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猫と映像制作の舞台裏

みなさん、こんにちは!
さて、突然ですが、2月22日が何の日かご存知ですか?

土曜日? うん、それも正解。でも今回は曜日の話じゃありません。
スニーカーの日? 確かに!でも、それもちょっと違うんです。

正解は…… ニャンニャンニャンの日!つまり猫の日!

今回は、この猫の日にちなんで、映画やドラマに登場する“猫”の裏側に迫ってみたいと思います。画面に映るあの可愛い猫たち、実は1匹ではなく、何匹もの猫が同じ役を演じているって知っていましたか?



1. 映画に出演する“猫俳優”たち

映画やCM、ドラマの世界には“猫俳優”というプロフェッショナルな猫たちが存在します。彼らは単なる可愛いマスコットではなく、役者としてきちんとキャスティングされ、トレーニングを受けた猫たちなのです。

猫俳優たちは、動物専門のプロダクションでトレーニングを受け、性格や見た目に合った役を任されます。撮影現場は多くのスタッフや機材で賑わっているため、人懐っこく、環境の変化に動じない猫が好まれます。逆に、警戒心の強い猫は撮影向きではないため、トレーニングを通じて少しずつ現場に慣らしていく必要があります。

また、時には映画制作チームが直接シェルターや動物保護施設から猫を探すこともあります。

実際にシェルター出身の猫が出演した例

・『ペット・セメタリー』(2019年版)
主役猫・チャーチ役には4匹の猫がキャスティングされ、それぞれのシーンごとに使い分けられました。
・『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』
主人公が連れ歩くオレンジタビーの猫役も、複数の猫が交代で演じていました。

この方法は、動物福祉の観点からも注目されており、レスキューされた猫たちに新たな場を与えることにも繋がっています。


2. 猫俳優の裏側:なぜ複数の猫が必要なの?

では、なぜ映像制作には複数の猫が必要なのでしょうか?

猫は本来、人間のように長時間の撮影に耐えられる動物ではありません。疲れやストレスを最小限にするため、複数の猫を交代で使う必要があるのです。

とくに、映画の撮影は長期間に及ぶもの。猫1匹にすべてのシーンをこなさせるのは大変です。猫は「ちょっと休憩入ります〜」とか「今日は気分が乗らないのでお休みします!」なんて言えませんからね。

また、無理なく撮影を進めるために、シーンごとに適性のある猫を使い分けることもあります。

◆ じっとしているのが得意な猫 → 落ち着いたシーン担当
◆ ジャンプや走るのが得意な猫 → アクションシーン担当
◆ 特定の表情が得意な猫 → 驚きや好奇心のシーン担当

こうすることで、猫に無理をさせずに、自然な演技を引き出すことができるのです。


3. え、バレないの?複数の猫を使う映像制作のテクニック

「でも、猫が入れ替わってても気づかないの?」

そう思う方もいるかもしれません。実は、観客が気づかないようにするための映像ならではのテクニックがあるんです。

① 似た外見の猫を選ぶ

まずは基本中の基本。毛色・模様・目の色が一致する猫を選ぶことで、違和感を極力なくします。特に特徴的な柄を持つ猫の場合は、似た模様の猫を探して用意します。

例えば、『ティファニーで朝食を』のオレンジタビーの猫「キャット」は、実は9匹が交代で演じていました。

② カメラワークや編集で工夫する

映像制作では、猫が違っても気づかれないようにするため、以下のようなテクニックが駆使されています。

  • アップのシーンと引きのシーンで猫を入れ替える(細部の違いが目立ちにくい)

  • 動きの途中でカットを切り替える(ジャンプする瞬間だけ別の猫に変更)

  • ぼかしを活用する(背景をぼかして細かい違いを目立たせない)

  • ライティングで微妙な色の違いを統一する

  • 被写界深度を活用してピントを調整し、視線を誘導する

  • カメラのアングルを工夫し、特徴的な部分が映らないようにする

猫の模様が多少異なっても、背中側やシルエットを強調するショットを多用することで、視聴者に違和感を持たせないようにします。映画『エイリアン』では、ジョーンズィーの猫が違う猫に切り替わる瞬間を、キャラクターのリアクションショットを挟むことでスムーズにつなげました。

こうした映像技術が、違和感のない入れ替わりを作り上げているのです。


 映画の猫をじっくり見てみよう!

映像技術を知ると、次に映画を見るときの楽しみ方がちょっと変わってきますよね。

「このシーンの猫、さっきと違う?」
「ジャンプする前と後で猫の毛の質感が微妙に違うかも?」

そんな視点で猫俳優たちを観察するのも、映画の新しい楽しみ方のひとつ。もしかすると、お気に入りの映画の中で「ここ、猫入れ替わってる!」なんて発見があるかもしれません。

次に猫が登場する映画やドラマを観るときは、ぜひ「この猫、本当に同じ子?」とチェックしてみてください。猫たちの名演技(と、裏に隠れた撮影スタッフの努力)に、改めて驚かされるはずです!


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