【うみねこ】さくたろうから考える「魔法」の真の意味
■初めに
ふと、うみねこ漫画版EP4を読み返した時、
真里亞って本当に魔女の素質があるなーと改めて思いました。
というのも、
現実の事実と幻想的な解釈が、
真里亞の中で並立して存在しているからです。
この考えを進めていくと、
「うみねこのなく頃に」における魔法の本当の姿について
語ることもできそうなので、noteとして書いてみました。
「うみねこのなく頃に」シリーズのネタバレを含みますので、
ご了承ください。
■さくたろうの紹介の仕方
最初に縁寿に対してさくたろうを紹介する時、
「友達」ではなく「ぬいぐるみ」と言っていました。
これは、真里亞はさくたろうをまず「ぬいぐるみ」と自覚したうえで
「友達」であると認識していたからだと思います。
可能性の一つとしては、
真里亞にとってさくたろうは「友達」である以前に
「ママからもらった手作りの唯一のぬいぐるみ」という認識が
あったからこそ、
「ママにもらった大事なぬいぐるみ」というニュアンスを
縁寿に伝えたかったのかもしれません。
そのためにまず、縁寿への紹介にあたり、
誕生日プレゼントとして真里亞がさくたろうを
もらったエピソードを入れていると考えられます。
仮にただの「友達」として認識しているだけなら、
このエピソードは省かれていてもおかしくないと思います。
また、
作中で語られているように、さくたろうという存在は
楼座からプレゼントとしてもらう前から
既に真里亞の中で人格化されているようでした。
「ぬいぐるみ」という肉体、つまり魂の依り代を
楼座からもらったことで、
真里亜の中でさくたろうの人格は
より強固になったように見えます。
■白き魔女・魔法
さくたろうという存在は
「自分の友達」
「ママからもらった手作りのぬいぐるみ」という、
現実の事実と幻想的解釈が
真里亞の中で同時に存在する状態です。
これこそが白き魔法を体得した姿であり、
縁寿がEP8でたどり着く姿でもあります。
(その事実「楼座手作りのぬいぐるみ」自体も
楼座の優しい嘘だったわけですが……)
その意味ではさくたろうの存在自体が
縁寿の未来の道標的なものではあった、
ととらえることもできそうです。
現実を輝かせ、生きる力を与える魔法。
それが作中で語られる、本来の魔法のあるべき姿です。
■縁寿の成長
EP4時点では魔法の一端である「優しい嘘」しか
縁寿は見えていないため、
「魔法なんて虚しい」と縁寿は考えていました。
つまり、魔法に対してネガティブなイメージがある状態です。
理屈として理解はでき、かつ、
真里亜への愛があったため、
さくたろうを蘇らせる魔法を使うことはできたと思われます。
しかし、それはうみねこにおいての
真の魔法を理解した、ということではなかったわけです。
・事実と魔法は並立する
・魔法が時に事実を上書きし、新しい意味を付与する
上記2点をEP5以降で縁寿は知っていき、
体得していくことになります。
■終わりに
今回、さくたろうから魔法について考えてみましたが、
彼の存在ひとつとっても、
うみねこは深く考えられているなと思いました。
作者である竜騎士07氏の愛を感じます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
また、
ネタバレ前提にはなってしまいますが、
うみねこについての他のnoteもありますので、
よければご覧ください。
感想等あれば、
コメントしていただけると嬉しいです!
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