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トビタッテみたら I
ティーンエージャーの留学話
いつか留学したいと考えてたものの、調べることや計画すること、ちゃんと考える時間を設けたことがなかった。それは、時間を設けても答えに辿り着く気配がしないと勝手に思っていたからかもしれないが。
なにを求めて?
なにを変えたくて?
なにに繋げるために?
どこに行く?
とにかく、なぜ?
段々と周りが留学や興味関心の幅を定めていく中、へーって頷いていたよ。
そんな私の前にやって来たのが、「トビタテ留学JAPAN!」の校内説明会。
8期生として応募し、トビタテの一員になった先輩たちからの熱い紹介と、どこか受けるしかないと言わされてしまうような圧。
「受けます」笑。
と、その週の三者面談で宣言しちゃって自分でも笑った。
これは2023年の冬だった。中学卒業の年でもあり、他の海外研修に参加予定だった年でもあった。
色々重なっていたという言い訳を作り、正直トビタテの一次審査用で作成しなければいけない計画書を書き進めることは1月までなかった。
【一次審査】
冬休み後、Googleドキュメントにテーマや概要、応募理由、訪問先や留学日程、自分の探究が何から繋がっていてなぜトビタテ留学JAPANじゃなくてはいけないのかを先生方や先輩方との壁打ちしながら溜めていった。
最初は自分の脳内で整理しきっていると思っていたが、いざ他の人に説明するとなると言葉が詰まった。言葉にして説明する事に対して苦手意識を覚えて以来、壁打ちも躊躇していたが、他の応募者の積極性、そして自分で書き進めるだけでは何も変化しないと気付かされてから、とにかく壁打ちをするようになった。
今思えば、二次試験が面接な事もあるし、自分の感情を言葉に乗せて人に伝える練習は大切すぎる。
ようやく書類を書き終わった1月の3週目の金曜日、一次審査の書類を提出し開放感に浸った。
テーマは人を惹きつけ、突き動かすデザインとは何か。
3月の上旬、一次審査通過の通知が来た。正直に言うと、この頃の私にはトビタテのモチベーションが全くなく、二次審査の面接を受ける説得されるまで受ける気がなかった。
【二次審査】
受かる確率が低いことを知っていながらも、わざわざ面接のための準備をすることが面倒くてしかたがなかった。高1になったことで留学の幅や選択肢が広がった影響で挑戦したかった韓国にも夏休み留学行く予定が立っていた。それに加え、事前に決まっていた海外研修の日程とトビタテの東京会場の面接日が被り、面接を受けるには岡山まで片道3時間以上もかけて行く選択しか残っていなかった。
誰が行くかよとか思ってた。
「でも、受けに行かなかったら、落ちる事も出来ないんだよ?もちろん受かる事も。」
一次審査を通過したことだけで満足していた私にかかって来た言葉。
2週間後、私は面接で使うプレゼン資料を抱えて新幹線に乗った。
どう自分をそんなに動かされたのかは説明不可能だが、私は二次試験を受ける事にしていた。
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とにかく1ページ1メッセージを意識して作ったプレゼン資料を何回もぶつぶつ言いながら新幹線の中で練習しまくっていた。当日は資料を印刷し発表する時はiPadを台として利用した。
面接の最後にある質問にはなるべく自信を持って、こんな人間もいるんですよ!こんな考え方もあるんです!という新価値観を宣言したのを覚えている。
事前に回答を準備したところで、本番になれば準備した言葉なんて自分は口から出せない。だからその分、自分の留学の根本の意味と初心を忘れないよう努力した。
帰りの新幹線は同じ理由で岡山で面接を受けることになった友達と一緒だった。互い独特な面接官との面接に体力を使い果たし、帰りは、買ったきび団子を食べ眠りについた。Next stop 東京!
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【合否】
岡山に行った甲斐があったねと言われるかのように、トビタテから合格との発表がガクシーのサイトを通して届いた。
いつもお知らせを見るのに試行錯誤しているガクシーのサイト。ようやく開けたから一旦スクショして合格を確認した。
受ける前から今までふわふわと移動しぱなし感情ばかりで不思議すぎた。
先輩方にコツを聞かせてもらったり、至る所で先生に壁打ちをお願いしたり、友達とインスタントスープを飲み眠気を飛ばし準備したりしてたトビタテ応募ライフ。
幸せ者だと思わせてくれる中3の終わり、そして高1の始まりだった☀️