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光ちゃんは眼が見えなくなった1⃣

 保護猫の光ちゃんは、なかなか風邪が治らなかった3匹のうちの1匹だ。何度も病院へと通い、薬も何度も飲ませ、何度も注射を打った。熱の高さに入院をさせたりもした。だけど、そのうちに光ちゃんだけが目が飛び出してきた。先生に聞いてみたがそれらしいアドバイスがなかったので、無知な事にそのうちに眼の腫れは引くのだろうと考えていた。

 その症状をNPO法人のBさんに何気なく相談したところ、血相を変え、光ちゃんを見るなり、すぐに手術しないと死んじゃうよ!と私を叱った。あたふたとする私を置いて、Bさんは彼女の行きつけの病院へと光ちゃんを連れて行ってくれた。

 どちらかの眼だけでいいから、せめて光をわかって欲しいと願いを込めて名前を付けたが、願いは届かず眼球を摘出することになった。風邪から回復したら、譲渡会にだして、3匹の中では一番なつっこかったから直ぐ里親さんが見つかると信じていた。でも、もう譲渡会には出せないだろう。情けなくて涙が出た。

 守ってるつもりで守ってあげられなかった。お金が減っていくのが怖くて
次の病院を探すことを躊躇したのかもしれない。もっと、きちんと様子を見て眼を診断するのが得意な病院を探すべきだったのだ。

 翌翌日、様子が安定していると光ちゃんが手元に戻ってきた。光ちゃんは手術前と変わらず顔を手にこすりつけてくる。『本当にバカだった。ごめん。』やっぱり泣いてしまう。でも、泣いてばかりはいられない。目が見えないだけで元気な光ちゃんはうちの仔なんだから。そう、私は彼と生きていく事の覚悟を決めた。


 


 

 


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