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京都三千院にて。ぜんぜん足りない廣岡くん
今回僕は11月2日~4日にかけて、大学時代の友人に誘われて京都旅行に行ってきました。2週間ほど経って脳内がだいぶ整理できたので、その中でも特に印象に残っている11月3日の出来事について、廣岡くんの葛藤や直面する課題について文字に残してみようと思います。文字に残してそれをインターネットに拡散する意味を聞かれても「なんとなく」としか答えることができないので聞かないでください。テーマの性質上、ネガティブな感情を数珠繋ぎにすることになるので「お前その旅行楽しかったんか?」という疑問が沸く内容になってますが、個人的には今まで行った旅行の中でもトップクラスに楽しかったということだけ先に言っておきます。この文章を読むことで1人の31歳社会不適合者男性の生態を理解することができ、あなたの人生を豊かにすることができると考えています。割とセンシティブな表現が入る場合もあると思うのでメンタルが弱い人は読まないでください。本題に入る前に僕がどのように社会不適合者なのかを、普段お世話になっている臨床心理士の先生の言葉を借りて簡潔に説明すると「IQ128のADHD」です。IQ128のスピードで脳を回転させながら、ADHDの特性によって過集中の状態にすぐ入ってしまうことで、同じことをグルグル考えすぎたりすぐに疲れてしまったりするみたいです。
11月3日の午前中は二条城に行きました。正直ここら辺は絶好調で、考えすぎたり疲れるようなことはなく順調に観光することができたので割愛します。問題が起こったのはその次に行った三千院でした。二条城から車で30分ほどの道のりを経て最初に僕を襲ったのは“空腹”でした。三千院近くの駐車場に車を停めてしばらく歩くと、お土産屋さんや出店が道沿いにちらほら顔を出し始めます。そうなると周りの人間たちは当然のように「あそこの冷やしきゅうりがおいしそう!」とか「漬物をお土産に買って帰ろう!」みたいなモードに入ります。そこで自分の感覚との“ズレ”が生まれます。「勘弁してくれよ!白米食わせてくれよ!」当然そんな心の叫びは声に出すこともできず「私がペースメーカーです」という表情でただただみんなを導くように先頭を歩くことしかできません。そんな努力も虚しく、よく分からない道端の隙間の写真を2分くらい撮ってた時は本当に叫びそうになりました。
そんなこともありつつ7分くらいかけて細いお土産屋さんの道をかき分けていくと、少し広いところに出て、そこでようやく蕎麦屋さんを見つけることができました。本来ならば「あの店入らん?」というワンクッションを入れてお店に入るべきであることは理解しつつ、たぶんほぼ無言でそのお店に入りました。やっと見つけたそのお店の暖簾を潜ると、迎えてくれたのは耳の遠いおばあさん店員でした。どうやらそのお店はホールをそのおばあさん1人で切り盛りしているスタイルのお店です。そこで僕の脳内コンピュータがある一つの方程式を導き出します。ホール✖︎おばあさん✖︎耳遠い✖︎1人=提供に時間かかる!!!!。!!!。その現実に打ちひしがれていると、さらに追い討ちをかけるように後続の人間たちが僕が人生を懸けて直面しないといけないある一つの言葉を発します。「店員のおばあさんが“かわいい”」
かわいい!?おばあさんがかわいい!?僕の目に映るおばあさんはどう考えても紛れもなくただのおばあさんなのです。それを理解するために考えようとしたところで僕の脳は一度完全にショートして再起動をかけることになりました。2秒後に復活して「空腹」という当初の感情を思い出し、にしんそばが名物の店で天ぷらうどんを注文しました。提供まで多少時間はかかりましたが、幸いにも横にいた斉藤くんがしてくれた尺が長い割りにつまらないスティーブ・ジョブズが通った京都の名物蕎麦屋さんの話(褒めてる)を適当にあしらうという時間潰しができたのでなんとか食欲が爆発する前に天ぷらうどんにありつくことができました。
蕎麦屋さんを出た僕を次に待ち受けていたのは、本堂?的ななんかすごい大っきい建物でした。分からない人に一応説明しておくと、三千院というのはなんかすごい大っきい神社とその周りにお土産屋さんがいっぱいあって楽しいなみたいなことです。入場料700円くらい取られます。蕎麦屋を抜けた先の本堂的な大っきな建物にあったのは、神社あるあるのおみくじでした。「キター!!!」おみくじというのは200円払って貰った紙を開くだけで場に馴染むことができるという最高のエンターテイメント!蕎麦屋のおばあさんがかわいいなんていう空間に馴染むことを考えたらとても親切丁寧な設計!あとは紙を開いて凶か大凶を引いて適当にリアクションすればひと笑いあって最高の流れ!!行くぞ!!そんな気持ちで引いたおみくじの結果は...吉。吉!!1番リアクションできない!!1番おもんない!!実は大吉の次に良いのが吉とかそんな豆知識どうでもいい!!僕は神社系で1番盛り上がれるはずのおみくじというイベントで結果を残すことができませんでした。傷心のままおみくじゾーンを抜けると、庭園みたいなところに出ました。ここで蕎麦屋に続く2番目の難所が僕を襲います。この庭園では三千院のサブクエスト的な感じで、隠れミッキーならぬ隠れお地蔵さんというイベントがあったのです。隠れお地蔵さんとは庭園の至る所に潜んでいるお地蔵さんを見つけて「お地蔵さんいた!」と言って写真を撮るというイベントです。一応せっかく来たし僕も頑張って「あれお地蔵さんちゃうん!?」とか何回か言ってみるけど。多分何かが違うくて。すごく虚しい気持ちを抱えて。それでも負けずに庭園をズンズンと歩いていく。そんなことを繰り返しながらなんだかんだご機嫌に進んでいると、そこでまたあの言葉が僕の耳に入ってくるのです。「あそこにもお地蔵さんいる!“かわいい”!」出ました!伝統芸能かわいい!僕も一応ユニクロ8年働きましたから。合ってるかどうか分からないけど、おかげさまでかわいい系の服装とかは何となく分かるようになりました。でもお地蔵さんがかわいい!お地蔵さんがかわいい!!僕の脳内を検索してもお地蔵さん=かわいいという方程式はどこにも見当たりません。お地蔵さんはお地蔵さん。お地蔵さんはかわいいんです!お坊さんもかわいい。僕はそこで考えることを放棄して、スムースエースのShineという曲を歌うことにしました。おっきな声で歌いました。Shine♪今はただ〜♪そのままの〜♪君(お地蔵さん)を抱きしめてた〜い♪庭園を抜けた先には7体くらいお地蔵さんが並んでるコーナーとかありましたけど。そんなもんもう諦めの境地でノーリアクションです。ラストでは自分が思うかわいいお地蔵さんの顔マネをして写真を撮るという地獄(それは面白いから良かった)を乗り越えて三千院を後にしました。
そのあとは晩御飯を食べに居酒屋に行くという流れ。別に久しぶりに集まった人間たちがお酒を飲んでする話なんか近況の確認とか思い出話とか特に生産性も何も無いことばっかりでここに書くような内容は多分ないから割愛します。(久しぶりにお酒を飲んで気持ちよくなっちゃってあんまり何も覚えてないなんて口が裂けても言えない)
居酒屋からの帰りは京都の街中で夏の終わりのハーモニーを合唱してとても気持ちよかった!
こうして2024年11月3日という激動の1日が幕を下ろしました。最初にも書いたけど改めて念を押しておくと、この文章は僕のネガティブな感情を悪意を持って数珠繋ぎにしたもので、この旅行自体はとても楽しかったのでそこだけ間違えないようにお願いします。むしろこうして感情が揺さぶられることなんか普通に生きていても滅多にないことなので一緒に遊んでくれたみなさんにはとても感謝しています。