トイトレは「失敗」を重ねるチャンスだった
4歳を間近に控えた息子の最大の難題は、トイトレである。
2歳を過ぎたあたりから、「そろそろやらなきゃ」と思い始め子供用の便座を購入、家族一同、一瞬張り切っては見たものの、2年近くが経過した今、結論から言うとまだオムツは取れていない。
(仕事しながら平日のトイトレって、難しくないですか、、?)
息子はトイレに座るのを基本的に嫌がる。
「オムツにするー!」と逃げ回る息子を力尽くで便座に固定するほど、こちらのモチベーションは高くなかった。
薄々気になってはいたものの、「焦らなくて良いのでは」「そのうち勝手にできるようになるだろう」という呑気な気持ちでいたら、いつのまにか息子と同じクラスのほとんどの子供がオムツを卒業してしまっていたと気づいたのは、保育参観日があった先週のことだ。
これまでに、申し訳程度に用意したトレパン(トイレトレーニング用のパンツ)が、ごくたまに登園リュックに濡れた状態でビニール袋に包まれているのを洗濯することはあった。保育園で少しずつ進めてくれているんだなぁと安心した心地でいたし、家では相変わらず、機嫌が良い&時間がある日に限り、お風呂に入る前に便座に座ってオシッコができたらハナマル、という生活を送っていたものだから、急に焦った。
「親は子供のために当然努力すべき」という考え方は好きじゃない。けれど、トイトレのスピードに関してだけは、親の努力と根気によるところが大きいかもしれない。
厄介なのは、息子が保育園で「お漏らしすることが恥ずかしい。だからオムツで過ごしたい」と主張していたことだ。
たまにトレパンを履いて失敗すると、部屋の隅で1人、うずくまって落ち込むらしい。先生曰く、4月生まれの息子は、一通りのことが同学年の子よりも上手にできてしまうゆえ、友達の前で失敗するのを恥ずかしがるとのこと。常に「できるキャラ」でいたいのが、保育士の目から見ても明らかということだった。トイトレはそうでなくてもデリケートな話題なのに、そこに強烈な自尊心が絡んでくるからこそ、話はややこしくなっていたのである。
そこからは私と夫による、怒涛の声かけが始まった。トイトレの進み云々よりも、失敗を恐れる心を、まずはほぐしてあげたかった。
失敗は恥ずかしいことじゃない。
何事も失敗を経てだんだん上手になっていくもの。
失敗した数、人は成長する。
失敗するって、もはやカッコいい。
こうして書き連ねると、どこかの自己啓発本のようだけれど、自分たちの頭の中にある失敗に関する名言を総動員して、息子を励ます日々であった。
トイトレを焦る必要はないけれど、失敗を恐れる必要はもっとないということを、熱心に繰り返し伝えた結果、息子は最近、まだまだ失敗しまくりだけれど、積極的にトレパンを履くようになった。
そしてなんと、先日、うんちがトイレで出来た!
その時はお風呂のために裸になっていたところ、便意をもよおしてトイレに駆け込んだという、本当にたまたまなのだが、トイレでうんちなんて、夢のまた夢だと思っていたから、家族で手を取り合って便器の前で拍手した。
失敗を積み重ねる最中に起こる成功体験ほど、自信につながるものはない。今回はたまたまとはいえ、諦めずに失敗を続けているときに限って、ひょんなところから成功がやってくるのも、また事実。
息子の自信に満ちた顔を見ながら、今後の人生にも大いに通ずる体験ができるトイトレのすばらしさに恐れ入った。
まだまだオムツ完全卒業までの道は長そうだが、親の「マイペースで良い」という考え方が、「周りができることを自分にできない劣等感」を知らず知らずのうちに息子に植え付けてしまっていたことを反省しつつ、自信とやる気を取り戻した息子と共に、これからもトイトレに励もうと思う。
親も子供も、失敗上等!
励みになります。