20190420 記憶改竄
朝井リョウさんの「死にがいを求めて生きているの」を読んでいると、ある文章に引っかかった。
その人の背景が変わるだけで、その人の所属している場所が変わるだけで、その人まで変わってしまったように見える。
いま僕は修士2年なので同期の就職先が決まりつつある。優秀な人が多いから、大手企業ばっかりだ。
就職先を聞くと、今までなんとなく喋っていた時間が尊く思えてしまう。
友だちと話していても「このダラダラした時間って時給換算するとエグいんじゃないか」と思うようになってしまった。
また、過去の出来事も「あいつと遊んでいた時間って実は貴重だったんじゃね」と泊が付くような感覚に襲われる。
記憶が少し変わってしまった。
「花の姿を知らないまま眺めた蕾は、知ってからは、振り返った記憶の中で、もう同じ蕾じゃない。」
平野啓一郎(マチネの終わりに)
今は過去を変えている。
「僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできないけれど、過去を変えることはできる。」
西野亮廣(近大卒業式スピーチ)
自分は友だちのどこを好きになっていたのかな。友だちの内面、そこから滲み出る言動が好きだったはずなのに、案外その人のポテンシャルも見てたのかなぁ。
無意識のうちに多くのものを見ていたのかもしれない。