影が消えた日
ナナは小さな町の時計店で働いている。店の主人は彼女の祖父で、二人で古びた時計を修理しながら日々を送っていた。店にはさまざまな客が訪れるが、その中で特に印象的だったのは、毎月必ず訪れる黒いコートの男だった。
彼は毎回同じ時計を修理に持ち込んだ。それは古い懐中時計で、表面には無数の傷があり、蓋を開けると中に「永遠の時間」という刻印がある不思議なものだった。
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