根管治療が進まない原因が判明
昔々、初孫の私は3歳ごろから父方の祖父母に預けられ、甘やかされ、「歯を磨く」ことを教えられてこなかった。
そんな幼児は歯が生え変わる前から虫歯だらけになり、顎の形も悪かったのか小学生の頃はアルミで整形した装具も着けていた。(自費で3万ほど、しかしすぐにつけなくなってしまったが。)
大人になってからも歯医者の治療跡の多い歯を持っている。
近所のかかりつけの歯科医は保険適用外の治療も行なっていて、ホームページを見ると自費でやる審美歯科などもしていると記載されていた。
しかし私は保険適用の範囲内で、たまに行っては小さな虫歯を治してもらっている。
「膿が溜まっているので、まずは根管治療をしましょう」
アラサー人生の中で色んな歯科医で何本もの歯に根管治療をしているので、ああ、あの細い針みたいなもので歯の奥をグリグリやるやつね、と思った。
3週間に1回、根管治療のため通った。
毎回、3割負担で260円。安いものである。
これを4回ほど繰り返し、歯の奥で色んな方向へグリグリと針を刺し排膿させようと試みる。
しかしいくらグリグリしても歯の奥で何か固いものに当たり(私の感覚)、なかなか膿は出てこない。
4回目が終わり、もう一度レントゲンを撮った。
「歯の奥に白い棒のような影がありますよね。多分、歯の奥に以前腫れた時に根管治療で使っていたファイル(ブスブス刺す針のこと)が折れてそのまま残っています。
これがあるからファイルが膿に届かず、このままでは治療ができません。
治すには、歯根端切除術をおすすめします」
衝撃だった。
後で調べたら根管治療にファイル破損はたまにあることのようだが、異物が入っていると知ったら何となく気分が悪い。
どこかの歯科医が治療中にファイルを破損させたまま、腫れは引いてるし取れないし、バレないだろうからまあいいかで治療を終わらせたということだろう。それがどの歯科医かは分からないが少し腹が立った。
残された道はふたつだ。
歯根端切除術をするか、しないか。
「放っておくと骨が溶けてしまうので、外科的手術をおすすめします。
歯茎を切って骨に穴を開けて、そこから膿を出します。
僕はこの手術をする際は、再発を防ぎたいので保険適用外の素材を使います。アメリカではこれを使うのは一般的なのですが、日本では保険がきかないので材料費の15000円だけご負担をお願いします。」
‥何だか重要性がよく分からないが骨が溶けるのは困る。
歯の治療を幼少期から繰り返してきたためか鈍感になっていて、再発、という言葉が重みを持たなくなっていた。しかし歯科医はやったほうがいいと言うし、何よりブスブス刺すだけの根管治療を繰り返すのが嫌だったしで、手術を受けることにした。
この歯科の待合室には歯科医の実績、認定証、こういうことをやっていますという張り紙がしてある。
ほぼ全部英語だ。従って、読めない。
そのうちのひとつにMTAセメントと記載があったので、歯科医からの説明はなかったが多分MTAセメントを使って手術をするのだろう。
手術はマイクロスコープを使って、局所麻酔を打って1時間半ほどかかるとのこと。
麻酔が抜けるまで半日くらい授乳は不可だそうだ。
意を決して、予約した。