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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論276」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第38号(2002.1.25発行)「パーソナルトレーニング」1~※名称等は当時、一部文章省略
日本でもパーソナルトレーニングが様々な形をとって少しずつ浸透し始めてきている。
パーソナルトレーニングの導入によって、クラブは目的意識の強い顧客の満足度を高められると同時に、多様な雇用形態、分野のトレーナー・インストラクターをこれまで以上に適切に配置し活用することにも繋げられることから、確実に収益を増やせる。
顧客ー従業員ー経営者にとってWin-Win-Winの関係を成り立たせることができる。
足元の状況が良くない今、既存店の業績を伸ばすために相応しいサービスアイテムと言えよう。
編集部は、日本におけるパーソナルトレーニングのさらなる普及、浸透をバックアップすべく、本特集を組むことにした。
セミナー講演(米国におけるパーソナルトレーニングシステム構築者・ローリー・シングル氏)
1.パーソナルトレーニングシステムの構築
(1)システムの基本要素、構造を決める
効果的で収益性の高いパーソナルトレーニングシステム(以下、PTSという)をクラブに導入する場合、それをいかに構築し、運用、品質管理したら良いかについて話します。
まず、初めになぜ私が上手くPTSを作れたのかを話します。
私にとって、パーソナルトレーニングというのはビジネスです。
つまり、私はそれを付加的なサービスではなくて、利益を生み出す1つの仕掛け、仕組みだと考え、企画したから成功したのです。
恐らくフィットネスクラブビジネスを起こそうと考える人は、かなりの時間を企画にかけるでしょう。
PTSも同じなのです。
PTSを自クラブで構築、運用しようと思ったら、事前にかなりきっちりと企画しなければいけません。
安直に導入すると、必ず失敗します。
考え方も変えなければいけません。
このPTSはきっと成功する、成功させるんだと思わなければ、駄目です。
いかにシステムを構築すべきかを考える場合、はっきりさせるべき項目がいくつかあります。
資料1をご欄下さい。
1.プロフィットセンターにするのかサービスとして提供するのか?
2.トレーナーは契約インストラクターにするか、社員にするか?
3.社員にする場合、兼務でトレーナーをさせるか、専業にさせるか?
4.社員にする場合、報酬の払い方はどうするか?
5.専任のディレクターを置くか、兼務してもらうか?
6.料金設定はどうするか?トレーナーの指導の価値は?顧客にとっての値頃感は?
7.ディレクターに報酬を支払うとすれば、収入の何%を支払うか?
8.収入の何%をクラブの収入とするか?
9.全体の短期的、長期的な売上目標は?
10.各トレーナーの短期的、長期的な売上目標は?
~ここまで~
今でこそ、パーソナルトレーニングは一般にも認知され、個人に近い形で専用ジムを運営されている方も大勢いますが、この記事は黎明期を知る貴重な内容となります。
当時の日本では、一部のカリスマトレーナーを除き、パーソナルトレーニングジムを経営するという発想にはなりにくく、総合型クラブのフリースペースやジムを利用して提供するのが一般的でした。
そのような状況で、プロフィットセンターとして明確にモデル転換するには、やはり米国の先進事例を参考にする必要であったと思われます。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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