おばさんは良く笑う

アジアドラマ


遅咲きだが、おば友はアジアドラマにハマっている。華流も良いし、韓流もいい。インドやタイも面白い。NETFLIX やアマゾンプライムの普及で今やどの国のドラマも手軽にしかも原語で見れる。原語はイイ。俳優さんの細かい感情表現も伝わって来るし、日本語で聞いたらツッコミを入れてしまいそうな甘い言葉でも字幕だと素直に受け入れられる。
家のおじさんは、稀に刑事ドラマを見るぐらいでドラマには全く興味がない。それだけなら良いが、韓国ドラマは仏像が日本に戻されるまで、日本人として見るべきではないと強く主張するので、おじさんが家にいると韓国ドラマが見れない。おじさんとおばさんが韓国ドラマを見ないと仏像が戻って来るのか?そうとは全く思えない。しかし、ドラマを見るたびにアーだコーだ言うのは面倒なので、おばさんはおじさんのいない時に、密かに韓国ドラマを堪能する。そしておば友とアジアドラマのうんちくを大いに楽しむ。
「韓流が1番って思ってたけど、最近華流も良いわよね。流石、14億人の中から選ばれただけあって、ヒロインの美しさはこの世のものとは思えない」美しいものをこよなく愛するおばさんC子。
「他のアジアンも侮れないわよ。私の最近の推しはインドね。なんだか勢いでストーリーが展開して最後に取り敢えず皆んなで踊っちゃおうみたいで訳わからないけど、とっても元気になれる」とまめに宝くじを買うおばさんY子。
「確かにドラマって民族性が出るわよね。幸せになれる人一つとっても違うもの。日本のドラマって幸せって身の丈感が有るけど、韓国ドラマは良い人は必ず助けられて幸せになる。中国のドラマは良い人だけではダメで賢さがなくては幸せになれない」
さすがに1日3時間はアジアドラマを楽しむO子。
「じゃインドは?」
「インドの幸せって棚ぼた感がある。血縁関係の薄いおじさんがなくなって巨額の財産を突然受け取って大金もちになって、愛も地位も手に入れるみたいな。幸せになれるかなれないかはラッキーかラッキーじゃないかって感じ」O子のドラマ論は偏見満載だが案外鋭い。
笑、笑、笑。
「人間関係も違うわ。日本のドラマでは昔良くしてくれた人と敵対関係になっても、その人になんらかの恩を返そうとする。韓国は、昔自分に良くしてくれたような良い人は、どんなに敵対しようが最終的に自分の味方になって助けてくれる。シビアーなのが中国。命を救われようが、それ以上のことをしてくれようが、1度でも許せないレベルで裏切ったら何の躊躇もなくバッサリ」
「わかる、その感じ」
笑、笑、笑。
おば友は、どのアジアドラマも大好きだ。演じている人も皆んな素敵だ。民族性の違いもドラマを更に面白くしている。ドラマを見て相手の国が理解できるとは思はない、しかし、見ないよりは理解できるはずだ。仏像を取り戻したかったら、拒絶ではなく相手を知ることから始めるのが筋ってもんじゃないかと思いながら、おじさんのいない時間をおばさんは多いに楽しんでいる。


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