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【今回の #ゲームマーケット2024秋 を振り返って~製作編~】

ともあれ、#ゲームマーケット2024秋 お疲れ様でした。
蒼空久遠工房の久遠蒼季と申します。
今回は【神気覚醒エクセディア】の製作まわりについてとつとつとお話していきます。

さて、蒼空久遠工房は #ゲームマーケット2023秋 にて『魔法使いは詠み唱う』を出し、部数が少ないということを差し引いた上で割とよい感じに完売しました。

そのタイミングでかねてより計画していた『プロジェクトエクセディア』を始動することに。

プロジェクトエクセディアとはなんぞやというと、魔法使いは詠み唱うの前身、#ゲームマーケット2023春 の初作製・初出展の作品『Elements&Essence』を製作した際から並行して立案された企画になります。
原案自体はなんと2023年4月に出来ていました。

Elements&Essenceが『魔法』を題材にしていたため、エクセディアは『魔法以外の戦闘』を題材にしていました。

このネタ元はどこからというと、私の小説になります。
主人公が日本刀と魔法、ヒロイン1が槍と焔、ヒロイン2が魔法を使って戦う現代バトルファンタジーです。

ゲームにしやすかったから『魔法』のゲームの作製を先にしましたが、本音を言えば主人公の『魔法以外の戦闘』を先に作りたかったのです。

そんなこともあり、当初の予定ではElements&Essenceのあとエクセディアの製作をしようかと思っておりましたが、#ゲームマーケット2023春 の結果が結果でしたのでこれはいけないと、即座にリターンマッチへ舵を取り直しました。

本題からは逸れますが、Elements&Essenceの作品としての失敗点を洗い出すと以下のような点が上げられました。
・タイトルが印象に残りづらい
・2人用で60分は長い
・説明書が分かりづらい
・カードデザインがいまいち

→上記は解決可能であると判断し、もろもろあって生まれたのが『魔法使いは詠み唱う(まほよみ)』になります。

上記が上手く解消できていたのか、それとも『ゲーム外の問題点』を上手く解消できたのか、ありがたいことにまほよみは #ゲームマーケット2023秋 にて、少部数ということもあり2時間で完売しました。
おかげて再販も無事にできました。

この時点で、まほよみの訴求力があったポイントを正しく理解できていない、というのが今回のお話の肝になります。

そんなこんなで2023年末、いよいよ暖めていたプロジェクトエクセディアを動かしていこうと動き始めます。

上で『魔法以外の戦闘』と書きましたが、具体的になんぞというと刀や槍による戦い、だけではなく気、いわゆる不思議なパワーを使って戦う戦闘全般をさします。
不思議なパワーを使って焔を出したり、身体能力を強化したりしながら戦うイメージです。
魔法と何が違うのか、というと、
・魔法は『体の外』の要素で戦う
のに対して
・不思議なパワーは『体の内』の要素で戦うものとして久遠の世界では定義しております。

そんなこんなで、これをゲームに落とし込もうと思案します。

まほよみと異なるのは、魔法は立式ができれば何でもよいのに対し、武器などで戦闘スタイルが異なるはずというポイント。

ということで、2023年4月原案の時点で、『武器と属性と職業を組み合わせて使用するキャラクターのステータスを決める』というポイントは出来ておりました。
攻撃にもカードを3枚組み合わせるということは決まっておりましたが、原案ではもっと複雑な要素でした。

そして、エクセディアとまほよみとの大きな違いは盤面の有無になります。
これはかなり悩んだ点になるのですが、私の作りたい『実際に戦っている感覚』から離れるのではないかという懸念点です。
まほよみは明確に1人称視点、つまりFPSの視点になるのですが、エクセディアは盤面とキャラクターを用意することにより視点が上がり3人称視点、つまりTPSの視点になります。
これは体験としてブレが生じるかなと思いましたが、盤面のやりとりを優先し、キャラクタークリエイトを強化する方向に舵を切りました。

キャラクタークリエイトにを推すなら、舞台は『並行世界や異世界を超えて好きなキャラクターで対戦する』。
そしたら世界観は細かくつくり、キャラクターを登場させる土台を作ろうと、そんなことを考えておりました。

そんなこんなで2024年1月にはテストプレイ用のver1.0が完成しました。

詳細は省きますが、今より要素マシマシでした。
というよりは操作量が非常に多かったです。
戦闘に使うカードも1ラウンドに3回カードを使っていました。

度重なるテストプレイを経て、これではダメだとまほよみ式の3枚のカードを繋げるシステムへと変更。
これにより1ラウンド分の行動を組み立てる形式に。

ゲームシステムとしては、まほよみに要素が増えたような形となりました。

さてここでゲームシステムが固まったところで、次はデザインです。

私にはデザイン能力がないので、初めでカードデザインを依頼することにしました。
非常によい機会となったのが、2024年3月に行われたBGBEで、イラストについてのお話を伺うことができ、そのままご依頼することとなりました。

本作は特に、『キャラクターたちが実際に使用しているカード』をイメージしているため、完成されたデザインは不可欠でした。

そして時は進み、テストプレイを重ねて調整を繰り返し紆余曲折を経て、入稿、完成となりました。

ロゴ、イラスト、デザイン。
携わって下さった皆さま、本当にありがとうございました。

度重なる調整の末、『神気覚醒エクセディア』という作品は無事に完成となりました。

出来上がった作品はどうだったか、という是非については私はあえて触れません。
作品の出来、という点に関しては製作者である私がどうこう言えるほど知見や見聞がないのと、出来に対する評価というものはやはり、他者から下されるべきと考えているからです。

ので、それ以外の部分でどのような問題があったか、という恐らく皆さまが1番みたい部分のお話をしていきます。

魔法使いは詠み唱うの販売数から、神気覚醒エクセディアの予測部数を70と仮定しました。
しかし最終部数は、 #ゲームマーケット2024秋 終了時点で各イベントの合計で48部となりました。

結果としては、個人製作でありゲームジャンルを考慮すれば十分かと思います。

しかし今回の結果は、自身の認識と世間様の認識との大きな差に気付くことになりました。

まず第1に、まほよみとエクセディアでとっつき安さが違うという点。
私の中では、魔法もオーラ的な何かで戦うことも差はありません。
ですが本作は、キャラクターたちがカードを組み合わせて何をしているか伝わりづらく、『とっつきにくいゲーム』として映った可能性が高いです。
また、どちらかというとSF寄りな世界観に見えたかと思いますが、そこも引っかかったのかもしれません。

次に第2点。
ここでさらに悪さをするのが作品のテイスト。
世間様は、カッコイイ=ダークやシックなイメージが多いように見受けられます。
私が今回作りたかったのは『明るくカッコイイ』作品でしたのでそのイメージで製作しイラストやデザインも依頼しましたが、そこも世間様とのズレがあったようです。
世間様と違うことを目指すのであれば、それだけの面白さやネームバリューが必要になりますが、今の私では実力が不足していたのは間違いありません。

そして最後の第3点。
どうやら作品のキャラクターではなく自身のオリジナルキャラクターを遙かに優先して使用したいというのは、一般的な感覚からズレているという認識がなかったというポイントです。
本作はキャラクタークリエイトに主題を置いたゲームですので、私のエゴでキャラクターは付属しません。
それ自体が悪ではないですが、それを乗り越えるだけの何かをプロモーション出来なかった私の責任です。

ということで、世間様とのズレと、それを乗り越えるだけの何かを提示できなかったというのが結論になります。

さてここで。

これで終わりかと問われれば──

答えは否です。

改めて本作、【神気覚醒エクセディア】の要素を見直してみます。

本作の主題は好きなキャラクターで戦うというポイント。
これはかつてTRPGで作成したキャラクター同士でPvPをしていた所に端を発します。
それならばと、キャラクターのレギュレーションを揃えて対戦できるゲーム、それが本作となります。

本作はそのレギュレーションを揃えるために、多くの設定と広い世界観があります。
それこそTRPGの如しです。

その世界観を表現するために、カードデザインもカッコよく仕上がっております。

ゲームシステムはカードの組み合わせと相性を読み合いと、さらに盤面の位置取りも重要と考えるポイントの多さが売りです。

世間様とのズレはあるかもしれませんが、それでも『刺さる人には刺さる』と自負しております。

ですので、改めてプロモーションさせてください
・TCGやLCGが好きな人
・TRPGの戦闘が好きな人
・オリキャラで戦いたい人

是非一度でよいので、神気覚醒エクセディアをお手にとって見て頂ければと思います。
現在、BOOTHの通販(https://firmamentum111.booth.pm/items/6298170)をしているのと、11/23(土・祝)に京都で行われるTGFFと、来年1/16、17に大阪で行われるBGBEが次の機会となります。


ながながと、乱文失礼致しました。

末筆ですが、既に本作をお手にとって下さった皆さま、本当にありがとうございました。

蒼空久遠工房
久遠蒼季

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