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技巧鋼者達の名作       「Vicious Rumors/Digital Dictator」 

今回ご紹介するのは技巧派ギタリストのGeoff Thorpe率いるアメリカのテクニカル・メタル・バンド「Vicious Rumors(ヴィシャス・ルーマーズ)」の1988年にリリースされたセカンド・アルバムです。ファースト・アルバムのメンバーが二人脱退し、ギタリストMark McGeeとRuffians等のバンドで活動していたボーカルのCarl Albert(悲しいことに1995年に自動車事故で他界)を新しく迎えて制作されました。この二人の加入は正解で、特にCarl Albertの影響が大きく、バンドも一気にレベルアップ!明確なスタイルが確立されました。Carl Albertの歌唱力、Geoff ThorpeとMark McGeeのギターテクが炸裂する巧妙に構成された楽曲陣と、圧倒的なパワーには「参りました」の一言で、アルバムの精密機器の内部を表現したようなジャケットと"デジタル・ディクテーター(直訳はデジタル独裁者)"というタイトルのワード音も好きで、素晴らしい作品です。

■━ 収録曲 ━━━━━━━━━━━━━━■

01.Replicant
02.Digital Dictator
03.Minute To Kill
04.Towns On Fire
05.Lady Took A Chance
06.Worlds And Machines
07.The Crest
08.R.L.H.
09.Condemned
10.Out Of The Shadows

オープニングの"Replicant"がだけがインストゥルメンタルです。この序章曲"Replicant"からの" Digital Dictator"への流れが最高です!そして中間地点の6曲目"Worlds And Machines"で衝撃を受け、ラストの疾走ナンバー"Out Of The Shadows"できっちりと締め、有終の美を飾る構成です。

■━ メンバー ━━━━━━━━━━━━━■

Carl Albert(Vo.)
Geoff Thorpe(G.)
Mark McGee(G.)
Dave Starr(B.)
Larry Howe(Dr.)

ファースト・アルバムでは同じく技巧派ギタリストのVinnie Moorが在籍していたのですが、すぐに脱退(後に素晴らしいソロ・アルバムをリリース)オリジナルメンバーのGeoff Thorpe、Dave Starr、Larry Howeに新しくMark McGeeが加入、ボーカルもGary St. Pierre からCarl Albert変わり、最強の布陣に。このメンバーで長期に渡り活動、強い結束力を感じます。

■━ おすすめの曲 ━━━━━━━━━━━■

★ Worlds And Machines -------------- ★

この作品からシングルはリリースされなかったのですが、個人的に1stシングルはこれです!アルバム後半6曲目のナンバーで、このアルバムで一番好きな曲です。イントロのゆっくりとした美しいフレーズから激しいリフに展開、サビで少しキャッチーに、そして待ってましたのギター・ソロへ!素晴らしい構成、名曲です。

★ Digital Dictator ------------- ★

イントロの"Replicant"から続く重要なアルバム・タイトル曲です。激しいドラムからカコフォニー・メロディーでダークサイドに誘います。強調されたリリック"Programming minds"&"Dictator"重圧ボイスとエモーショナルなギダーソロも秀逸です。

★ Minute To Kill ------------------- ★

"Digital Dictator"圧倒後、間髪入れず続くスピードナンバーです。美しく並走するツインリード・ギター!Carl Albertの力強い歌声と激しいシャウトが最高です。改めて彼の歌のうまさに魅了されます。

★ Out Of The Shadows ------------- ★

ドラムからの激走ギターリフ!ラストを飾るスピーディーなナンバーです。激しく疾走する曲の中で感じる叙情テイストが効いています。


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