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速く走るためのフォームとは??にストレングスコーチが回答します。

FIRST TRACK のストレングスコーチの和田です。
怪我をしにくいフォームとは?】についてストレングスコーチの視点から回答します。【怪我をしにくいフォームとは?】つまり【速く走るためのフォーム】なのです。では、【速く走るためのフォーム】どはどのようなフォームでしょうか?こちらのNoteの続編になります。


ストライドとピッチの関係

スピード (速度) = ストライド (歩幅) x ピッチ (回転数)

このNoteを読んでいただいている方はご存知な方がほとんどだと思いますが、走る速さはストライドとピッチの2つで決まります。

ストライド (歩幅)を大きくするか、ピッチ (回転数)を上げればスピードが上がり、タイムが向上します。マラソンなどの長い距離を走る種目においては、ピッチを向上させることよりストライドの大きさがタイムに影響するということがわかっています(参考文献 ⓵) そこで、このNoteではストライドの向上のためのランニングフォームに焦点を当てていきます。

スプリンターとマラソン選手

まず、トップスプリンターとトップマラソン選手の静止画の比較をします。種目上速度の違いはありますが、横からみたフォームを見ても両選手とも似たようなフォームであることがわかります。

トップスプリンターにもなると男子の選手で100mの平均ストライドが2m20cmにもなります。(参考文献 ⓶) 大きなストライドをマラソン選手も出すためには、マラソン選手もスプリンターのフォームの特徴を模倣することでストライドを確保できるのです。では、ストライドを広げるためにはどのような共通した特徴があるのか見ていきましょう。

マラソン・キプチョゲ選手とスプリンター・カーリー選手

速く走るためのフォームの特徴としては以下の3つになります。

  • 脛の角度

  • 体幹の前傾 

  • 接地の位置  

脛の角度
まず接地時の脛の角度についてです。画像からみてとれるように短距離選手から長距離の選手まで、 接地時の脛の角度は、地面に対して垂直であることが重要であるということ。脛の角度を垂直に立てることで、地面からの床反力も鉛直方向に返ってきます。

前傾姿勢
骨盤から頭部まで、地面に対して若干前側に倒れていること。上半身の体重分が傾き、重心が少し前になり、自分の体重が、地面に伝える分の力として加わるということ。ただし、一つ注意するべきなのは 前傾姿勢をとる上で、猫背になったり、骨盤が前傾して反り腰なったりしないこと。体幹が一直線であること、また頭部から股関節にかけて一直線であることが重要です。

接地の位置
接地の位置は、重心の真下付近で接地をするということ。以前のNoteでも触れていますが、地面からの力(地面反力)を前方向への推進力に転換するためにも、足が接地してからブレーキ成分をできるだけなくすことにも伝わります。

ストライドの向上

では、上記の 3つの条件が揃ったランニングフォームにすることで、どうストライドの向上につながるのでしょうか。

前方方向への推進力は、接地時に地面に対して伝えた力の反力、すなわち地面から身体に返ってくる力の総和と方向で決定されます。そして、走る速さを決定するストライドを向上させるためには、地面に対して鉛直方向の力成分の力を効率よく伝えるかが重要になります。(参考文献 ⓷) 自分の身体を前方に移動させるためには、一定時間身体を空中に浮かせる必要があります(脚が地面から離れていて空中にいる時間を滞空時間と呼びます)。そして、鉛直方向に伝えた力が地面反力として地面から身体に返ってくることにより、身体が空中にある滞空時間をきめます。滞空時間を伸ばすということは、ストライドが伸びるということにつながります。前に進む速さが競技力そのものと言っても過言ではない競技の陸上ですが、種目に関わらず、短距離から長距離まで、地面に対して鉛直方向の力を効率よく伝えることが速く走るために鍵となってくるのです。そのためにも、トレーニングやドリルという(動きづくり)を通して垂直成分に出力するための動作学習をしていく必要があります。

地面半力 垂直成分

鉛直成分の力を効率よく地面に伝えるためのドリルやトレーニングを一部紹介します。

RUN CLINICのドリル映像

FIRST TRACK 3C Lab トレーニングの風景

上のドリルやエクササイズでは、地面に対して鉛直方向に力が伝わるように、体幹の安定性を担保し、アライメントを調整してつくった上で、重心の近い位置で接地し、鉛直方向に力を伝えることを目的としています。このように、目指しているランニングフォームに近づけるためにドリルやトレーニングを通して身体に動作を学習させていきます。

速く走るために必要なフォームは = 怪我をしにくいフォーム

最後に、速く走るためのランニングフォームとは?についてお答えしましたが、実は前回のNoteでも触れている怪我をしにくいフォームと通じます。上記にあげたランニングフォームを再現できたとしてもアライメント不良があると、怪我に繋がったり、効率よく地面に力が伝えられなかったりします。

速く走るために必要なフォームは、怪我をしにくいフォーム

ということでもあるです。

まずは、自分の走りを動画で確認して、ご自身のランニングフォームを確認してみてください。

執筆者 : FIRST TRACK ストレングスコーチ 和田俊明

FIRST TRACKでは、RUN CLINICやパーソナルトレーニングを通してアスリートやランナーが目標達成に向けてのサポートをしております。

適切なランニングフォームを習得したい方は、ホームページまたは公式LINEにてご連絡ください。

参考文献:
⓵馬場崇豪、長距離選手のスプリント走について、2023
⓶ 野口純正、日本歴代上位選手とのピッチ・ストライドの比較, 2018
⓷ スプリントのバイオメカニクス, 2022

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