「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論363」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第6号(2003.5.25発行)「ようやく登場、差別的特徴備えた本格クラブーザ・ビッグスポーツの大いなる挑戦」2~※名称等は当時、一部文章省略
料金システムは月会費12,000円一本
中庸姿勢法は片山氏により既に十分な成果が出されている。
外科的な障害だけでなく重度のアトピーも改善する。
そのメカニズムは京都大学の森谷敏夫教授もお墨付きを与えている。
「姿勢を整えることによって、自律神経が整えられるから治るのです。何も不思議なことはありません。すべて理にかなっています。」(同教授)
それだけ「プログラム」としての完成度が高く、差別性もあるから、顧客にとっての価値も高い。
だから同社では、くずは店の会員種別を12,000円の一本だけにすることにした。
会員募集にあたっては、この月会費はもちろん、10,000円の入会金も、登録料の3,000円も、一切値引きをしなかった。
「会員募集はかなり大変でした。」
同クラブの支配人を務めるM氏は、その苦労を語っていた。
上り調子の集客、入会者の評判も上々
当初、新聞折込チラシを相当量配布したが、あまり反応がなかった。
だが販促方法をセミナーや体験会を中心にするように変えてから、集客も進み始めて会員数はオープン前日の3月31日には1,500名に達した。
現在も会員数は増え続けており、損益分岐点である2千数百名まで今一歩のところまで近づいている。
入会者は初めてクラブに入会する人の比率が高く、特に「もしここが普通のクラブだとしたら入会しなかった。姿勢があったので入ることを決めたというお客様が多かった。」(M支配人)という。
同店は所謂移転新設店であるが、旧クラブの会員のおよそ7割弱もが、会費が上がったにも関わらず、新クラブのサービス内容に期待して移行した。
同クラブでは子供に対しても独自の視点から提供するサービスを見直した。
感性教育を取り入れ、総合的に知育・体育を進める「キッズクラブ」他のサービスを開発した。
この業態も差別的特徴を備えた価値の高いものだけに従来型のスイミングスクールの「相場」を超えた料金を設定して募集している。
ビッグスポーツはこれらの業態をまずは同店で確立した後、直営店他に水平展開していく将来構想を持つ。
その挑戦は始まったばかりであるが、業界の発展にとっても実に価値ある決断といえる。
同社の勇気ある行動に大きな拍手を送ると同時に、同社とは全く違うアプローチで本質的な価値を備えた新業態に挑む企業が現れてくれることを期待したい。
~ここまで~
「もしここが普通のクラブであったら入会していなかった」という言葉は、当社小型クラブでも聞かれる話ですので、とても共感する部分です。
それだけ、模倣難易度が高く、響く人には響くという点で有難いことですが、一方で対象の間口が狭くなる点において事業難易度は高いと言えます。
結果として、同業態は現在まで3店舗展開されているようで、一般的には水平展開として難しかったという評価になるかもしれません。
ただ、模倣難易度の高い小型クラブを実際に運営している当社から見れば、すごく分かる話であり、容易にパッケージ化できないゆえに「本格クラブ」と記事でも表現されていると思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。