シーズン1 #01『狙われた市長候補』
原題:mr.MONK and the CANDIDATE
放送日:
米 2002年7月12日
日 2004年 3月30日
スタッフ:
脚本 アンディ・ブレックマン
監督 ディーン・パリソト
ゲストスター:
マイケル・ホーガン(ウォーレン・セントクレア役)
ミシェル・アディソン(ニコール・バスク役)
ベン・バス(ギャビン・ロイド役)
フレッド・エワヌイック(ジェイク役)
ヴィンセント・ゲイル(ジェシー・グッドマン役)
ディオン・ジョンストン(ギトマー役)
ゲイル・オグラディ ゲイル・オグラディ(ミランダ・セントクレア役)
スタンリー・カメル(クロ―ガ―先生役)
<ストーリー>
サンフランシスコ警察の名刑事 エイドリアン・モンクは、最愛の妻トゥルーディが何者かに殺害された事件が原因で、生来の強迫神経症(OCD)が悪化し、休職した。
4年後、友人である刑事の依頼で、サンタクララで起こった殺人事件の現場に赴いたモンクは、ひたすら細いことが気になるOCD 傾向のおかげでさらに研ぎ澄まされた超人的観察力によって多数の手がかりを発見し、一瞬で犯人像を描き出す。
時を同じくして、次期サンフランシスコ市長候補の一行が街頭演説中に狙撃され、ボディガードが死亡するという事件が発生。市長は、殺人課のストットルマイヤー警部に、モンクをコンサルタントとして捜査に加えるよう命じた。復職をめざし、看護士兼アシスタントのシャローナと共に捜査に参加したモンクは、現場を一見、何のつながりもないはずの“市長候補狙撃事件”とサンタクララでの殺人が、実は同一人物によるものだと確信する――。
<解説> ※注:ややネタバレがあります。
本作は、シリーズ化前に制作された、76分の長さを持つパイロット版(元々のシナリオは60分番組用として書かれた)である。番組をクリエイトしたアンディ・ブレックマンは、主人公のエイドリアン・モンクを「現代のシャーロック・ホームズ」として位置づけ、「名探偵が活躍するファンタジー」をめざしたと語っている。
ブレックマンは、米テレビの長寿番組である人気コメディ・ショー『サタデー・ナイト・ライヴ』で無数のスケッチ(コント)を書いた人物であり、実はTVドラマに関わったことは、それまで一度もなかったという。いわれてみれば、葬式でのキーリングをめぐってのドタバタ等は、独立したスケッチ風に完成しており、何よりモンクの設定自体、「古今東西の〈名探偵〉は、皆、細かいことが気になって、事件を解決せずにはいられない“OCD
考察的な人物”だったのではないか」という、スケッチ的に秀逸な解釈であるように思える。
ミステリとしても、全体としては「視聴者にも手がかりを見せておくフェアな謎とき」をめざしてはおらず、名探偵の推理を“すごいすごい”と楽しむ、ホームズ譚に近い造りとなっているのが特徴といえるだろう。加えて、シリーズが軌道に乗った後の、45分間にプロットとサブプロット、さらに各種のスケッチを詰め込んだ高密度さからすると、本作の展開は、意外なほどゆったりとしたテンポとなっている。
監督のディーン・パリソトは、モンク役のトニー・シャルーブも出演した傑作SFコメディ映画『ギャラクシー・クエスト』(99)を撮った人である。そして、これはややネタバレになってしまうのだが……邦題は、ちょっとばかりアンフェアかもしれない。
<参考>
<MEMO>
*データ欄の日本初放送日は、NHKによるシリーズ放送時のもの。その前々年の2002年、WOWOW等にて『名探偵Mr.モンク』のタイトルで単発のTVムーヴィーとして放映され、これが本邦初お目見えとなった。モンク役を担当したのは千田光男氏。シャローナ役は勝生真沙子氏。
*翌2003年にVHS全6巻(第1シーズン分12話を収録)がリリースされた。この際の吹き替え版は、演出の壺井正氏によれば「当初からNHKへの売り込みも想定して行われた」とのことで、翌年のNHK BSでの放送もVHSと同じものが使用されている(一部、録り直したとの証言もあるが、未確認)。壺井氏のインタビューは『刑事コロンボ完全捜査ブック』(宝島社刊)所収。
*以下、準備中です。
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