかのどちらかなのかなぁ。


最後にもう一個。

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すぐにテンパったので待ちがわからず、長考してしまったのがこれ。結論から言えば3sと1~6pまでが待ちになる(よね?)と思うのだが、パッと見では全然わからなかった。特に6p。

手役も複雑で本当に頭がおかしくなりそうだ。1-4pなら平和一盃口だが、実は4pなら三暗刻&三連刻のコンボに取れる。2-5p3-6pならタンヤオで3sならツモって三暗刻。

結果はリーチして金5pをツモって満貫だった。

少牌マイティの奥は深い…

そして少牌人へ…

全部で9ゲームくらい打っただろうか。東一局で親割れ目倍満を被弾するなどして5分で即終了したゲームもあったが、かなり濃厚な少牌タイムを過ごすことが出来た。同卓者の二人も親切で良かった。

麻雀は2シャンテン、3シャンテンの時にこそセンスが問われるはずだ。どのターツを残すか、縦に伸ばすか横に伸ばすか、打点をとるかスピードをとるか。少牌マイティというゲームはこうした”麻雀の深淵なる部分”を凝縮したようなゲームだと思った。

その後天鳳の四人麻雀をプレイして思う。なぜ俺は13枚で麻雀をしているんだ。なんだこの脳みそを使わない退屈なゲームは。麻雀はそもそも12枚でやるのが普通なんじゃないか。むしろ通常の13枚の方が多牌なんだ。少牌がさき、ノーマル麻雀があと。

気づくとおれは立派なタリンチュになってしまっていた。

いつの日かビール片手に少牌マイティをこなせる日が来るだろうか。

我々の戦いはまだまだ続く。

サンキュー錦糸町。サンキュー麻雀GENTEN。

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