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🟫イタリア史19(古代ローマ帝国:9代〜)(AD70年〜)

🟫イタリア史19(古代ローマ帝国:9代〜)(AD70年〜)
🟩AD70年:【9代皇帝:ウェスパシアヌス】
【「ウェスパシアヌスによる平和」宣言】
ティトゥス・フラウィウス・ウェスパシアヌスは、
70年にローマに入り、
元老院は70年のコンスルに、
ウェスパシアヌスと、
息子ティトゥスを指名した。
ドナウ軍団のプリムスには
功労賞だけが与えられ、
要職には就けなかった。
ウェスパシアヌスは、
統率を失ったウィテッリウスの軍隊を立て直し、
元老院の協力も得て統治を回復。
ユダヤではティトゥスがイェルサレムを陥落させ、
ネロの時代に起こったユダヤ反乱も、
ようやくに終結した。
そして
「ウェスパシアヌスによる平和」が宣言され、
ウェスパシアヌスは
正式なローマ皇帝として帝位に就いた。
結果だけを見れば、
ウェスパシアヌスは、
皇位に就くにあたって、
何もしていなかった。
しかし、
軍を自ら指揮しなかった事で、
ローマ人同士の戦闘による
恨みを買うことも無かった。
状況を観察し、
動くべき時は動くが、
動かない事が重要な時もある。
凡人は常に何かをせずにはいられない。
奇しくも同時期の中華においても、
漢の高祖は部下に任せ何もしなかった。
有能な人物は有能な者に任せ、
優秀な人物とは、
その人物のために
自発的に周りが動く器を
持っているということであろう。

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