シーズン7 #9(#101)『信じる者は救われる!?』

  • 原題:mr. MONK and the Miracle

  • 放送日:

  • 2008年10月28日

  • 2009年6月1日

  • スタッフ:

  • 脚本 ピーター・ワーク

  • 監督 アンドレイ・ベルグレイダー

トレーシー・ウォルター(“教授” 役)
ジェフリー・ブレイク(アイク役)
ジェレマイア・W・バーケット(レジー役)
マギー・カイリー(ケイティ・ドイル役)
マイケル・マンテル(ブラザー・アンドリュー役)
マイケル・バダルッコ(オーウェン・マクロスキー役)

<ストーリー>
 事故死と判断された仲間の死を調べて欲しいと、3人のホームレスがモンクの元を訪れる。ナタリーに説得され渋々依頼を受けたモンクは、遺体の発見現場で他殺の証拠を発見。酷い腰痛で病欠中のストットルマイヤー警部に代わって署内で奮闘中のディッシャーに報告し、再捜査を約束させる。一方、薬も効かず症状がますます悪化、人生に絶望していた警部の自宅のドアに、ある夜「神のお告げ」が描かれ、それに従って近くの修道院の噴水から流れる“聖なる水”を飲むと、何と一晩で全快。「奇跡」に感動した警部は、修道士となるべく警察を辞めてしまう――。

<解説>
 本シーズン前半の最終話――いうなら中トリを飾るクリスマス譚で、放送は例によって10月末に行われている(続く第10話は翌年1月の放映)。アヴァンでのホームレス殺人事件に警部の病気が絡んで予想外の方向へとみるみる拡がっていく面白さは、前シーズンあたりで確立された“先が読めないエピソード”の最良の例の1つといってよいだろう。
 ミステリ的には、中盤で真犯人を明かしてしまい、しかも共犯者がモンクに告白することで一気に解決へと向かう流れがユニークであり、無理にWhodunitに拘らなかったことで、前述の“拡がり”がさらに活きる理想的なミステリ・ファンタジーに仕上がったように思われる。
 髭のない若々しくハンサムな警部と髭のあるディッシャー、実は(主には男性との積極的な関係が理由で)“ナタリーは死後、地獄に落ちる”と思っているモンク等、笑いどころも多く、修道院での詠唱に見せかけた〈経緯はこうです〉も傑作である。
 ラスト、警部とディッシャーの掛け合いで終わるかと思わせて、“小さな奇跡”を見たモンクがコップを持って噴水の傍らで佇むという、まさにクリスマス譚らしい切ないエピローグが加えられているのにもご注目を。

<MEMO>
薬剤師マクロスキー役を演じたマイケル・バダルコは、『レオン』(94)でのマチルダの父親役で知られる他、スパイク・リー、コーエン兄弟監督作品に数多く出演。TVシリーズ『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』(97~04)での弁護士ジミー・バルッディ役で、1999年にエミー賞を受賞している。
*アンディ・ブレックマンは後に、本作の「噴水の真相」について『刑事コロンボ』某作からのインスパイアであった旨を語っている。

*(以下、準備中)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?