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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論397」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「スピニング/インドアサイクリング」1~※名称等は当時、一部文章省略
「エクスペリエンス」「マインド&ボディ」「パーソナル」といったキーワードが注目されるようになったクラブ運営の中で、スピニング/インドアサイクリングが新たな魅力を放ち始めている。
本稿ではグループプログラムの中でもひときわユニークなコンセプトで世界的にその存在感を強めているスピニング/インドアサイクリングについて、その魅力を検証する。
スピニング/インドアサイクリングとは
スピニングまたはインドアサイクリングと呼ばれるプログラムは、屋内で専用の固定式バイクを用いて行うグループプログラムである。
専用バイクは手元の調節ノブやレバーで簡単にペダルの負荷が調節できるようになっており、音楽やインストラクターのリードによりイメージする地形の状態に合わせて負荷を上下したり、ペダリングを速くしたり遅くしたりしながら、バイクをこぐエクササイズである。
スピニングの歴史
スピニングは1989年、ジョニー・G氏という1人のサイクリストから生まれた。
同氏は長距離のサイクルレースに数多く出場し、数々の実績を残していた。
しかし1984年、「トランスアメリカ・サイクルレース」というアメリカ大陸を横断するレースで、残り100マイルで無念のリタイアを喫することになる。
同氏は自身の力不足を痛感、特に精神力の弱さを後悔したという。
そこでヨガなどの精神的な安定感や強さを身に付けるエクササイズに傾倒する中で全てにおける「バランス」の重要性を学んでいく。
自宅のガレージにロードサイクルを固定してトレーニングを続けたところ、仲間のサイクリストやパーソナルトレーニングのクライアントにも好評で、性別や年齢、体力レベルに関係なく、優れた効果が提供できたことから、これをより多くの人に提供したいと、実際のロードサイクルに近い走行感が得られるコンパクトな固定式バイクを自ら設計、プログラムに「スピニング」と名付け、これを専門に提供するスタジオを1989年ロサンジェルスにオープンするに至った。
~ここまで~
スピニングプログラムは、記事から約20年が経った今でも、立派に生き残っており、むしろここ数年は、暗闇スタジオやバーチャルスタジオとの相性も良く、再活性化しているとも言えます。
歴史を紐解けば、ピラティスと同様、開発の発端は、開発者自身の個人的な問題解決のためだったということが分かります。
いわゆるトレンドプログラムと見なされがちなプログラムであっても、廃れないものは、このような開発者の想いから生まれたものであるのかもしれません。
これからはこれが流行るなどあれこれ周囲を見渡すよりも、解決できていない身近な問題を解消できるコンテンツを必死に創造する方が、スタンダード化する確率は高いと考えられます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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