意識低い系転職ジャケ絵

vol.3 意識低い系転職のススメ~これが資本家成りに続く偉大なる道の第一歩目となる~

ヤコバシくん サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(01:07:45)は購入後に視聴可能。

第三話(全五話)

収録時、社会人歴・営業マン歴9年のヤコバシくんは、自らの体験と、様々な情報を統合し、分析した末に、2つの結論に辿り着いた。

(1)勤め人をしている限り、死にはしないが自由もない。

(2)かなりの余剰が無いと、商品は作れない。

(1)についてはサウザーラジオの通りとして、問題は(2)である。(1)の達成のためには(2)の商品が必要不可欠だ。勤め人には「労働力」しか商品がない。この根本原因を解決するためには、やはり自分で「商品」を作り出し、世に問うていく他ないのだ。

では「商品」はどう作れば良いのか?様々な形の回答があるだろう。不動産事業かもしれないし、何らかの作品作りかもしれない。各人の持っているリソースと、置かれている状況によって変化することだろう。しかしそれら全てに共通するのは、莫大な「時間」と「気力」が必要であるということである。

多くの人には、勤め人卒業は簡単ではない。堅実なキャッシュフローを向こう何十年も生み出せるであろう「仕組み」を構築できていなければ、やはり勤め人をする必要がある。しかしながら、毎月の生活費や将来の出費を考えれば、当然のことであろう。この「お金」という重力に縛り付けられて、我々は地上に留まっている。この地表から脱して大気圏を突破するには「商品」というロケットが要る。それも強力なエンジンを持つロケットが。

だから我々はーーー何度も何度も、ロケットを造って打ち上げ実験をする必要がある。

このロケット造りと、打ち上げ実験をしていくには、莫大な量の「時間」と「気力」が要る。残念ながら近道は、無い。ならば「時間」と「気力」を注ぎ込み続ける必要がある。だからこそ―――

勤め人仕事”ごとき”

に、この時間と気力を吸われてはいけないのである。

22歳のヤコバシくんが意識高く就職活動し入社したブラック企業。そこで消耗し絶望した末に、26歳で漂着したゆるふわ企業「化学メーカー」。頑張っていないのに年収が増え、休みも増え、拘束時間は減った。

「早く帰れる!」ーーー単純によろこんだ。

「彼女と遊べる!」ーーー素直にうれしかった。

「欲しいものが買える!」ーーーありがたかった。

しかし同時に冷静に「なぜなのか?」を考え、問い続けた。結果、気が付いた。この状況は――

「なるべくしてなっている」のだと。

「儲かっている化学メーカーの営業職」だからなのだと、彼は確信した。それはなぜなのか?がVol.3のメインテーマである。詳しくはオーディオを聴いて欲しいーーーと言いたいところだが、少し説明しよう。

当の本人として感じるこの仕事の最も良い点は「営業マンなのに、詰められない」という一点に尽きる。平均以上の年収とか、短い拘束時間とか、そんなものはオマケだ。結果としての副産物だ。仮に年収が高くても「詰められる」んじゃ、何の意味もない。詰められるということは先述のロケット造りに必要な「時間」と「気力」が全部吸われることも意味する。

「今月の目標、どうなってんだ!」

「自分で立てた目標だろ!?絶対達成しろ!」

いくら政府主導の「働き方改革」が進もうとも、営業マンにとってはこの「目標」という数字がある限り、働き方改革など有り得ない。営業マンにつきまとう「目標」。化学メーカーの営業マンは、なぜこの「目標」から解放されているのか?それは―――

毎月勝手に売れるからである。

なぜ毎月勝手に売れるのか?それは商材が持つ特性のためだ。実はこの世の製品たちは、かなり絶妙なバランスで成り立っている。そのバランスの一端を担い、重要な働きをしているのが化学メーカーの製品なのである。高い性能、精妙なバランス、その上に成り立つ最終製品ーーーその「材料」を売っているのが化学メーカーなのである。決して営業マンの力で売ってはいない。それなのに毎月―――いや毎年、勝手に売れていく。営業マンという「ヒト」が頑張るのではなく、モノや機械が頑張るから、営業マンは「やることがない」のである。ゆえに、ロケット造りの時間と気力が確保できるのだ。この文章を書く、ヤコバシくんのように。

では、そんな化学メーカーにはどうやったら入れるのだろうか?結論から言うと、リクルートエージェント、一択である(以下リクA)。いきなり普通の転職サイトを開いてはいけない。転職サイトというのは、求人がないかもしれないし、そもそも儲かっているけどマイナーな化学メーカーは、転職サイトには求人を出さない。これは転職サイトと、転職エージェントの収益の発生方法に違いがある。

転職サイトは月額課金制で、エージェントは成果報酬制だ。知名度が低い、地味でマイナーな化学メーカーは、どうしても転職サイトでは効率が悪い。こういう会社こそが狙い目であり、彼らは転職エージェントだけに求人を出しているのである。中でも、誰もが知っている業界のチャンピオンであるリクAには、情報が集まっている。というか、求人を出す側である、化学メーカーの「中の人」はおじいちゃんであるから、リクAくらいしか知らないのである。だから、とりあえずリクAに行こう。

しかし注意しなくてはいけないこともある。それはエージェントも、営業マンであるということだ。彼らは転職者を決めると報酬がもらえる。その報酬額は、その転職者の年収のおよそ1/3。つまり彼らは、高年収の会社へ斡旋した方が効率が良いのである。ゆえに、明らかにブラックそうだけど年収が高い会社を推してくることもあるのだ。しかし彼らも仕事なのだから、致し方ないとも言える。したがって、この呪文を唱えよう。

「離職率が低い化学メーカーの営業職を紹介してください」

もしかしたら、その時点ではエージェントに持ち球がないかもしれない。私の勤務先も、10年に1回の求人だったそうだ(後日談)。このように求人は常に入れ替わり、明日には新たな求人が湧いてくるかもしれない。だから、このようにバッチリ指定して、然るべきタイミングに備えよう。

ーーーなぜここまで紹介文でネタバレするのか?心配してくれる読者も多いことかと思う。しかし心配は無用だ。私は紹介文の仕事をさせていただくにあたり、初期の初期から聖帝サウザー氏より、このように言付かっている。

「ネタバレはさして問題ではありません。真の目的は精神の移植にあるからです」と。

つづく。

著:ヤコバシ


【オーディオブックの正しい使い方を伝授する】
1.集中して聴かない。オーディオを聴くための時間をわざわざ取らない。スキマ時間や作業時間に『ながら』で聴くのが正しい使い方である。
2.ぼけーっと繰り返し聴く。聴き返すたびに毎回聴こえ方が違うぞ、とか、刺さる言葉が違うぞ、と思ったならそれは良い聴き方。一回で全部吸収してやろう、と言うのは悪い聴き方。
3.PCのnote.muサイトからMP3ファイルをダウンロードする。itunesその他で、スマホに同期する。電車や車での移動中、家事の最中に聴くのが良いと思う。ストリーミング再生で聴くのはあんまりおすすめしないかな。

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