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フレックスポイントと言う沼

靴を選ぶ際に気にするサイズは23.5cmや26cmといった足長がベースになります。最近ではそこにDやE、EEEなどのイズ・ウィズなどと呼ばれる幅の概念が入ってくるようになりました。

うまく使えば自分の足にフィットする確率が上がるのですが、こだわり出すと選択肢が増えすぎて…となってしまうのも事実。
そこに更に「フレックスポイント」という観点を追加して、みなさんの靴選びをさらなる沼に・・・快適にするお手伝いの情報です。


フレックスポイントとは?


簡単に言うと靴の曲がるべき場所です。
最近は柔らかくフニャフニャな靴も多いのですが、本来は1番幅の広い母趾~小趾の付け根部分(MP関節)のラインで屈曲すれば歩くには十分なのです。
靴と足のフレックスポイントが一致していれば、歩く時の足の動きと靴の機能がうまく合わさることになります。


靴選びとフレックスポイント

靴選びでよく言われるのは「つま先に1~1.5cm程度の余裕」で皆さん試着の時にはつま先を押して確認していますが、個人的にはそれよりもフレックスポイントが足と合った靴の方がフィット感は高まると思っています。
仮につま先の隙間が最大に考慮すべきポイントなら、先のとがった革靴やパンプスは問題外のデザインと言うことになります。

脱ぎ履きのしやすさを重視したり、少しでも足と靴が触れると窮屈さや靴擦れと言う感覚になり緩いサイズ感の靴を選ぶ人も多く、そんな人たちの靴の中は下の写真のように靴と足のフレックスポイントにズレが生じます。すると、足は靴のフレックスポイントからずれた「屈曲しない硬い場所」で曲がろうとするので足自体にも靴にも良くありません。

わかりやすいように足を横にずらしているので幅が合っているかは無視!

なぜ沼なのか?


それは数値化、規格化されていないので実際に合わせてみるしか合わせる手立てが無いから。
更に言うと、いままでの基準となっている足長では一括りにできないからです。
計測して自分の足の踵からフレックスポイントまでの長さを知っていても販売されている靴の方にその長さの表記が無いのでどうしようもないのです。
仮に26cmの足の人が数人いるとします。
しかし、その人ごとにフレックスポイントは違います。足にはもちろん個人差や特徴があって、同じ26cmだったとしても指の長さでフレックスポイントで分割した足の長さの割合も変わってくるのです。指が長い人だと同じ26cmだとフレックスポイントは踵側に寄ります。
逆に指が短くて、踵から付け根までの長さの割合が大きい人のフレックスポイントはつま先側に移動します。
すると場合によっては靴のフレックスポイントよりもつま先側に置かれて靴と合わないなんて可能性も出てきて、踵~フレックスポイントの長さだけで言えば26.5cmがピッタリ!と言う現象が起きるのです。この場合はつま先の余り具合よりもフレックスポイントを優先した方が快適に歩けると思います。

踵から母趾・小趾それぞれの付け根までの距離が大事

そうなると踵~つま先を表した足長での靴選びは、大枠を絞り込むための条件の一つでしかなく、サイズ選びの決定的な要素にはならなくなってしまいます。そして数値化されていない要素を手探りで探す。
これぞ、沼!もしくはジャングル探検ですね。

実際にはそこまで血眼になってジャストフィットを追い求めるか怪しいところですし、ここまで追及しなくてもある程度のところまで気にするだけでも快適度はグンとアップします。
こだわり出すと一生かかってもシンデレラフィットには辿り着けないかもしれませんが、それでもと言う方は覚悟を持ってフレックスポイント沼へお進みください。

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