見出し画像

【紹介】Coitocaecum plagiorchis

私がこれまでに見つけた動物を気まぐれで紹介していく第一弾です。誰も興味を持たないような動物がほとんどだと思いますが、映像や資料を少しでも活用するのが目的です。

写真とスケッチ.png

和名:なし
学名:Coitocaecum plagiorchis
分類:扁形動物門 吸虫綱 二生亜綱 斜睾吸虫目 Opecoelidae科
生息ドンコやオラニラミの腸管に寄生する。滋賀県, 兵庫県, 大分県で生息を確認されている。
解説:脊椎動物の消化器官に生息する寄生性の動物。2つの吸盤が、頭部の口と腹部に存在する。本種は淡水魚の腸管に寄生するが、宿主に害を与えることはない。斜睾吸虫目に属する吸虫には、ウェステルマン肺吸虫のような病原となる吸虫もいるが、本種はヒトには全く無害。
本種は、1926年に尾崎佳正博士が広島県西条の河川に生息するドンコの腸管から発見された。浦部(2005)によると、終宿主の淡水魚のフンとともに卵が放出され、河川の軟体動物に感染し、その後ミナミヌマエビに移動・感染、終宿主の淡水魚(ドンコやオヤニラミ)がこのエビを食べることで感染する。最初に感染する軟体動物の具体的な名前はわかっていない。

【参考文献】

長澤和也『魚介類に寄生する寄生虫』 ベルソーブックス 成山堂書店
Ozaki.Y. On some new species of trematode of freshwater fishes from Japan(preliminary report). 2001 Mag 1926;38:124-30[in japanese]
Yoshida.R., Urabe.M. Life cycle of “Coitocaecum plagiorchis”(Trematode:Dtgenoa:Opecoelidae).Parasitol Int 2005;54:237-242

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?