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手作りチョコがブラックサンダーになった女の子が退職する

3 月に新入社員の女の子が退職する。新卒で入って4年寿退社になる。

さて、彼女からバレンタインデーのチョコをもらった。
ブラックサンダーだ。一目で義理とわかるチョコでブレークしたブラックサンダーだけど、彼女は律儀にお返しはいりませんからと伝言を付けてくれていた。どうしよう、返さなくていいだろうか。

ホワイトサンダー。

去年は手作りのチョコだった。

一昨年は手作りのチョコに手紙が着いていた。

一昨年は、机に手作りのチョコと手紙がおいてあったので、慌てて机のなかにしまった。みられてはいけない
が、しかし
どうやら、みんなに手書き付きの手作りチョコを渡しているらしいときいて恥ずかしくなった。振り上げたこぶしがおろせないのとと同じ意味で
机にしまったチョコが出せなくなった。

ひょっとしてもてているかもしれないという勘違い。

なんか、一周回って面白くなってきたので職場のみんなに吹聴していたら、結構うけた。

「フィッシュさん、それはないわー」
「ぼくなんか、家にまでもってきてくれましたよ」
「まじか」

少しだけ傷ついた。

そんなやりとりくらいしか思い浮かばない彼女だけど、会社の周年パーティーのあとガソリンスタンドでバッタリでくわし、スタンドに寄っかかっている姿がリアルヤンキーだったのでいやだなと思ったりしていた。

そのあと会社に苦情の電話がきた。
どうやら彼女のことにたいする苦情を本社にかけてきたようす。

「出勤途中に車で来るんだけど、いつも後ろにいる彼女の車にあおられる」という申しだった。

そんなことがあるのか? と思うけど、リアルヤンキーの姿を見ているのでひょっとしたらあるかもしれないなと思った。
社長の耳にも入り彼女の評判は悪くなった。

当の彼女はなにひとつかわらず、必要以上にきびきびするでもなくいつも通りのんびり働いていた。ねこにエサをやっている姿しか印象にない。

そんな彼女はのんびりした風貌なんだけど、結構しかりしています。

集会でのこった豚汁を一人暮らしだからといって20人前持って帰ったり、周年祭のビンゴであてたカレーセットを上司があてたディズニーランドペア宿泊券と交換したりしていました。
それはちょっと、ないんじゃないかと怒っていた同期入社の男の子が運営に今後ビンゴであてた商品は交換をなしにしようといって彼女の行動をチクっていました。

そんな彼女がいなくなる。

部署が違うから、なんともいえないけどそんなに困ることないんじゃないか? と思っていた。ねこももういない。

家畜が病気になるからといって、処分をしなさいと会社から通達が出ました。そしてあんなにネコと時間を共有していた彼女は全く知らない顔をしていた。(ネコはひきとってもらった)

で、同期の男の子(チクった男の子)にきいてみました。
「さみしいですね。同年代がいなくなるのは」といいます。
となりの農場のおじさんにきいてみました。
「こまるな、結構たすかってたから。良く仕事できるようになったしね」といいます。

あーそうなんだ。

この女の子はがんばってたんだ。
ネコにエサをやってるところしか見たことがないからそんな風に見てしまってたのを反省しました。

まあ、でも見た目って大事ですよね

しごと中に猫にエサやってるとか、のろのろ動いてるとかブカブカの服きているとか、誤解されても仕方ないことをしています。

もったいないな。と思います。

シュッとした格好をして、適度にあいさつができて、ネコにもばれないように仕事中にエサをあげて、動作がきびきびしていたら印象もちがっていただろうになってことです。

結婚して、出産するそうですが、赤ちゃんはかろうじて同じ学年にならなくてすみました。なにしろ22歳も違うので学校でばったりあったりするとすこしいやです。

彼女からのバレンタインデーにもらうチョコが手紙付きの手作りチョコからブラックサンダーになりましたが、それは彼女の成長のあかしかもしれないなーと思いました。

おっちゃんに勘違いさせてもいけませんからね。

おしあわせに。




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