全日本ギャル検定65点のオタクが選ぶ、最も大富豪を一緒に遊びたいシャニマスのギャル10人
2024年8月。シャニマスでは推しの子コラボと同時に革命が起きた。
そう、アイドルと共に大富豪で遊べる機能が追加されたのだ。
大富豪=放課後のギャルであり、放課後のギャル=大富豪であることは周知の事実だと思うが、それがシャニマスで遊べるようになるということはいつでも放課後のギャルアイドルと遊べるようになるということを意味する。
放課後の教室でオタクに優しいギャルと机を囲み、「つーかオタクってさ、ゲーム中テンション高いよね(笑)」なんてからかわれながら先生に「もう下校時刻だぞ~」と言われるまで大富豪をしていた記憶はないだろうか?
僕はある。そんな経験はないが、記憶はあるのだ。
そういった放課後のギャルとの記憶を、シャニマスは今一度呼び起こそうとしている。ならば、全力で乗っかっていくのがオタクの務めというものだ。
今回はそんな記憶と全日本ギャル検定2級65点の記録を持つオタクが、シャニマスで最も一緒に放課後の大富豪を遊びたいアイドル10人を選び抜いた。
早速、大富豪にオススメのギャルを紹介していこう。
大崎甘奈
オタクくんを放課後の大富豪に誘ってくれる率第一位ギャルこと大崎甘奈さん。
オタクくんとは朝の挨拶ぐらいしか普段言葉を交わさないのに、オタクくんが好きな漫画やゲームをいつの間にか知っているし、それとなく話題に出してくれる最強のコミュ強美少女。
クラスカースト最上位で当然オタクくんには手の届かない存在だが、ギャルとの放課後大富豪では垣根も敬語も存在しない。
普段は甜花派のオタクくんも、大富豪に誘われた日だけは「なんかさ……大崎甘奈、ってさ……みんな誤解してるかもしれないんだけどさ、結構いい奴でさ……」みたいな顔つきになること間違いなし。
和泉愛依
大崎甘奈さんに並んでオタクくんを大富豪に誘いがち、和泉愛依さん。
オタクくんとはクラスの中で所属している集団が違うものの、テストで点数が悪かった時はお互いに点数を見せ合う仲であることはあまり知られていない。
和泉さんは他の女子よりも明らかに接しやすくて、オタクくんは「ま、まぁアホの和泉だしな……」と一線を引いているつもりでいるが、日が暮れるまで大富豪に勤しんだ後は「なんかコイツと一緒にいると気が楽でいいんだよな……」と思っている自分に気付く。
ま、まぁ和泉に大富豪誘ってほしいとか、全然思ってないけどな……
八宮めぐる
オタクくんが「放課後の大富豪、楽しそうだな……」と思ったタイミングでちょうど声をかけがち、八宮めぐるさん。
普段から元気いっぱいで髪色が派手なのもあってかギャルが苦手なオタクたちからは避けられがちな八宮さんだが、オタクくんも例外ではない。
しかし、八宮めぐるさんは誰にでも優しく明るく接する。そこに例外はない。
八宮さんといると疲れそうだよな……とか失礼なことを考えているオタクくんのことも大富豪に誘ってくれるし、机の上のじゃがりこに手を付けていないオタクくんへ「これ美味しいんだよー(笑)」って差し出してくれるし、大富豪が終わった後も階段を降りながら楽しかったかどうか聞いてくれる。
「なんで俺なんかに優しくしてくれるんだよぉ!」と碇シンジばりに叫び出したくなる気持ちを抑えて、今日もオタクくんは無意識に八宮さんを目で追っている。
浅倉透
隣の席のオタクにちょっかいかけがち、浅倉透。
校内女子人気ナンバー1の浅倉は大富豪とか関係なしに普段からオタクくんに謎のダル絡みをし続けているが、理由は不明。
きっと隣の席なら誰でもいいんだろう、オタクくんは自分を守るためそんな風に斜に構えて見ている。
でも放課後の大富豪のメンツになぜかいきなり加えられていた時、浅倉透に言われるわけ。
「え、やんないの、大富豪。放課後の」
オタクくんは高鳴った胸の音を、窓から差す夕焼けのせいだと思った。
小宮果穂
オタクくんは同じクラスの小宮果穂さんのことが好きだ。
だがこれは恋ではない。ただ、人として尊敬しているのだ。
小宮果穂さんが特撮好きらしいことは、同じ教室で過ごしているオタクとしてなんとなく気付いていた。LINEのプロフィール(クラスLINEで知った)とか、ちょっとグッズ映ってるし。
小宮さんは自分の好きなことを語る時、本当に楽しそうに、嬉しそうに喋っている。朝の出席の前でも、昼休みのお弁当タイムでも、放課後の大富豪の時でも。
もう高校生になったオタクくんにとって、それは恥と共に部屋の隅に追いやってしまった姿だ。
なのに同じクラスの彼女がそれを自分でしっかりと抱きしめている姿がなんだか無性に眩しく見えて、どうしようもなく彼女に焦がれてしまう気持ちのことを、"好き"だと呼ぶことにしたのだ。
小宮さん、どうか気付かないで。オタクくんの憧れに。
オタクくん、どうか気付かないで。それが愛であることに。
鈴木羽那
同じクラスの鈴木羽那はいつも甘くていい匂いがする。
これはクラスのオタクくんが鈴木の匂いを嗅ぐ変態だという話ではなくて、そのぐらいいつも距離感が近いって話。
下駄箱で俺に挨拶する時も、隣で消しゴム借りる時も、掃除中に一緒にゴミ捨てに行く時も、ずっと近い。餃子とか食わないんだろうな、鈴木って。
そしてギャル集団に捕まって大富豪をしている今も、隣の鈴木の距離が近い。
「ねぇ、この数字って一緒に出せるんだっけ?」
……鈴木が溶けそうな声で耳打ちしてくる。
なぁ、鈴木……あんまそういうことしてると、俺はともかく他の男子に誤解されるんじゃないか?
まったく……俺が誤解しない人間でよかったよな、鈴木。
杜野凛世
杜野さんはクラスでも男女問わず大人気の女の子だ。
女子、というよりは女の子という表現が似合うその細くて小さめな背丈と、いかにも大和撫子といった雰囲気が俺を含む周囲にそう呼ばせている。
でも、その印象とは裏腹に中身は滅茶苦茶ギャルだ。
大和撫子な印象なのに、ギャル。なんか盛り上がってる場の中心にいつもいるし、放課後に集まってみんなで大富豪とかやってるし、意外と思ってることが表情に出やすいし。
だから、そういうギャップなところも含めてオタクも陽キャもみんな杜野さんのことが好きなんだろうな。
お、俺もさ……今度一緒にギャルピースしながら写真撮っても、いいかな?
田中摩美々
田中摩美々はギャルじゃない。
元から陽キャグループにいるタイプではないし、悪い奴ではないんだろうけど学校もたまに休んでるし、放課後の大富豪に俺を誘ってくれたことだってない。
ただ、見た目がちょっとバチバチにキマりすぎてて近寄りがたくて、俺たちオタクはそういう奴のことを勝手にギャルって呼んでしまうだけで。
でも一回だけ……一回だけ、別のギャルに誘われて参加した大富豪で一緒になった時の田中が俺の発言で笑ってくれたことがあって。
その時「ああ、田中も普通の女の子なんだな」って思って……それからかな、田中と普通に喋れるようになったのは。
そんでもって、静かにしてる時の田中の横顔は凄い。ビジュ爆発してるってこういうことを言うんだろうな。
耳にトランセルみたいなピアス付けてるのに、すっげぇ絵になってるよな、田中って。
市川雛菜
市川さんは俺を大富豪に誘わない。
市川雛菜さんはいつもクラスの綺麗な子たちに囲まれていて、本人も滅茶苦茶綺麗な顔立ちをしている。端的に言えば、陰キャオタクの天敵で……俺は苦手だった。
でもこの前、別のギャルに誘われて入った放課後の大富豪で偶然隣に座った市川さんが、突然一緒にBeReal用の写真を撮り始めたことがあった。
写真を撮られ慣れていないオタク特有の気色悪い笑顔でピースしてしまったが、撮れた写真を市川さんは楽しそうに見ていた。
でも俺はなんだかそのノリに置いて行かれたような気持ちになって、反射的に変な顔でごめん……と卑屈な謝罪が口をついて出る。
「え~?可愛いと思いますけど~~?」
市川雛菜さんはそれが当然であるかのように俺の卑屈をものともせず、笑いかけてくれた。
市川さんと喋ったのは、そのわずか数分だった。でも、俺はその一言が嬉しくて……少しだけ背筋を伸ばして大富豪に挑んだ。
俺はその日、市川さんの上げる写真が見たくてBeRealを始めた。
七草にちか
正直に言うと、俺は同じクラスの七草にちかを怖いと思っていた。
クラスの中でもちょっと口うるさくて生意気な女子というか、男子とはあんまり仲良くしないタイプの女子、所謂ライトなギャルで……当然、カースト底辺の陰キャオタクと仲が良いはずもない。
そう思っていた。大富豪で二人一緒に負けるまでは。
七草にちかは大富豪が下手だった。貧民の俺よりも。
そうして負け組の貧民(俺)と大貧民(七草)は、軽い罰ゲームとして学校の近くのコンビニへ使い走りさせられたわけ。
「お金渡されてるからいいけど……コンビニでお菓子買うの勿体ないなー……」
七草のボソッと呟いた発言に、激しく頷く。俺はお小遣いの関係上、コンビニどころか自販機すら滅多に使わない人間だった。
お菓子を買うならせめてドンキかおかしのまちおかがいいよな、という話でレジ前まで盛り上がった後、コンビニがメーカーとして出しているジェネリック品みたいなお菓子を二人で袋に詰める。
────七草は、軽そうな印象に反して苦労している側の人間だった。
クラスカースト最上位の女子みたいな派手なオシャレや買い物を控えているのは、彼女なりに節約しているから。
放課後の大富豪にあんまり顔を出さないのは、バイト(どこかのレコードショップらしい)のシフトが沢山入っているから。
姉以外の家族のことを話したがらない素振りなのは……多分何かを抱えているからなのだろう。俺も気軽に家族のことを話せる身ではないので、なんとなくわかる。
……俺はこの日がなければ、七草のことをずっとクラスの小うるさい女子だと思って、うっすらと嫌いなまま卒業していたかもしれない。
今はもう、コンビニに入る度にあの時のことを思い出す。
あの日二人で買ったコンビニのジェネリック品みたいなポテチは、思ってたよりも美味しくてこれはこれで悪くないと思った。
終わりに
自分が思うに、ギャルは自分が楽しいと思うことや面白いと思った相手を知ろうとするのに躊躇わないものだ。
オタクに優しいギャルも、放課後の大富豪に誘ってくれるギャルも、それはきっとどこかで彼女たちが楽しいと思っているからそうしているのだ。
ならばオタクもまた、自分自身で大富豪を楽しんだ時点でそれはもう11人目の"ギャル"なのではないか?
大富豪はそんなごく当たり前の幸せに気付かせてくれる、大切な交流の時間なのかもしれない。
なおシャニマスでは大富豪をプレイするとアイドルの個人情報が手に入る。大切な交流の時間の対価として、当然の内容だ。しっかりと噛みしめるべきだろう。
余談だが、タイトルにもなっている全日本ギャル検定2級は渋谷のギャルカフェ10sionにて実際に受験することが可能である。
店員がギャルしかいないお店だが、いかがわしい場所ではない。
好成績を収めると認定証授与とドリンクが1杯貰えるみたいな特典があった気がするが、僕は65点だったので貰えなかった。
でもお店のギャルから「大丈夫大丈夫、アタシもそのぐらいだったから(笑)」と慰めてもらえた(店内は敬語禁止だ)ので、これはこれで良い経験だったと思う。
1962年に日本でギャルという言葉が使われ始めてから今まで60年以上の歴史のどこかで、ギャルがオタクに敵対するものだというイメージが築かれたのは間違いない。
だがしかし、自分が怖いギャルだと思っていた相手も実際は人間であり、一人一人に凄いところがあってできないことがある。普通の女の子なのだ。
僕はまず、それをシャニマスと大富豪で学ぼうと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?