MIDSUMMER感想ネタバレ有り

「MIDSUMMER」
アリ・アスター監督
2019年〜2020年公開の映画ですね。ウィキ情報です。
色々考察されてる映画ですが
私考察いっさい見ないです（笑）
自分で考察して、見返して、監督とか制作に関わった人のインタビュー読んで、納得するタイプです。なので、このnoteは個人の映画記録ですね（笑）
SNS全般文字制限があって書き残しきれないんですよ💧
ここに書く内容は根拠ある事もない事も書きます。だから「感想」ですね。
まず、このMIDSUMMERは「グロい」とか「宗教っぽい」とか色々言われてる作品ですね。謎というか不可解？不思議？に感じるところが多いので、考察してる人多いですね。

自分の感想ですが「主人公ダニー（フローレンス・ピュー）の現世からの解放」がテーマだと思ってます。
理由はいくつかありますが、最大の理由は最期のシーンで一緒に村に来たジョシュ、マーク（二人はすでに死んでる）、恋人のクリスチャン（生きたまま。スウェーデンでは悪魔の存在、熊の革を着て、生贄としてダニーが選んだ）イギリスから来てたサイモン、コニー（サイモンは息をしていて、コニーは水死）あとは村の2人が生贄に志願して生きたまま焼かれます。
村の人達は「家族」です。「家族」の痛みは自分の痛み。生贄になった村人2人のように叫び苦しみます。
その時ダニーが笑うんです。あのフローレンス・ピューの演技は「やっと解放された」笑顔だと私は思いました。安堵感ですね。
クリスチャンはこの直前、儀式とはいえ村の女の子とSEXしてしまい、ダニーはそれを目撃します。ダニーは過呼吸になり泣き叫びますが、村の女の人達はダニーと同じ様に泣いてくれます。演技ではなく本気で、自分の事のように泣き叫ぶのです。
儀式とはいえ他の女の子とSEXしたクリスチャンを許せない。生贄にする。「ざまぁみろ（笑）」という意見もおりますが、自分はやっぱり前述した気持ちですね。「やっと解放された」
そう考えるのは色々理由があって、まずダニーは精神疾患です。同じく精神疾患持ちの妹がいて、いつも心配してました。ある日妹が父母を道連れに一酸化炭素中毒で心中します。
慰めるクリスチャン、でも内心はずっとダニーと別れたがってました。仲間内では早く別れたいとさえ言ってた。
それから1年後、ダニーはクリスチャンに依存します。クリスチャンがいないと不安。「どこにいるの？」と確認する毎日。
そんな中クリスチャンはダニーに内緒で仲間達と、論文の為にスウェーデン旅行を計画。
それを知ったダニーは「話しあいましょ」とクリスチャンに言います。
その時のシーン！！！クリスチャンは鏡の中なんです！！！ダニーはカメラの右側、左側に鏡に写ったクリスチャン。
鏡は何の描写でしょう？「あべこべ、嘘」です。
そのシーンでクリスチャンはスウェーデンに行く気満々、でもダニーが錯乱したらいけないから嘘をつく。
他にも鏡の描写は出てきます。　
これはストレート。一緒にスウェーデンに行く仲間達に「ダニーも一緒に行こう」と嘘をついてくれと言います。みんな渋々了解。その後クリスチャンはこう言います「どうせダニーは来ないから」嘘ばっかりですね〜。友達も嘘、クリスチャンも嘘。精神疾患だからダニーを腫れ物扱いして、嘘をつきまくります。
この鏡〓あべこべを自分の中で裏付けたのが、ホルガ村近くに入った際の描写です。世界が反転する。違う世界に足を踏み入れたよって合図です。監督〜この描写使うなら絶対鏡にも意味もたせるでしょ〜。という確信ですね（笑）

ホルガ村は先祖を重んじます。先祖達の遺灰がかかった老木におしっこして、マークは皮剥にされ滑稽な衣装を着させられます。それほど先祖を侮辱されると怒るんです。
ここには日本でいう輪廻転生の考えがあります。生贄として死んでいった村人達も次の赤ちゃんとなって産まれてくる。
なので「先祖」「しきたり」「家族」を重んじる村なんですね。
家族だからダニーの苦しみに寄り添って本気で泣き叫べる。
家族だから生贄になった二人の恐怖や痛みが同じ様に感じて、みんな苦しむ。
これは演技ではなく、一種の「共同体感覚」だと思います。
ダニーの苦しみを嘘や同情で「忘れろ」としてた現代社会。
ダニーの苦しみを一緒に受け止め、泣いてくれるホルガ村のみんな。
話は飛びますが、クリスチャンの友達、ホルガ村の出身のペレだけはずっと「君は家族になれる」とダニーに言っています。
ホルガ村の夏至の祭典で、女の子達が踊って、最後に残った者が今年のクイーンに選ばれます。ダニーはその踊りの最中習った事無いスウェーデン語が分かるようになります。
「言葉が国を作る」と言います。ダニーは本当にホルガ村の家族になっていったのです。

そして私が書いた冒頭の結末…ダニーは…
「嘘つき」「人に無関心」「精神疾患者は関わりたくない」今の現代社会、閉じた世界から
「家族を大切にし」「先祖を大事にし」「伝統を大事にし」「障害を持った子は神の子」「家族と共に感じる」優しい、共同体の社会へ

他にもMIDSUMMERには「ルーン文字」「90年に1度の祭典」「北欧神話」などなど色々な要素が入り混じってます。
今回はダニーの心の変化について集中して感想書いてみました。