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Cちゃんの幸運

 譲渡会にも勿論、参加費が必要だ。私は毎回3匹は連れてくるので地味に財布に響く。ある日の譲渡会の会場には里親さんになりたい参加者さんが少なく今日連れてきたAちゃん、Bちゃん、Cちゃんも里親さんに出会えないのかと、私はぐったりしていた。すると、偶然通りがかったという親子3人が会場に来てくれた。

 見たところ双子の男子高校生と母親と思われる。会場を一回りして、Cちゃんのケージの前に止まると抱っこしていいかと尋ねてくれた。Cちゃんは私の祈りが通じて、かろうじて大人しくしている。「この子は人気なんですよ」思わず通信販売のアナウンサーのような猫なで声が出てしまう。
 

 高校生男子だから言葉少ないが嬉しそうに抱っこしてくれている。「この仔がいい」と一人が言うと兄弟のもう一人も頷き、トライアルしてくれることになった。気が付くとありがとうございます!と彼らを拝んでいる私。譲渡会のほとんどでまずトライアルを申し込んでもらうところから始まる。後日、猫と一緒に生活環境のチェックもかねてお伺いするのだ。

 
さて、当日、私とNPO法人の方2人でお宅を訪れると、かわいい先住仔猫がいた。話を聞くと一人でお留守番が可哀想で遊び相手の仔猫を探していたとの事。先住仔猫は気配を感じて、早速、敵意むき出しでシャーシャー鳴いていたがCちゃんは気にする風でもなくケージに鼻をつけて挨拶したいようだった。

 1週間のトライアル後、里親さん候補の親子は正式に譲渡契約書をNPO法人と交わしてくれて、めでたくCちゃんは幸せの第1歩を踏み出した。Cちゃん、おめでとう!私、お疲れ様!さて、次に向けて頑張れわたし!


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