「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論390」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.7.25発行)「団塊世代を狙え」10~※名称等は当時、一部文章省略
Ⅳ団塊世代マーケティングのポイント
4.とにかく1度やってみる
「お父さんと一緒にフィットネスキャンペーン」にしても、「クラブインクラブ」にしても、「ドッグウォークプログラム」にしても、マーケティングプログラムが纏まったら、とにかく一度やってみることが大事である。
最初は大した成果が得られなくても、一度やることで次に成功するためのヒントがきっと掴める。
成功したら成果をきちんと記録して同様の企画を立てる際の参考にしよう。
5.団塊世代が業界を救う
団塊世代、とりわけこの世代の男性は、まだ会員構成比としては少ない。
もしかしたら、今が正念場と1日の大半を仕事に費やしていて、クラブに足を向ける暇などないと思っているのかもしれない。
だが、「年収300万円時代を生き抜く経済学」(森本卓郎著)などという、指南書も出ているくらいだから、いつかは慣れるのかもしれない。
実際に参加者は少しずつではあるものの確実に増えつつある。
だからこの層のマーケティングには気長に取り組んでもいいと言えなくもない。
だが、ちょっと待って欲しい。
この層が一番「健康」や「生きがい」を必要としているのではないだろうか。
多くの統計ではウォーキングや散歩に人気があってもフィットネスクラブでの運動にはあまり興味を感じていないことが示されている。
あるいは民間クラブでの活動よりも公共施設や市町村のスポーツサークルでの活動を選ぶ人も多いというデータもある。
だが、我々民間クラブ側が団塊の男性に近づいて、相応のマーケティングを図れば、クラブ(が提供する機能)を利用してくれるようになるはずである。
気長になんて取り組んではいられない。
私たちが団塊世代に「健康」や「生命」を提供できる一番近いポジションにいるではないか。
アメリカ並みに団塊世代を取り込めなければ、明日の業界はないとの認識が必要だ。
我々が団塊世代マーケティングに成功すれば、フィットネス業界ばかりでなく、沈みかけた日本を救えるかもしれない。
否、そんなことよりも、身近にいて元気を失いかけている一人の団塊世代男性を勇気づけられることの方が重要か。
フィットネスクラブは時として人の人生をも変える。
1人に一つずつの「フィットネスクラブ物語」を作ろう。
~ここまで~
記事より約20年経った現在、団塊世代男性の参加は会社をリタイアする人が増えるに伴い、実際、増えていったと思います。
ただそれは時間を持て余し、一日中、居ても良い時間消費のための場という側面が強かった印象です(動くのが嫌いな人は図書館を選ぶ)。
従って、後期高齢者に突入するこの数年で引き続き参加し続けるかは、お風呂メインの方々を除き、若干、疑問が残ります。
フィットネスの効果やコミュニティに属することへの居心地などを感ずることが出来ず、ただただ暇つぶしで通っていた方々は、パンデミックも相俟って、通う意味を見出せなくなるのではないでしょうか。
やはり、ここでも個別対応の必要性が求められると思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。