『誰が勇者を殺したか』、読んだら下半身丸出しで泣いた。(ネタバレ一切なしの感想)
例えば――
洗い物をしている時、便座に座っている時、自分の腹の肉をさわって絶望した時――みなさん、こう思ったことはありませんか?
あー、なんかミステリ読みてぇな。謎を追っていって、それが解けてくるあのエクスタシー1歩手前みたいな感覚味わいてぇな……と。
私はよく思います。週9レベルで思います。
と、いうことで――
押忍!
買っちゃいました(今さら)、『誰が勇者を殺したか』
読んじゃいました(今さら)、『誰が勇者を殺したか』
とりあえず、読了した瞬間の想いを言わせてください。
や、や――
やさしい物語~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんだこのやさしさは⁉ ローソンの『鍋焼きうどん』並みにやさしいぞ⁉
『誰が勇者を殺したか』あらすじ
いやどこがやさしいんだよ、初っ端から勇者死んでんじゃん。キンキンに冷えた飲み物レベルで胃に悪いだろ。
たしかにそう思う人もいるはず。だが、先にひとこと言わせてくれ。
――もうすでにおもしろくね?
あらすじの時点で名作のにおいがプンプンしね? こんなん読み進めるしかなくね?
そうしてまんまと作者さまの術中にハマって読んでいくと、ちょうど中盤あたりで次のような章にぶち当たるんです。
アレスて誰よと思った方。アレスは物語の中心、帰らぬ人となった勇者の名前です。
勇者のかつての仲間たちに話を聞き進めていった後、スポットライトが勇者自身にあたった瞬間、今まで読んでいた群像劇が180度方向を変えてきます。くお〜‼ ぶつかる〜‼ ここでアクセル全開、インド人を右に!
しかし、アクセルを全開にしても振り払えない違和感と謎。
右にインド人が乗っている私の愛車も例外ではありません。助けて右のインド人!
そんな時、すべての違和感と謎にぶっちぎりの差をつけ解決してくれるすご腕ドライバーが現れました。
そう、作者の駄犬先生です。
作者が味方についたら怖いものはなにもありません。一気に峠を越えましょう!
いったん右にいるインド人にお別れを告げ、物語中盤を走り抜けます。読者ケアの上手な駄犬先生もいるので、違和感や謎もことごとく解消!
――このまま突っ切ってやる!
そう思っていた物語終盤――
突如おとずれる腹痛!
私は本を持ったままトイレへ行くことを余儀なくされました。
だがしかし! 腹が痛む中でもめくるページは止まらない、止められない! 便座の上で解き明かされる秘密の数々に、さまざまな人たちの目線で行われるタイトル回収!
すごい、すごすぎる……! なんてやさしい物語なんだ……! もう感謝しかねぇ……!
そしてあとがきも含めて読み切った後、号泣していました。下半身丸出しのままで。
まさかこの歳になって、丸出しで泣く日がくるとは思わなかった――。
締めになりますが――
なんでもっと早く読んでなかったんだ自分……! という自責の念が強いです。
読んだ後も余韻が残る、もう一度読み返したくなる、そんな作品でした。また5年後とかに読んだら、今とはちがう感想になるんじゃないかな。読む人によっても十人十色のとらえ方ができるストーリーだと思います。……最高だぜ!
ただ1点だけ注意。
終盤は絶対に泣くので、この作品を読む前に食事をする場合は胃にやさしいものを食べてください。辛いものなんてもってのほかです。
でないと、下半身丸出しで号泣する私と同類になりますからね。
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