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vol.2 天才投資家ポール『不動産投資術』を語る、やっちまった物件たちとマジ基地ズッ友大乱闘編

ポール サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(52:16)は購入後に視聴可能。

第二話(全四話)

ポールさんといえば「メルカリ大家ポール」や「クレイジーマインド投資法」など、不動産投資に関しては異色というイメージがある。ご自身のブログやYouTubeチャンネルなどでは規格外にボロい物件でのDIY修繕や、ものすごいゴミ屋敷でトレジャーハンティングしたりと、およそ不動産投資家ならぬ物件やチャレンジを見ることができる。これらは純粋にコンテンツとして面白いのだが、これだけを見て「不動産投資って楽しそう」とか「こんなボロ家でもDIYでセルフリフォームできるんだ」と早合点してしまうのは危険だ。これらの規格外の大技はポールさんの途方もない”下積み”という基礎の上に成り立っているからだ。

本作では、このような不動産アイドルであるポールさんの黎明期を学ぶことができる。今まさに華々しくステージで踊る不動産アイドルであるポールさん。そのデビュー前の血と汗の練習の日々を、本作で補完して参考にしていただきたい。

ポールさんの不動産投資家としてのキャリアは、スルガバブルを境に前半・後半に分けることができる。後半は有名な「クレイジーマインド投資法」がスタートしていくのであるが、本作で真に注目すべきは前半である。この前半においてはクレイジーマインド投資法は登場しない。

クレイジーマインド投資法についてはVol.3にて詳しく説明するが、ここでも簡単に説明しておこう。通常の不動産投資法は、物件を購入して、修繕して、入居者を募集し、入居して家賃が入る、という流れになっている。この

購入→修繕→募集→入居

という流れに対し、クレイジーマインド投資法は

募集→購入→入居(修繕なし)

の流れになる。つまり「住む人を確保してから、激安な物件を調達し、修繕せず入居させる」という方法で、表面利回りが100%を超えることも珍しくない。不動産投資のリスクのひとつである「空室」が起きにくく、「修繕」や「残置物撤去」という大家側に負担がかかる部分を入居者にやってもらうという常識を逸した手法となる。そのため手残りが多く、利回りが100%を超えてすぐに投資金額を回収できるという画期的なスキームなのである。

こうして字面だけで説明すると、なるほどクレイジーマインド投資法は投資家にとって無駄やリスクを省いた最適解のように思える。しかしながら、この投資法は本作のタイトルにも登場する「マジ基地ズッ友」なしでは成り立たない特殊な投資法なのだ。そのことについてはVol.3にて詳細に説明する。

さてVol.2で注目すべきはこの「クレイジーマインド投資法」が編み出される前の時期だ。普通の勤め人だったポールさんがふんどし王子をネットで知り、不動産投資家ワナビーとなってから、どのように第一歩を踏み出して物件を買ったのか。何も知らない素人の状態から、いかにして知識を増やして人脈を獲得していったのか。このポール立志伝の黎明期にこそ、リスナー各位は注意して聴き進めていただきたく思う。

ポールさんの前半戦は大きく5つのフェーズに分かれる。

①勉強編

②1号区分

③やっちまった新築

④シェアハウス、ラピュタハウス

⑤海千山千物件

(この後、スルガバブル→後半戦)

この流れの中で、リスナー各位には勉強の大切さ(300冊の読書)はもちろんとして、ポールさんの人脈構築力の高さに注目してほしい。この部分が、全ての起点となっているからだ。

白熱教室の不動産シリーズでよく登場する「地元のおじいちゃん不動産屋さん」はパソコン使えなくてFAXしか使えないとか、値付けが甘いとか、なんだかコミカルなキャラクターとして語られる文脈が多い。しかし忘れてはいけない。彼らはバブルや平成不況といった激動の時代を乗り越え、生き残ってきた男達なのである。何十年も潰れずに存続して、その地域に根付いている。そして金額の大きな「不動産を扱う」という業態から―――掛け値なしの「地元の名士」なのである。地元の役所にも顔が利き、銀行や建設会社と強い人脈を築いている地元の顔役のひとり。地元経済に欠かせない重鎮のひとり。

それが「おじいちゃん不動産屋さん」の正体だ。

そんな不動産屋とタッグを組んで地場で活動する建築会社の社長や、融資をする銀行もまた、地元の名士達である。彼らは、ずっとその地域を守ってきた。そんな地元の名士達は、間違いなく海千山千の猛者であり、特に「ヒト」を見る目は一級品だ。なぜなら不動産業界は扱う商材と金額の大きさゆえに、邪な狙いで参入する者が絶えない業界だからだ。数千万の利益を得ることもできれば、数千万の借金で人生を簡単に破壊もできるのが、不動産という業界である。大きな金額が取引され、いくつもの利権が絡み合い思惑が交錯するこの業界で生き残ってきた地元の名士に目をかけてもらえることは、とても難しいことなのだ。

このことを象徴するエピソードが2つある。

まず「②やっちまった新築」において、駆け出し投資家で30歳半ばのポールさんが新築アパートを建てられるほどの金額(約4,000万円)の融資をなぜ受けられたのか、不思議ではないだろうか?事実、ポールさん個人の信用だけでは融資を検討すらしてもらえなかった。それを、建築会社の会長の力で乗り越えた。

次に「⑤海千山千物件」において、これまた約4,000万円が必要となった。やはりポールさん個人だけでは銀行からの融資が難航していた。すると不動産屋の社長が銀行に直談判してくれて、翌日に融資が決定したのだった。またこの物件自体も、その社長から譲られた物件で、立地や内容からして約4,000万でも安い、破格な条件での取引だった。社長は保有し続けていても全然問題のないものを、あえてポールさんに安く譲ってくれたのだ。これはもはや合理的な投資家の行動ではない。そんな不条理を為させたのがポールさんの人柄であろう。

これらの支援は、名士達からポールさんへの信任の証であったように思える。土地を預かり、地元経済を守っていくという名士達の重責。長年守ってきた愛着ある土地、建物、自分の信用、そして人々の生活ーーーそれらを引き継がせるに値する男であると、ポールさんの人柄を信用できると確信したからこそ、彼らは支援したのではないだろうか。

自分たちの後を託す、次世代の名士に、この男ならなれる。

いや、なってほしい。

そう期待したからこその支援ーーー贈り物だったのではないだろうか。

つづく。

著・ヤコバシ


【オーディオブックの正しい使い方を伝授する】
1.集中して聴かない。オーディオを聴くための時間をわざわざ取らない。スキマ時間や作業時間に『ながら』で聴くのが正しい使い方である。
2.ぼけーっと繰り返し聴く。聴き返すたびに毎回聴こえ方が違うぞ、とか、刺さる言葉が違うぞ、と思ったならそれは良い聴き方。一回で全部吸収してやろう、と言うのは悪い聴き方。
3.PCのnote.muサイトからMP3ファイルをダウンロードする。itunesその他で、スマホに同期する。電車や車での移動中、家事の最中に聴くのが良いと思う。ストリーミング再生で聴くのはあんまりおすすめしないかな。

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