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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論401」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「デフレシフトで不振脱出ー顧客呼び戻す再生手法」1~※名称等は当時、一部文章省略
バブル期に開発され、重いツケを背負い、高コストを強いられた上、マーケティング的にも打開策を見つけられず苦戦しているクラブが思い切った「デフレシフト(変化対応)」を取ることにより業績を回復させる事例がいくつか見え始めている。
諦めるのはまだ早い、再生の可能性はある。
未だ残る赤字店舗
「フィットネス産業基礎データ資料2002」によると、調査に協力したFIA加盟企業の223クラブのうち22%が「赤字」と答えている。
同資料の1999年版では25.4%だった。
多少改善の傾向は見られているものの、依然2割以上のクラブが赤字のままである。
赤字店舗の多くは、バブル期に高額な建築費で開発されているため腰高のコスト構造を余儀なくされている上、「立地」と「施設」の一部にも欠陥を抱えているものと想像できる。
だが、どこのクラブも手をこまねいているばかりではない。
必死に変化対応しようと策を打ち続けているがなかなか奏功しないというのが実態ではなかろうか。
そうした状況下、いくつかのクラブが「デフレシフト」で再生を遂げている。
「デフレシフト」でクラブ再生
「デフレシフト」は、ある程度、立地と施設に恵まれているクラブにしか通用しないが、その戦略の柱は価格整合とコストマネジメントにある。
顧客受け入れ態勢を整えるべく施設空間(駐車場を含む)とプログラムを適正化した上で、価格を時代と顧客に整合したものにすることと、コストとりわけヒューマンマネジメントを行い、人件費をコントロールすることがポイントになる。
~ここまで~
パンデミック下で、未だ回復基調とは言えないフィットネス業界において、赤字企業の比率は当時以上であると推測されます。
さらに当時は、バブル期に行ったクラブ開発の不備が大きな要因であった為、その適正化によって回復の糸口も見出すことができました。
翻って、現在は成功原則・第一段階である開発時点で不整合となっているクラブは減っていますので、価格整合によって回復を図ることは困難だと言えます。
明日、当時の詳しい成功事例に触れていきますが、間違っても、その事例を焼き直すことはしないほうが良いでしょう。
かえって客単価下落を招き、ジリ貧に陥ること必至だからです。
あくまで当時の状況を踏まえた成功事例であるという歴史的事実と捉えて頂ければ良いと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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