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vol.5 都内在住・投資エリア首都圏で、不動産+レンタルスペース運営で月キャッシュフロー100万円を達成する方法 by滝沢クリスタム様
滝沢クリスタム様 サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(57:02)は購入後に視聴可能。
第五話(全六話)
本作の講師、滝沢クリスタムさんは不動産業者だった。そして今は健美家に勤務し、自分の事業として賃貸経営と、レンタルスペース事業をしていて…と聞くと、不動産に特化した人という印象を受ける。本作の主題も不動産関連の話題となる。ただ、本作は不動産のノウハウやテクニカルな部分にのみ終始しているわけではない。労働者から資本家へ階層移動するためのエッセンス。それを感じ取ってほしい。
不動産投資という単語はこの数年間で広く一般に知れ渡った。なんだか誰もが実行できるものであるかのように感じられてしまうが、それが難しいということもまた、認知されてきている。
まずメタ的な視点として、不動産投資というものは元来、誰がやっていたことなのか?を考える。
まずは地主。次に事業で成功した経営者。そう不動産というものは元来、既にお金が有り余っている人のための選択肢のひとつだった。もちろん株式やゴールド、腕時計やワイン、絵画でも良い。現金を何かに換えて運用する。これらの手段には一長一短があり明確な正解は無い。どれを選択するか、どこに重きを置くかは個人の嗜好、リスクに対する考え方による。ただ、比較的に堅いと言われ好まれるのが土地、すなわち不動産である。家賃収入、テナント収入という事業的な側面も持っている上に地価の上昇もあり得るということで好まれてきた。また、他の投資に比べてまとまった金額が必要という参入障壁の高さも理由のひとつだろう。
2000年台以降の不動産投資は、この参入障壁にあぐらをかきテキトーに事業経営している地主系大家の2代目3代目の脇の甘さを突いて出し抜く、という手法だった。情報の入手が難しい時代ゆえにその価値をよく理解していない地主系2代目3代目から安く買い上げる。加藤ひろゆきさんに代表される個人での不動産投資家の黎明期であろう。そこから約20年の時が流れ、今やこの投資法は全国の書店の棚に浸透した。もはや情報のアービトラージはなく、新規参入のハードルは上昇した。しかしながら打つ手がゼロであるか?といえばそうではない。これが本作で語られるコアの部分である。
先述の通り、今や新規参入の大家ワナビーが大量発生する土壌が完成した。年収が高くない勤め人だが何とか貯金をして100万円貯めた!この虎の子の貯金100万円を握り締めて、不動産ポータルに上がった300万円物件の見学を申し込んで指値100万円を入れる。これが「鬼のような指値」だ!とーー
このようなケースが頻発した結果、その相手をする不動産業者さんは疲れてしまった。元々の物件価格が安いから、大した手数料にもならない上に、さらに値下げ交渉を要求される。あげくには買った後に文句を言ってくる。このムーブが面倒くさいことこの上ないということは、誰にでもわかる。しかし、いざ実際に自分がプレイヤーになった時に忘れてしまうものだ。こうして面倒くさい客(?)の対応にほとほと疲れてしまった不動産業者さんは、ネットに掲載することを躊躇するようになってしまった。要は「わかってない」素人とはもう絡みたくないし、その必要もないくらいに「わかっている」お得意様が増えてきたということでもある。
ネット上ではこのような不動産の案件が川上から川下のネットに流れていく様を「不動産流しそうめん」と揶揄しているが、この言葉は言い得て妙であろう。流しそうめんの最上段に陣取るのは不動産会社だ。転売しても大きな利益が見込める優良物件は、ここで確保される。そして次は、薄い利益でも買いたいという業者へ。業者同士は当然、プロ同士であるから取引が色々とスムーズで、手間がかからない。ここで買い手が見つからなかった時、次は「お得意様」に案件は流れていく。地元の富裕層や何度も取引しているお金持ちや、儲かっている会社の社長。この人々は手がかからない物件を好む。そのため安いけど訳アリな物件は、次の「ボロ戸建投資家」へ流れていく。彼らは自分達の立ち位置を理解しているし実績もあるので、業者さんも面倒くさくなくて良い。ここでも買い手がつかなかったら、仕方なくネットに掲載される。
従来の投資手法においては、いかにこのネット上でいち早く察知して買うか?に重きが置かれてきた。過去の白熱教室シリーズにおいてもポータルサイトを1日に何回も見たり、10分に1回はチェックするという猛者も居た。しかしながら業者さん達の疲弊も限界に達しているためか、最近は「ポータルサイトに載せない」という選択肢もまた観測され始めた。いや、逆にいえばこれまでもそういうポータルサイトに載せず、引き出しに放り込まれていた物件ーーいわゆる「引き出し物件」は、昔からもあったのかもしれない。いや確実にあったはずだ。
ここで本作の講師、滝沢クリスタム氏の知見が光る。不動産業者をやっていた滝沢氏が何を思い、何を嫌っていたかを赤裸々に語ってくれる。これをやったら業者さんに嫌われるということを、その裏側から語ってくれる。このような白熱教室シリーズは過去にはなく、本作は貴重な一本であると言えるだろう。
この点だけでも本作は価値があるのであるが、さらに本作を唯一無二にしているのが関東の首都圏とレンタルスペースというキーワードだ。まず関東地方は、交通網が整備され、また関東平野という名の通り地形的にも平たい。すると基本的には地価が下がらず、需要が強いため実勢価格が上がり続けている。ボロ戸建が出たとしても、壊して新築を建てる方が儲かるということで業者が積極的に買い集める。そのため駆け出しの大家ワナビーには到底手が出せない。もちろん郊外に行けば行くほど物件価格は下落するが、連動して家賃も下がり、空室リスクも上がる。もはや首都圏とは呼べず、普通の田舎になっていく。さすがに栃木県や茨城県を首都圏とは呼べまい。
ただこれは、東京への通勤という需要のみを考慮した場合であり、東京以外にも需要があるエリアがあれば、それもまた候補地になり得る。しかしながら大家ワナビーが参入しようとするならば、物件価格は低くなければならない…この一見すると両立が至難ーーというか無理だと思われる条件を満たす地がそう、横須賀なのだ。
良い港は切り立った地形に生まれる。そして古来から栄えた歴史が、家賃の相場を形成する。しかし地形が急峻でフラットではないため、階段を登った先などの土地は買い手がつきにくい。とはいえ一度、賃貸に出せば家賃の水準が高い。これが横須賀の特殊性である。さらに横須賀が特筆すべきなのは、実勢価格の割には銀行評価(資産価値)が高いという点だ。これは、横須賀が古くから栄えた港町であるがゆえに銀行評価が高いまま据え置かれているためと考えられる。この「歪み」をうまく捕まえて銀行評価>実勢価格の状況を作ることで、買えば買うほど資産価値が増えていく状態になる。通常は逆なので債務超過となって融資は付かなくなっていくのだが、横須賀に関しては逆となる。
冒頭の話題に戻ると、まず不動産投資というものは基本的にお金持ちのための資産運用方法である。お金がある人が、あまり手を煩わせずに利殖できるという特性があるために、前提として「面倒くさいことはNG」なのだ。しかし面倒くさくなくて儲かる物件は既に金持ちがその資本力で買い尽くしているから、ワナビーが狙うべきは「儲かるけど面倒くさい物件」となる。この物件を確保するには、「引き出し物件」を狙っていく必要がある。そこにアクセスするためには「地場の不動産屋さん周り」という、面倒くさいことが必要だ。金持ちには金持ちの戦法があるが、ワナビーにはワナビーの戦法がある。それがこの「面倒くささ」の障壁で、金持ちがやりたがらないことをやるからこそ、活路があるのである。言い方を変えると、技術介入要素があるということだ。具体的には、地場不動産屋さんの実店舗巡りとDIYリフォームである。この詳細は本編に譲るが、元業者ということで業者の生態を知り尽くす滝沢さんの知見が光るパートだ。
そしてレンタルスペースについて。これは高額な不動産という商品を時間貸しという「バラ売り」をするビジネスモデルだ。所有することは難しいし、住むわけではないが必要な空間を、時間貸しで借りたいというニーズ。これに応えるという商品である。かのウォーレン・バフェットは少年の頃にコカコーラの6本セットを安く買い、それを1本ずつバラ売りにして差益を得たという逸話があるが、レンタルスペースもこれに通じるものがある。都心でとても高価な立地にあるビルや戸建てをレンタルスペースや民泊という形態で小分けにして、高く貸していく。もちろん貸し出していくには物件を探し、オーナーと交渉して、内装を整え備品を揃えて、集客しなくてはならないが、都心だからこそできるビジネスのイチ形態として特に都心住まいのリスナーには勉強になるはずだ。
そして聖丁は言う。不動産を金掛けずにやりたいのもわかるけど、一番いいのは事業で一発当てて種銭をつくり、それでひと勝負することだと。レンタルスペースも、事業性が高いために浮き沈みはあるが、そうであるがゆえに大きく稼ぐこともできたと滝沢さんは語る。
事業×不動産で攻守共に財務を強靭化させていく。この正攻法がいずれ本当の金持ちにつながっていくのだ。
つづく
ヤコバシ著
本作の講師、滝沢クリスタムさんは不動産業者だった。そして今は健美家に勤務し、自分の事業として賃貸経営と、レンタルスペース事業をしていて…と聞くと、不動産に特化した人という印象を受ける。本作の主題も不動産関連の話題となる。ただ、本作は不動産のノウハウやテクニカルな部分にのみ終始しているわけではない。労働者から資本家へ階層移動するためのエッセンス。それを感じ取ってほしい。
不動産投資という単語はこの数年間で広く一般に知れ渡った。なんだか誰もが実行できるものであるかのように感じられてしまうが、それが難しいということもまた、認知されてきている。
まずメタ的な視点として、不動産投資というものは元来、誰がやっていたことなのか?を考える。
まずは地主。次に事業で成功した経営者。そう不動産というものは元来、既にお金が有り余っている人のための選択肢のひとつだった。もちろん株式やゴールド、腕時計やワイン、絵画でも良い。現金を何かに換えて運用する。これらの手段には一長一短があり明確な正解は無い。どれを選択するか、どこに重きを置くかは個人の嗜好、リスクに対する考え方による。ただ、比較的に堅いと言われ好まれるのが土地、すなわち不動産である。家賃収入、テナント収入という事業的な側面も持っている上に地価の上昇もあり得るということで好まれてきた。また、他の投資に比べてまとまった金額が必要という参入障壁の高さも理由のひとつだろう。
2000年台以降の不動産投資は、この参入障壁にあぐらをかきテキトーに事業経営している地主系大家の2代目3代目の脇の甘さを突いて出し抜く、という手法だった。情報の入手が難しい時代ゆえにその価値をよく理解していない地主系2代目3代目から安く買い上げる。加藤ひろゆきさんに代表される個人での不動産投資家の黎明期であろう。そこから約20年の時が流れ、今やこの投資法は全国の書店の棚に浸透した。もはや情報のアービトラージはなく、新規参入のハードルは上昇した。しかしながら打つ手がゼロであるか?といえばそうではない。これが本作で語られるコアの部分である。
先述の通り、今や新規参入の大家ワナビーが大量発生する土壌が完成した。年収が高くない勤め人だが何とか貯金をして100万円貯めた!この虎の子の貯金100万円を握り締めて、不動産ポータルに上がった300万円物件の見学を申し込んで指値100万円を入れる。これが「鬼のような指値」だ!とーー
このようなケースが頻発した結果、その相手をする不動産業者さんは疲れてしまった。元々の物件価格が安いから、大した手数料にもならない上に、さらに値下げ交渉を要求される。あげくには買った後に文句を言ってくる。このムーブが面倒くさいことこの上ないということは、誰にでもわかる。しかし、いざ実際に自分がプレイヤーになった時に忘れてしまうものだ。こうして面倒くさい客(?)の対応にほとほと疲れてしまった不動産業者さんは、ネットに掲載することを躊躇するようになってしまった。要は「わかってない」素人とはもう絡みたくないし、その必要もないくらいに「わかっている」お得意様が増えてきたということでもある。
ネット上ではこのような不動産の案件が川上から川下のネットに流れていく様を「不動産流しそうめん」と揶揄しているが、この言葉は言い得て妙であろう。流しそうめんの最上段に陣取るのは不動産会社だ。転売しても大きな利益が見込める優良物件は、ここで確保される。そして次は、薄い利益でも買いたいという業者へ。業者同士は当然、プロ同士であるから取引が色々とスムーズで、手間がかからない。ここで買い手が見つからなかった時、次は「お得意様」に案件は流れていく。地元の富裕層や何度も取引しているお金持ちや、儲かっている会社の社長。この人々は手がかからない物件を好む。そのため安いけど訳アリな物件は、次の「ボロ戸建投資家」へ流れていく。彼らは自分達の立ち位置を理解しているし実績もあるので、業者さんも面倒くさくなくて良い。ここでも買い手がつかなかったら、仕方なくネットに掲載される。
従来の投資手法においては、いかにこのネット上でいち早く察知して買うか?に重きが置かれてきた。過去の白熱教室シリーズにおいてもポータルサイトを1日に何回も見たり、10分に1回はチェックするという猛者も居た。しかしながら業者さん達の疲弊も限界に達しているためか、最近は「ポータルサイトに載せない」という選択肢もまた観測され始めた。いや、逆にいえばこれまでもそういうポータルサイトに載せず、引き出しに放り込まれていた物件ーーいわゆる「引き出し物件」は、昔からもあったのかもしれない。いや確実にあったはずだ。
ここで本作の講師、滝沢クリスタム氏の知見が光る。不動産業者をやっていた滝沢氏が何を思い、何を嫌っていたかを赤裸々に語ってくれる。これをやったら業者さんに嫌われるということを、その裏側から語ってくれる。このような白熱教室シリーズは過去にはなく、本作は貴重な一本であると言えるだろう。
この点だけでも本作は価値があるのであるが、さらに本作を唯一無二にしているのが関東の首都圏とレンタルスペースというキーワードだ。まず関東地方は、交通網が整備され、また関東平野という名の通り地形的にも平たい。すると基本的には地価が下がらず、需要が強いため実勢価格が上がり続けている。ボロ戸建が出たとしても、壊して新築を建てる方が儲かるということで業者が積極的に買い集める。そのため駆け出しの大家ワナビーには到底手が出せない。もちろん郊外に行けば行くほど物件価格は下落するが、連動して家賃も下がり、空室リスクも上がる。もはや首都圏とは呼べず、普通の田舎になっていく。さすがに栃木県や茨城県を首都圏とは呼べまい。
ただこれは、東京への通勤という需要のみを考慮した場合であり、東京以外にも需要があるエリアがあれば、それもまた候補地になり得る。しかしながら大家ワナビーが参入しようとするならば、物件価格は低くなければならない…この一見すると両立が至難ーーというか無理だと思われる条件を満たす地がそう、横須賀なのだ。
良い港は切り立った地形に生まれる。そして古来から栄えた歴史が、家賃の相場を形成する。しかし地形が急峻でフラットではないため、階段を登った先などの土地は買い手がつきにくい。とはいえ一度、賃貸に出せば家賃の水準が高い。これが横須賀の特殊性である。さらに横須賀が特筆すべきなのは、実勢価格の割には銀行評価(資産価値)が高いという点だ。これは、横須賀が古くから栄えた港町であるがゆえに銀行評価が高いまま据え置かれているためと考えられる。この「歪み」をうまく捕まえて銀行評価>実勢価格の状況を作ることで、買えば買うほど資産価値が増えていく状態になる。通常は逆なので債務超過となって融資は付かなくなっていくのだが、横須賀に関しては逆となる。
冒頭の話題に戻ると、まず不動産投資というものは基本的にお金持ちのための資産運用方法である。お金がある人が、あまり手を煩わせずに利殖できるという特性があるために、前提として「面倒くさいことはNG」なのだ。しかし面倒くさくなくて儲かる物件は既に金持ちがその資本力で買い尽くしているから、ワナビーが狙うべきは「儲かるけど面倒くさい物件」となる。この物件を確保するには、「引き出し物件」を狙っていく必要がある。そこにアクセスするためには「地場の不動産屋さん周り」という、面倒くさいことが必要だ。金持ちには金持ちの戦法があるが、ワナビーにはワナビーの戦法がある。それがこの「面倒くささ」の障壁で、金持ちがやりたがらないことをやるからこそ、活路があるのである。言い方を変えると、技術介入要素があるということだ。具体的には、地場不動産屋さんの実店舗巡りとDIYリフォームである。この詳細は本編に譲るが、元業者ということで業者の生態を知り尽くす滝沢さんの知見が光るパートだ。
そしてレンタルスペースについて。これは高額な不動産という商品を時間貸しという「バラ売り」をするビジネスモデルだ。所有することは難しいし、住むわけではないが必要な空間を、時間貸しで借りたいというニーズ。これに応えるという商品である。かのウォーレン・バフェットは少年の頃にコカコーラの6本セットを安く買い、それを1本ずつバラ売りにして差益を得たという逸話があるが、レンタルスペースもこれに通じるものがある。都心でとても高価な立地にあるビルや戸建てをレンタルスペースや民泊という形態で小分けにして、高く貸していく。もちろん貸し出していくには物件を探し、オーナーと交渉して、内装を整え備品を揃えて、集客しなくてはならないが、都心だからこそできるビジネスのイチ形態として特に都心住まいのリスナーには勉強になるはずだ。
そして聖丁は言う。不動産を金掛けずにやりたいのもわかるけど、一番いいのは事業で一発当てて種銭をつくり、それでひと勝負することだと。レンタルスペースも、事業性が高いために浮き沈みはあるが、そうであるがゆえに大きく稼ぐこともできたと滝沢さんは語る。
事業×不動産で攻守共に財務を強靭化させていく。この正攻法がいずれ本当の金持ちにつながっていくのだ。
つづく
ヤコバシ著
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