2月7日(月):まずは中核価値が満たされてこそ
昨日は「ファンベースの前に気をつけること」と題して、目的と手段の倒錯に陥らないように、といった話をしました。
外的な要因、取り巻く状況から数字としての合理性によって既存顧客にフォーカスするだけではファンベースも上手く機能しないから、根底の部分で自分たちがお客様のことをどう捉えているのか、お客様との関係をどのように育んでいきたいのか、そういったことを本来は先に考えるべきですね。
さて、そうした前提があったうえでのファンづくりですが、日経ビジネスでは「機能よりも情緒の時代」といった記載がありました。
「感情的なつながりを築ければ、ファンとの関係はより強固になる。多少スペックで他社に追い抜かれても、価格が値上がりしても、なかなか離れない。」こうした点はその通りだと思います。
私たちも情緒的価値を大切にしているから、そこは理解ができます。
ただ、そこに至るには前提があって、それはその業種に求められる中核価値が満たされていることが条件です。
私たちフィットネスクラブにおける中核価値は機能的価値につながる「お客様の身体をより良く変えること」だと思っています。
大型総合クラブであれば「お風呂が気持ちいい」「スタジオレッスンが楽しい」といったことで継続される方も少なくありませんが、業種として根幹で求められているのは健康への寄与であることは確かでしょう。
その面が片手落ちなのに情緒面だけにフォーカスをしても、これでは十分だとは言えませんね。
モノをはじめとした産業でいえば、その勃興からのライフサイクルとして、機能競争(高性能化、多機能化、小型・軽量化など)から価格競争を経て、無形の価値の競争へと至るのが一般的です。
しかしながらフィットネスクラブを振り返ってみるとハード面のアイテム競争はあったかもしれませんが、前述した「お客様の身体をより良く変えること」での機能競争があったかといえば、そうではありません。
ここが掘り下げられる前に価格競争に入ってしまった感があり、この機能面はまだまだ高める余地が多分にあると思っています。
ダイエットのニーズはもちろんですが、潜在的な患者も含めて腰痛は2,800万人、膝痛なら3,000万人とも推計されているように、いまだ解消できていないニーズが山ほど残っている通りです。
簡単なレベルのパーソナルトレーニングに高値がついてしまうのもニーズに対する解決策への供給が限定的だからと言えるかもしれません。
いずれにせよファンベースにいたる前提として、私たちフィットネスクラブとしては、まず中核価値であるお客様の身体をより良く変えることからスタートしていくのが先決だと思っています。