シーズン7 #15(#107)『消されて焼かれて!?』

  • 原題:mr. MONK and the Magician

  • 放送日:

  • 2009年2月13日

  • 2009年7月13日

  • スタッフ:

  • 脚本 アンディ・ブレックマン

  • 監督 ランドール・ジスク

ジャレッド・ポール(ケビン・ドーフマン役)
スティーヴ・バレンタイン(カール・トリーニ役)
ペイトン・リスト(ターニャ・アダムス役)
キャロライン・アーロン(シーラ・ドーフマン役)
リチャード・タナー(ルー・ドーフマン役)
アンドリュー・ゴールデンハーシュ(舞台監督役)
チェイス・キム(タイの麻薬王役)


<ストーリー>
 モンクとナタリーの友人で会計士のケビンは、経理を任されている有名マジシャン・トリーニの書類に不審な点――海外ツアーの帰路分だけマジック装置の航空運賃が多く請求されている――を発見、報告した。すると突然、トリーニは彼に、自分が恋人と旅行に行く晩の舞台の代役を打診。素人マジシャンのケビンは大喜びで引き受けるが、実はトリーニは世界を飛び回るツアーを利用して麻薬の密輸を重ねており、ケビンは“知りすぎた男”となっていたのだった。
 当日、散々だったマジックショーの終演後、モンクとナタリーが待つ客席に、ケビンはなかなか姿を現さない。心配になったモンクが様子を見にいくと、彼は絞殺され楽屋の床に倒れていた――。

<解説>
 時にモンクを超えるコメディリリーフぶりを発揮してきた愛すべき名キャラクター、ケビン・ドーフマンを突然“退場”させた、ある意味ではシリーズ全作中最も衝撃的なエピソード。演じるジャレッド・ポールの契約がこのシーズンで切れる、それなら、という流れだったと伝えられ、そのブラックなキレのよさは、まさに本シリーズならではである。そして、こういうプロットでありながら、告別の会での「優性遺伝」ギャグに素直に大笑いできるのは、そのキャラクター(と演技)の偉大さゆえであろう(エピローグの、微笑みを誘うペーソスも素晴らしい)。
 ミステリとしては、シンプルなトリックによる比較的オーソドックスな出来であるが、モンクが“消されて焼かれ”かける危機一髪のクライマックスは、謎解き、サスペンス、アクション、そしてギャグが混然一体となった、まるでシーズン最終話のようにリッチな名イベントとなっている。

<MEMO>
*名犯人トリーニを演じたスティーヴ・バレンタインは、実際にプロのマジシャン兼俳優であり、LAのマジックの聖地である会員制クラブ《マジックキャッスル》(本作でも外観が使われている)の「クロースアップマジシャン・オブザイヤー」に二度選出されているとのことである。俳優としては、本作の少し前まで6シーズン続いたTVシリーズ『女検死医ジョーダン』(01~07)にレギュラー出演していた。

*犯人の二つ名“グレート・トリーニ”や、証拠となる紙を目の前で焼失させる件り等は、同じくマジシャンが犯人だった『刑事コロンボ』の一篇「魔術師の幻想」を意識してのものだろう。

*タイが舞台であるはずのアヴァン冒頭の夜景コラージュには、香港と韓国(ソウル?)、そして新宿歌舞伎町付近のカットが2点含まれ、肝心のタイ(バンコク)はなぜか使用されていないように思われる。

*(以下、準備中)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?