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築古旧耐震狭小物件を買う若者の成功

今日Xで築古旧耐震狭小物件を陥れる投稿を見ました。
内容は何とも至極当然で、業界や相場を分かっていないと書けないような部分も多分に含んでおり、おそらくその投稿(というより、その方のnoteのまとめ)を読んだ方は旧耐震狭小物件を避けてしまうようになるに違いありません。
その方が語る中には旧耐震狭小物件のメリット等も示されており、一元的的なものの見方でないのも説得力を増す要因だと思います。

ただそれらは総じてネガティヴ結論ありきの内容ですので、これを持って本来旧耐震狭小物件を買いたかったけど買い控えてしまう方、買ってしまって後悔してしまう方、売りたくても売れなくなってしまう方がいらっしゃると思い、こちらにポジティブ結論ありきの内容をまとめようと思いました。

このnoteが築古狭小物件を買う、または買った方の成功になるのを祈っております。


①築古狭小物件のメリット ー安さと立地ー

メリットは安さと立地。これに尽きます。
同じエリア、同じ立地の中で比較すると築浅より築古の方が安いのは当たり前ですが、考え方として大事なのは「少ない予算の中から選べる選択肢の中で、一番良い立地を選べる」という点です。
価格を考慮せず単純に築古と築浅を比べたら築浅が勝るのは当然です。
相場が急騰しているエリアの築浅を買える属性の方はそちらを買えばいいのです。
ただ限られた予算の中で、他の選択肢が立地の弱い築浅になってしまうのであれば、それより旧耐震狭小物件が勝るケースは決して少なくありません。

耐震は売りづらい、次の買い手が見つからない=出口がない、という一面は確かにありますが、後述する②の内容に該当せず、流通性を保っているマンションはたくさんあります。


②買ってはいけないケース

これは旧耐震狭小物件に限った話ではありませんが、不動産の中には買ってはいけない物件、つまり業者や知見のある人でも手を出さない物件があります。
旧耐震狭小物件はどうしても出口が少ない点や長期保有にリスクがある点から、ことさら気をつけなければなりません。

買ってはいけないケースとしては、

(1)借地権がある
(2)ランニングコストが重い
(3)管理状態が悪い
(4)緊急車両道路に面している
(5)自主管理

の5つがあります。

借地権は土地の権利が所有権ではない、という点で永住は望めず、費用もかかり、次の買い手は見つけづらくなります。(出口が塞がる前に売り切る自信があれば購入候補にしても問題ありません)

ランニングコストは各エリアで相場があるので各エリア毎に調査する必要があります。総戸数が少ないマンションや、機械式駐車場の修繕ネック等により、エリア平均よりランニングコストが重いマンションはよくあるので必ず注意しましょう。その分割安になっている、としてもそれ以上にお勧めできません。現状ランニングコスト重いマンションは年数経過でより重くなる一方です。

管理状態については営業担当に問い合わせて重要事項調査報告書を開示してもらえれば知ることが出来ます。そのまま伝えましたら、やる気のない営業マンに当たらない限りにはメールでもらえたりするものです。
その重要事項調査報告書は管理会社が発行しているなので、マンション全体で修繕積立金がどれだけ積立てられているか、値上げ予定があるか、借入金があるか、大規模修繕の履歴等が確認できます。積立額は直近の修繕状況にもよって左右されるのであくまで指標程度ですが、もし借入金があったり、過去15年以上大規模修繕をされていない場合には要注意です。やめた方が無難です。

緊急輸送道路に面しているか、については…
簡略化してお伝えしますと、緊急輸送道路に面した旧耐震物件は全て新耐震工事して認定を受けなければなりません。なので新耐震工事していれば問題ありません。
が、中にはしていないマンションもあり、そういうマンションでは融資がつかないので契約前に分かるケースもあるのですが、現金購入では気付き辛い点ですので、必ずご確認ください。出口は無いに等しいです。

自主管理、について。ほとんどのマンションは管理会社が管理しています。しかし中には管理会社をいれておらず、住人による自主管理のマンションがあります。自主管理はランニングコストが安い点があるのですが、それを差し引いても素人の修繕計画や組合活動となってしまいリスクが大きいです。やめましょう。

上記の5つを絶対条件として考慮しましょう。
上記5つに該当しない旧耐震マンションはたくさんあります。
もちろん該当しない中でも立地や周辺環境がネックで流通性のない旧耐震物件もありますが、そこは築浅物件も同じです。
大事なのは旧耐震狭小物件でも流通性があるマンションが市場に多くあり、担保評価する銀行もあるということ。

尚、上記5つどれかに該当するケースについて、もし例外がある場合にはご教示いただけますと幸いです。。


③買っても良いケース、というか人


なんだか分かり辛い文章構成にてすみません。
この章にてまとめとなります。お伝えしたいのは2点です。

(1)立地を優先する方
これなんです。旧耐震狭小物件を買う一番の理由。

物件を探す際に、限られた予算の中で
・築が浅くて駅から遠い
・築が古くて駅から近い
の二択をどう考えるか。
基本的に不動産は立地が価格への影響が一番大きいです。旧耐震物件を選択肢に入れるだけでより良い立地の不動産を見つけることができます。

何を重視するか熟考した上で
新築信仰派は新築を、戸建て派は戸建てを、自然重視の方は郊外物件を、ファミリーはファミリータイプを、タワマン信者はタワマンを
そして単身で通勤重視の方は駅近旧耐震狭小物件を買えば良いのです。
築浅物件が買えるのであればもちろんそちらでもいいのです。

投資目的で買うのであれば、家賃相場調査して同エリアの競合や出口調査することが大事です。

(2)月々の支払いコストを抑えたい方
立地に次いで大きなメリットは安さです。
仮に駅近でもなく立地もよくないとしても、同じ立地の築浅物件より安く購入できます。安く購入できるということは月々のローン支払い額にも余裕が生まれ、結果としてその他の趣味や生き甲斐にかけられるお金が増えてQOLが上昇します。
何にお金をかけるか、というのは一人ひとり違います。
仮に貴方がこれから購入を検討するとして、希望条件エリアの旧耐震物件を選んだ場合、築浅の物件と比べて月々にいくら余裕がうまれるのか、それによってあなたの人生がどう変わるのか。検討いただけますと幸いです。


ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

本来ならば旧耐震物件と築浅の間に築古とも築浅とも言えない築年物件がありますが、分かりやすさ重視で旧耐震と築浅の極端な比較を用いました。
また件のnoteは都心湾岸や投資用が前提で作られているなぁと読み取りましたが、こちらのnoteはなるべくエリア性排除し居住用メインとなってしまいました。ご容赦ください。
私個人としては、皆さま一人ひとりにとって最適な物件は変わり、その中で旧耐震狭小物件は選択肢として十分おすすめであること、そして皆さまにとって良い不動産と出会えることを祈っております。
長文失礼いたしました。

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