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【うみねこ】嘉音の「僕だって……」発言について

■初めに

タイトル通り、嘉音が作中で発した「僕だって……」という
発言について、真面目に考えています。

「うみねこのなく頃に」シリーズの重大なネタバレを含みます。
予めご了承ください。


■根本から考える

うみねこEP1、
嘉音が初登場時に発したのがこの台詞です。

単純に読めば、ひとりの少年・嘉音が、
まだ未発達で男らしくない自分の体を恨めしく思っている、
という風に見えます。

しかしこれを紗音のもう一つの人格としての嘉音、
として見ると、意味が変わってきます。

もともと、紗音(紗代/理御)は戦人、
あるいは(時が流れ)譲治との間に子をもうけ、
幸せな家庭を築くのが夢でした。

しかし紗音は夏妃に崖から落とされたことで、
性器が女性としての役割を果たさなくなった=
譲治(奇跡的な確率で戦人)との夢が
叶うことがなくなってしまいました。

このことを知った紗音は自らの中に
「嘉音」という、男性としての人格を生み出します。


ここで、先ほどの台詞に戻ります。

女として夢を果たせない、幸せになれないのなら、
せめて、男として幸せになりたい。

そう願う紗音(嘉音)の夢は、
またしても打ち砕かれることになったのだと思います。

しかも、紗音の初恋の相手である戦人によって。

戦人は、嘉音が全く持ち上げられない園芸袋を
軽々と持ち上げてみせました。

これが、
いつか男としての生を全うできるかもしれない、と
僅かにでも望む嘉音からしたら、
どれほど辛いことか……と思います。

紗音として、女としての幸福はどだい無理だった。
なら、男としての幸福を得たい……。

元々自らの生まれ、ひいては肉体のことに
敏感な紗音(嘉音)にとって、
自分ではまず届かない「男らしさ」の象徴が目の前に現れる。

これだけでも辛いことだと思います。

しかもそれが初恋の相手である戦人だというのは、
かなり酷なことだろう、とも感じました。

■終わりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

また、
ネタバレ前提にはなってしまいますが、
うみねこについての他のnoteもありますので、
よければご覧ください。

感想等あれば、
コメントしていただけると嬉しいです!

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