家庭で握り寿司をつくる
今回は家庭で少しでもうまくつくるコツです。
私は普段自分で写真を撮るために握り寿司を作っていますが、その後は家族が食べています。刺身・寿司が大好きな娘は、私が撮影している間、ハイエナのようにGOが出るのを待っています。
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料理の専門書も読んではいまして、「本手返し」などプロ用の正式な握り方、などもありますが、それを完全に踏襲するというよりは、家庭でも見栄え良く、おいしく握れるポイントを、私が作っていて気付いたことなどを元に、メモとして書きます。
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まず材料と準備から。レッツゴー♪
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■シャリ
米の品種にまでこだわるのがお店ですが、
そのために普段買っていないお米を足すのもアレですので、家で食べている飯米です。
ただ、少しだけ硬めに炊いたのがあれば理想です。
というのはあとで酢や塩、砂糖を入れる(調味料は地域によって差があります)ので、どうせ水分が足されるからです。
やわらかめのご飯が好きなんだ!という方もおられますが、ベタついてしまいますね。
使う分だけ炊飯器から取り出して、木製の器に入れましょう。
寿司桶などはないので、私はサラダやパスタ用の木のお皿で代用することが多いです。金属や陶器の器より、水分の調整がうまくいきます。
調味料はいわゆる市販の「寿司酢」でもいいです。ただ、かなり甘い味付けのものが多いです。砂糖は入れたくない、酢と塩だ、という方はご自身でされるほうが良いと思います。
温かいうちにご飯に調味料をかけたらササっと水分を飛ばすようにやさしく混ぜます。
このとき量が多いと軽く団扇であおぐのですが、少ないとそのまま自然に乾かせます。
出来上がったらラップで隙間をあけるか、できれば濡れふきんをかけて保温・保湿しておきます。でもあまり長く放置できません。30分くらいでしょうか。
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■ネタ
寿司魚の切り身を「ネタ」と言いますが、ちょっと一般生活で使うと、こっ恥ずかしいですよね笑、要はタネ、ですね。
ほかの料理、刺身や焼き/煮魚であっても当然ですが、新鮮な素材を用意しましょう。あまり寿司にするには聞きなれない魚でも、鮮度がよければ、「意外においしい!」という発見もありますのでぜひトライしてみてください。
そのまま使うなら魚をおろして「サク」=フィレの状態、にしますが、
酢〆やヅケ、皮を残しておいて炙り、湯引き、も楽しいですね。
鯛のようにそもそも皮自体が「湯引き皮ポン酢」のように一品として成立している種や、ハマチ、鰆などの青物も厚い皮に軽く塩をしてしっかり炙ると旨味が強くおいしいです。
あまりキンキンにネタ側を冷やすと、シャリと温度差がありすぎて、
食べたときびっくりしてしまうので、私は冷やしすぎるのは好きではないです。
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■手水
酢と水を半々で割ったもので、これを手にまんべんなく、1つ握る毎に薄くつけて、
快適にご飯をさわれるようにします。おにぎり作るときと同じですね。「パンッ」と柏手で余分な水分を落とすと職人さんの雰囲気。
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さて、
ここからが本番です。
握り寿司をつくります!
ポイントは3点。
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・大きさが揃っている
・切り方に工夫がある
・握り加減がよい
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これがちょっとでもできると「それらしく」なります!
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■大きさが揃っている
ネタとシャリ両方に言えます。
プロの方は何回ご飯をお櫃から取ってもピタリ同じ量だそうですよ。
完璧にはムリなのでできるだけがんばります。
一例として、
ネタ: 縦7cm × 横4cm
シャリ: 縦4cm × 横2.5cm (俵型)
です。
シャリはほぼ1:1.6となっており黄金比です。
ネタはシャリの上で湾曲させるので、すこし幅広めでも。
揃うと完成したときの美しさ、清潔感が出ます。
もっと大きい寿司がいい!という方は
大きくしても揃っていればOKです。
また、慣れてきたら
長めに垂らしたり、短めにキュッとまとめたり、ご自身の美学を存分に発揮ください笑
** ↑(ネタが異なっても大きさを似せる、角を立てる、厚めのものは切れ目を入れてます**
左から 生アナゴ炙り、カサゴ、カサゴ炙り)
■切り方に工夫がある
やわらかい魚は厚めに切り、歯ごたえのあるものは薄めにが通常ですね。
まず、刺身の角が立つように、できるだけ魚を包丁で押し付けないように切ります。
また、白身の魚などは特にそうかもしれませんが、
端が少し薄くなるようにすると、
鮮度がよく、見た目にも味にも変化が出ます。
あまり研げていない包丁でも、刃を使って引いて切れば、なんとかなります。
そして一度切った刺身は、角を触らないようにしましょう。
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** ↑(イカに縦の切れ目は非常に握りやすくなります)**
次は「切れ目」です。
飾りを凝りだすときりがないのですが、ここは先ずは「用の美」的な考え方でいきます。
ネタに切れ目を入れると何が良いのか?
-弾力が強いネタでも握りやすい
-醤油がしみやすい、薬味が乗せやすい
-食べたときに噛み切りやすい、味を感じやすい
と良いことが沢山あります。
なので一本でも細かく何十本でも、なにか理由があればよく、
結果として美しい、おいしい寿司になると思います。
** ↑(真鯵の中心に切れ目を入れて薬味のせ。お寿司屋さんでもよく見かけます)**
■握り加減がよい
最後に「握り」。奥が深すぎて畏れ多いんですが、、私がそのテクニックの話をしても仕方ないので気分で言いますと、
「これくらいの柔らかさで口に入れたら幸せだろうな」
と想像して握ってください。
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食べたときに、ネタとシャリに一体感を出す、ということです。
ご飯がおにぎりみたいに固まっていて、ネタが取り残されたり、
逆にほろほろすぎてご飯だけが崩れたり、
だと安心して食べれません。
** ↑(立った角やフワッとした細工をあまり触らないように握る。イカの柔らかさとシャリの柔らかさを合わせる気持ち)**
ネタを先に切っておいて並べ、
シャリを完成時の7割くらいの固さに成形。
そして、
ついにネタにワサビをつけてシャリと合体させます。
合体させるとき、少し押しますが、そのときに
ご飯のほうは当然変形しようとします。
元のサイズ4cm×2.5cmが崩れそうになります。
俺の黄金比を崩すんじゃない(怒)と
やさしく指で上下を止めてやるのがミソです。
左手で受けるように広がるのを抑えながら、
右手の指で上下左右から整える感じです。
切れ目を入れた箇所、立てた角をできるだけ触らないようにします。
格好よくなったら、皿か板に置いて完成です!
このとき食べてもらうときの9割くらいの硬さがいいですね。
このあと、食卓に並べているうちに自重で詰まっていきます。
コツがおさえられるようになると、
どんどんお寿司を作るのが早くきれいになります。
「真空〇〇握り!」とか
技の名前はご自由にどうぞ。
おわり
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