#31「組織でおこるルールの形骸化とその打開
大組織の代表格といえば公務員組織だと思います。
公務員組織のルールとは、法律や条令などであり、これは国民が選んだ政治家が決定するため、公務員を縛る絶対のルールだということは理解出来ます。
では、公務員が働くことにより何が生み出される、あるいは改善されるべきなのでしょう？
それは明らかに国民や住民のためになる活動であるべきです。
この根本は変わらないはずです。
しかし、この根本は果たして達成されているでしょうか？
多くの人が、役所に行った時に待たされる、たらい回しにされる、沢山書類を書かされる、いろんなところで書類をもらわないといけない、等ということを経験していると思います。
つまり、国民や住民が公務員のルールに振り回され、かなりの時間と労力をその手続きに費やさなければならない状況にあり、これは根本的な国民や住民のためになる活動、という根本から外れてしまっていると言えると思います。
また、大企業についても同じようなことがあるようです。
大企業は企業全体を通したルールを作成しているため、本来必要が無い部署でも、全社を通したルールだから、一応書類や手続きはしてね、みたいなことがあるようです。
まあ、中小企業に勤めているので、具体的にはわからず、大企業の方のグチから想像する限りですが。
それで、このような本来の目的から外れてしまっているルールは、形骸化してしまっているということになります。
形だけが残って、それに縛られてしまうため、本来の目的達成とは違う結果を生んでいる。
ルールは、基本的に人は元来悪であるという”性悪説”に基づいて作られていると思います。
ルールを定めないと、ちゃんと行動できない人が多いという前提です。
例えば、生活保護を受けるためには、ちゃんと収入が少ないことを証明する必要があり、これはこの手続きをしないと、収入が高いのに生活保護を受けようとする人がいる、という性悪説に基づいています。
では、このルールに縛られた、形骸化したルールによる非効率はどうしようも無いことなのでしょうか？
”性悪説”に対する言葉として”性善説”があります。
人は元々”良い存在”であり、本来は良いことをするものだ、という考え方です。
先の例で言えば、人は本来良い存在なので、本当に困っていなければ生活保護等受けようとはせず、生活保護の申請をした時点で、収入が少ない証明などしなくても問題無いということです。
みなさんはどう考えられるでしょう？
「隷属なき道」という書籍の中で、ホームレスに毎月一定金額を与えると、自分で仕事を探してホームレスを卒業していくという社会実験結果が示されています。
また、ベーシックインカムという、生活に必要となる費用は政府が国民に保証するという考え方も広まっています。
これらの実験結果や考え方は”性善説”に基づいていると思います。
また、このようなみんなにお金を配るということをすると、もちろんそれで働かなくなったり、不正をする人も多少は出てくるでしょうが、それはごく一部のようです。
それで、このような不正を取り締まるために・・・・ということでルールが出来てきたわけですが、この点についても次の2点でクリアできそうです。
まず、先の社会実験の結果から、そのような不正、たとえば生活保護の不正受給を防止するための役所の人間の人件費を考慮すると、このような人件費だけで、不正受給の金額よりも多くのお金がかかることになるということが明らかになっています。つまりは不正受給するような奴は放っておいた方が安く付くということです。
まあ、日本人は自分が得することよりも、他人が得することが嫌いな人種らしくて、一定数の不正に受給してもうけるとかいう人がいることを許容できないとかいう問題もあるとは思いますが・・・Z世代にはこういう性質が消えているのでは無いかな？なんて思ってます。
もう1点は、これは私が思うことなのですが、現代社会は情報化社会になってきており、プライバシーとか必要以上に重要視されていると思いますが、例えば生活保護を受ける場合にはその対象者名簿は公表されます、といった状況になれば、本当に困った人以外は受給しようとは思わないのではないかと思います。プライバシーの侵害というのを盾に、すごく情報が公開されない分野があるようですが、本当に重要な個人情報ってそんなに無いと私は思っていて、それこそ銀行口座だったりキャッシュカードの番号だったり、住所だったりが守られていれば、みんなで助ける生活保護対象者のリストぐらいは公開されてもいいのではないかと思います。むしろ、プライバシーの侵害・・・を盾に、本当に必要な情報が出てこなかったり、あるいは隠れ蓑にされているような印象を私は受けるのですが、みなさんはどうでしょう？
ということで、話しをまとめると、性善説を前提にして、必要な情報を公開することで、形骸化したルールは無くすことができて、社会はより軽やかに、効率的に発展していくのではないだろうか？ということでした。
本日もご視聴いただきありがとうございました。
ではではまた